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資料2 医療事故調査制度等の医療安全に係る検討会報告書(案) (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65345.html
出典情報 医療事故調査制度等の医療安全に係る検討会(第5回 10/29)《厚生労働省》
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3.医療安全施策に係る現状と課題
(1)医療機関における医療安全管理体制


平成 14 年に策定された医療安全推進総合対策を踏まえ、平成 19 年の医療法改正
により、全ての病院等の管理者に対して安全管理体制の確保が義務づけられた。
その中には、各病院等が策定した医療安全管理指針に基づく事故等の医療安全管
理委員会等への報告、速やかな原因を明らかするための調査及び分析、改善のた
めの方策の立案及び実施並びに従業者への周知といった、「事例を把握し学習へと
繋げる仕組み」(以下「事例報告・学習システム」という。)を病院等の内部で整
備することが含まれている。



国際的にも、WHO が策定した世界患者安全行動計画 2021-2030 において、「指
針となる原則」の1つとして事例報告・学習システムの活用が掲げられる等、そ
の重要性が認識され、医療安全向上に向けた枠組みにおいて中核をなす取組とし
て世界的に整備が進められている。



一方で、事例報告・学習システムの運用を通じて顕在化してきた課題も指摘さ
れている。令和2年に WHO が発行した「患者安全に関わるインシデントの報告・
学習システム

技術的な報告と指針」(以下「WHO 指針」という。)においては、

事例報告・学習システムに共通する主要な課題として、過小報告、時間・資源・
専門知識といった分析にかかる資源の不足、改善への利用が不十分という3つの
課題が指摘され、対応策としてそれぞれ、リスクを特定すること、より確実な方
法を整備し重大事象把握の質向上を図ること、明確な優先順位づけのもとで報告
分析・改善策立案の質向上を図ること、現場のリスク対応に役立つ情報を提供し
改善策への取組の強化を図ること等が推奨されている。


さらに、国内の各医療機関において事例報告・学習システムを運用していく中
で、重大事象が把握された際に組織として適切な対応を行うためには、管理者に
よるガバナンス強化が重要であることや、事例報告・学習システム運用上のノウ
ハウに関する医療機関間の情報共有も含め、医療安全に係る外部からの支援の充
実を図ることが有用であることが認識されてきた。本検討会では、これらを医療
機関における医療安全管理体制にかかる主要な論点と定め、各論点について現状
と課題を整理した上で今後の方向性を検討した。

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