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【資料3-1】ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の取扱い等に関する合同会議「議論の整理」 (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67012.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第146回 12/11)《厚生労働省》
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1.規制対象とすべきゲノム編集技術等の範囲について
ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用の規制のあり方を検討す
る上で、規制対象とすべきゲノム編集技術等の範囲については、国内外における
現時点での基礎的研究により得られた知見が少ないことを踏まえ、臨床利用委
員会では以下のような検討を行った。
①科学技術的課題
体細胞に対して遺伝子組換え技術や細胞内の核酸に直接影響を及ぼす医薬
品等を用いる場合、前述のとおり、ランダムに核酸の塩基配列を改変させる
ことから、望ましくない遺伝子変異や遺伝子発現が起こり得るリスクがある
ことが知られている。
一方、ヒト受精胚等については、これまで臨床利用が容認されていないこ
とに加え、基礎的研究においても十分な科学的知見が得られていないため、
臨床利用の際に課題となる、望ましくない遺伝子変異や遺伝子発現が生じ得
るリスクを評価することは困難であり、発生をコントロールすることも困難
である。
ゲノム編集技術は、特定の塩基配列を標的として遺伝子発現を制御する技
術であることから、前述の遺伝子組換え技術や医薬品等を用いる場合と比べ
て望ましくない遺伝子変異や遺伝子発現の発生リスクが前述の遺伝子組換え
技術等より理論的には低いとされているが、ゲノム編集技術に関しても、前
述の技術と同様に臨床利用は容認されておらず、ヒト胚を用いた基礎的研究
は国内外でわずかながら行われているものの、十分な科学的知見が得られて
いない。
これまでに得られている科学的知見によると、ゲノム編集技術がヒト受精
胚等に応用される場合、本来標的とする塩基配列以外の類似配列を認識した
結果として望ましくない遺伝子発現が生じるオフターゲット変異が発生する
可能性がある。さらにオンターゲット部位において、標的とした塩基配列に
結合したとしても、DNA 切断箇所で望ましくない塩基配列の大規模なゲノム再
編(欠失、逆位、転座)が高頻度で起こること7や、初期胚におけるトランス
ポゾン活性化により大きなゲノム等の挿入が起こること8などで、望ましくな
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Kosicki M, et al. Nature Biotechnology 2018 Sep.36(8): 765-771
R Ono et al., COMMUNICAIONS BIOLOGY https://doi.org/10.1038/s42003-019-03002:www.nature.com/commsbio
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