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資料1-2-4診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (40 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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性リンパ腫にもみられる非特異的な所見である。初発時、再燃時ともに血球貪食症候群また又はマクロフ
ァージ活性化症候群や播種性血管内凝固症候群(DIC)など予後不良な合併症がみられる発症する場合が
あり、注意が必要である。
その他の臨床像としては、 間質性肺炎、胸膜炎、心外膜炎が欧米症例で高頻度にみられ、本邦でも稀
でない。極めて稀に腎障害、肉芽腫性肝炎、急性肝不全、心内膜炎、麻痺性イレウス、末梢神経障害、顔
面神経麻痺、頭蓋内圧亢進、無菌性髄膜炎の報告がある。
検査所見としては、白血球の著明な上昇は特徴的である。CRP 上昇、血沈亢進、肝機能異常及び LDH
上昇、血清フェリチン上昇著増、血小板数の異常又は播種性血管内凝固症候群(DIC)増多などもみられる。

4.治療法
一般にステロイド治療に反応する良性疾患である。NSAIDs のみで寛解する例は少なく、ステロイド薬の中
等量から大量(プレドニゾロン相当 1mg/kg/日、分割内服)が用いられるが、必要用量と期間は、症例ごと
に異なるので一律のプロトコールは存在しない。初期量で熱性病態及び炎症反応(CRP)が消失することを
目安に、減量を始め、維持量で管理する。
ステロイドで効果不十分な場合や減量困難な場合には、ステロイドに加えて保険適用のあるトシリズマブ
(抗 IL-6 受容体モノクローナル抗体)が小児スチル病の標準治療薬となり、成人例に使用した文献報告も
みられるや、以前から使用されている免疫抑制薬(メトトレキサート、シクロスポリン)などを使用する。
5.予後
良性疾患であるが、マクロファージ活性化症候群、DIC、前述の稀な合併症を生じたときは、重症化するこ
とがある。いずれも活動期にみられる。ときに、炎症が持続してアミロイドーシスを生じる例、関節炎遷延例
がある。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数
約 4,800 人(研究班による)
2.発病の機構
不明(病因は未定であり、有力候補はない。)
3.効果的な治療方法
未確立(根治療法なし。)
4.長期の療養
必要(合併症により重症化、炎症が持続する例がある。)
5.診断基準
あり(学会関与の診断基準等あり。)
6.重症度分類
研究班において作成されたものを用い、中等症以上を対象とする。

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