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資料1-2-4診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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資料1-2-4
(診断基準等のアップデート案(見え消し))

48 原発性抗リン脂質抗体症候群

取扱注意

○ 概要
1.概要
抗リン脂質抗体(aPL)には、抗カルジオリピン抗体(aCL)、ループス抗凝固因子(LAC)、ワッセルマン反
応(STS)偽陽性などが含まれるが、これらの抗体を有し、臨床的に動・静脈の血栓症、血小板減少症、習
慣流産・死産・子宮内胎児死亡などをみる場合に抗リン脂質抗体症候群(APS)と称せられる。全身性エリ
テマトーデス(SLE)を始めとする膠原病や自己免疫疾患に認められることが多いが(続発性)、原発性 APS
も存在する。また、多臓器梗塞を同時にみる予後不良な病態は 、劇症型抗リン脂質抗体症候群
(catastrophic APS)と称せられる。原因は未だ不明である。
2.原因
aPL は APTT の延長をもたらすが、臨床的には凝固亢進し、血栓症を来す。その機序は不明であるがいく
つかの仮説が出されている。それらは、1.リン脂質依存性凝固反応を抑制的に制御しているβ2‐GPIβ 2
グリコプロテイン I を阻害する、2.プロテイン C の活性化を阻害する、3.血管内皮細胞上のトロンボモジュ
リンやヘパラン硫酸を阻害ないし障害する、4.凝固抑制に働く血管内皮細胞からのプロスタサイクリン産
生を抑制する、5.血管内皮細胞からのフォンウィルブランド(von Willebrand)因子やプラスミノゲンアクティ
ベータインヒビターの産生放出を増加させる、などである。
3.症状
aPL は、動静脈血栓症、自然流産・習慣流産・子宮内胎児死亡、血小板減少症などと相関する。また、ク
ームス抗体陽性をみる自己免疫性溶血性貧血や Evans 症候群をみることもある。関連する主な症状を表1
に示す。これらは、SLE や自己免疫疾患に限らず幅広い疾患にまたがって認められる。急速に多発性の臓
器梗塞を来す catastrophic APS では、強度の腎障害、脳血管障害、ARDS 様の呼吸障害、心筋梗塞、DlC
などの重篤な症状をみる。
抗リン脂質抗体症候群にみられる症状
①血栓症
<静脈系>
血栓性静脈炎、網状皮斑、下腿潰瘍、網膜静脈血栓症、肺梗塞・塞栓症、血栓性肺高血圧症、バッド・
キアリ(Budd-Chiari)症候群、肝腫大など。
<動脈系>
皮膚潰瘍、四肢壊疸、網膜動脈血栓症、一過性脳虚血発作、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、疣贅性心
内膜炎、弁膜機能不全、腎梗塞、腎微小血栓、肝梗塞、腸梗塞、無菌性骨壊死など。
②習慣流産、自然流産、子宮内胎児死亡
③血小板減少症
④その他

自己免疫性溶血性貧血、エヴァンズ(Evans)症候群、頭痛、舞踏病、血管炎様皮疹、アジソ

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