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資料1-2-4診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (31 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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53 シェーグレン症候群
○ 概要
1.概要
慢性唾液腺炎と乾燥性角結膜炎を主徴とし、多彩な自己抗体の出現や高ガンマグロブリン血症を来す自
己免疫疾患の一つである。乾燥症が主症状となるが、唾液腺、涙腺だけでなく、全身の外分泌腺が系統的
に障害されるため、autoimmune exocrinopathy とも称される。
シェーグレン症候群は他の膠原病の合併がみられない一次性と関節リウマチや全身性エリテマトーデス
などの膠原病を合併する二次性とに大別される。さらに、一次性シェーグレン症候群は、病変が涙腺、唾液
腺に限局する腺型と病変が全身諸臓器に及ぶ腺外型とに分けられる。
様々な自己抗体の出現や臓器に浸潤した自己反応性リンパ球の存在により、自己免疫応答がその病因
として考えられている。ポリクローナルな高ガンマグロブリン血症のほか、抗核抗体、リウマトイド因子、抗
SS‐A 抗体、抗 SS‐B 抗体などの自己抗体が出現する。
2.原因
詳細は不明であるが、自己免疫疾患と考えられている。
3.症状
(1)乾燥症状(眼、口腔、気道乾燥、皮膚乾燥、腟乾燥など)
(2)唾液腺・涙腺腫脹
(3)関節症状(関節痛、関節炎)
(4)甲状腺(甲状腺腫、慢性甲状腺炎)
(5)呼吸器症状(間質性肺炎、慢性気管支炎、嗄声など)
(6)肝症状(原発性胆汁性胆管炎、自己免疫性肝炎)
(7)消化管症状(胃炎)
(8)腎症状(遠位尿細管性アシドーシス、低カリウム血症による四肢麻痺、腎石灰化症)
(9)皮膚症状(環状紅斑、高ガンマグロブリン血症による、下肢の網状皮斑や紫斑)
(10)その他(レイノー現象、筋炎、末梢神経炎、血管炎、悪性リンパ腫など)
4.治療法
乾燥症状に対しては、対症的対症療法が中心となる。眼乾燥症には人工涙液、ヒアルロン酸ナトリウム、
ジクアホソルナトリウム、レバミピドの点眼やが行われる。強度の眼乾燥症に対しては、涙点プラグが有効
である。口腔乾燥症には人工唾液の噴霧が行われる。また頻回のうがいはう歯の予防に有用である。室内
の湿度を保つことも乾燥感の軽減に有効である。乾燥症状が強い場合に内服薬では、塩酸ブロムヘキシン、
アネトールトリチオン、麦門冬湯、塩酸唾液分泌促進薬であるセビメリンなど塩酸塩、ピロカルピン塩酸塩が
用いられる。塩酸セビメリン(エポザック、サリグレン)は今までの薬剤に比べて有用性が高く、約 60%の患

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