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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版) (33 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」の周知について(4/28付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

別冊

罹患後症状のマネジメント・第1版 ●8 “ 痛み ” へのアプローチ

①の機序などについては急性期の反応と考えられているが,同時に起こる②の機序=サイ
トカインの産生やその影響は長期にわたり,症状の遷延につながる可能性も考えられる . な
お , これらの機序はそれぞれ単独で起こるものではなく,複雑に絡みながら生じることは当然
考えられることで,そうした機序の複雑性が,痛みの多様性とともに,遷延・難治化する一因
にもなると考えられる.⑤のように,痛みが持続することによる廃用や心身の不調も影響する
と考えられるためである.特に集中治療後症候群,床上安静などを含めた治療プロセスによ
る影響や実社会(就労現場など)に戻るさいの心身の負荷なども生活のなかで経験する痛み
やその持続に大きく影響を及ぼすことが考えられる . これらの場合,明確な臓器障害が身体検
査上認められなくても疼痛が認められることがあり得る.ただ,急性期の重症度に関係なく,
COVID-19 罹患 1 年後の心血管疾患の発症リスクが高まるといった報告もあり,胸痛を訴える
患者の場合,長期的な経過観察も考慮する.
また,トルコからの報告によると,300 名の COVID-19 罹患者を調査した結果,以下図
8-2 に示すとおり筋痛,関節痛などの症状はいずれも COVID-19 に対する入院から 3 カ月時
点においても罹患者のうち 40% 程度の者で認められていたが,入院から 6 カ月の時点では疼
痛を認める患者数の半減が認められた.疼痛部位に関しては,筋痛,関節痛のいずれにおいて
も広範な領域および下腿に多く認められた.
図 8-2 筋痛,関節痛などの症状の変化(入院から3カ月,6カ月)

3カ月

重度

中等度

軽度
























非常に重度

なし

筋痛
筋痛

(%)



























非常に重度



0



0



20



40

20




40




60




80

60



80



100




6カ月

100

重度

中等度

軽度

なし


節痛
関節痛

(%)
100

100

50
50

0
3か月
3 カ月

0
3か⽉
3 カ月
広範

部分的

66か⽉
カ月
肩甲帯



⼤腿

下腿

66か月
カ月

広範

部分的

肩関節

肘関節

手関節から手

股関節



足関節から足

(Karaarslan F. Long COVID: rheumatologic/musculoskeletal symptoms in hospitalized COVID-19 survivors at
3 and 6 months. Clin Rheumatology 41: 289-296, 2022)より改変

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