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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版) (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」の周知について(4/28付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

別冊

罹患後症状のマネジメント・第1版 ●8 “ 痛み ” へのアプローチ

4.フォローアップすべき所見・症状
頭痛,喉の痛み,頸部痛,胸背部痛,腹部痛,腰痛,関節痛などのフォローにあたっては
器質的疾患(例:腹痛→消化器系腫瘍,胸痛→心血管系疾患,関節痛→変形性関節症・肩関節
周囲炎・関節リウマチなど)の存在や増悪を考慮しながら診療に当たる必要がある.症状が
COVID-19 罹患後も 1 カ月程度以上続く場合には当該疼痛部位の診療科:専門医(例:筋・関
節の痛み→整形外科,腹部痛→消化器内科等)に紹介を考える.

5.プライマリケアにおけるマネジメント
患者が COVID-19 感染による心身の不調や実生活から離れた経験自体が今後の生活復帰に
向けての不安がある状態であることを理解して,寄り添う形で傾聴して対応する必要がある.
血液スクリーニングや身体に現れている症状に対しては , 必要に応じた基本的検査を必ず行い,
器質的に懸念される病態がないことを確認する.
器質的疾患を疑わない場合であっても , しっかり時間をかけて説明を行い,懸念される器質
的疾患はないこと,何か小さな症状はあるかも知れないが,基本的には症状が悪化することは
多くないことを説明する.その際、病名を聞かれた場合には,持続痛,持続めまいなど,器質
的な病気の存在に直結しない病名で説明する.また、同時に主治医として責任をもって検査を
経時的に行いフォローすることを説明する.
自分が説明できない,コントロールできない場合は,次の医師に繋ぐまでは自分が責任をもっ
て対応する.

6.専門医・拠点病院への紹介の目安・タイミング
痛みが続くと二次的な廃用なども影響して慢性化する可能性もあるため,適切な対応が必要
となることも考えられる.したがって,かかりつけ医等は器質的疾患の診断・加療を行う.併
行して短期(1カ月程度)の一般的な疼痛治療や生活指導を行うこととし,治療が奏功しない
場合や症状増悪がみられる際には,治療関係を維持しつつ,専門医療機関と連携しながらガイ
ドを行うことが望ましい.

7.専門医・拠点病院でのマネジメント
当該疼痛部位の診療科:専門医は既知の疼痛疾患を鑑別し,必要に応じた治療に当たる.そ
のさい,重篤な疾病がないことを確認することが特に重要であり,必要であればその疾患に対
する治療を行う(例:肋骨捻挫・肋骨骨折であればバストバンド処置および必要に応じた消炎
鎮痛薬など).
①原因と考えられる病態以上に強い痛みを訴える,②(不安・抑うつなどを含めて)複数の病
態が関与している場合,③途中で病態が変わった場合,④複数下での対応が望ましいなど,専
門医による治療が奏功しない状況が生じた場合は集学的な治療を行っている拠点病院の痛みセ
ンター * などへの紹介を考慮する.
* 厚生労働省の研究班の集学的痛みセンター:
(https://itami-net.or.jp/hospital)

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