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07資料2-3小児におけるRSウイルス感染症の予防について (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64997.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第32回 10/22)《厚生労働省》
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第24 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会
予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会

RSウイルス感染症の概要

2024(令和6)年3月14日

資料
1改

【臨床症状】
RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)の潜伏期間は2~8日(典型的には4~6日)とされている。軽い風
邪様の症状から重い肺炎まで様々だが、特に、乳児期早期(生後数週間~数か月間)や、慢性呼吸器疾患等の基礎
疾患を有する高齢者においては、肺炎等の下気道感染症に至る場合がある。
【病因】
RSウイルスはParamyxovirus科のPneumovirus属に分類されるエンベロープを持つRNAウイルスである。主要
抗原は、F蛋白(fusion protein)とG蛋白(attachment glycoprotein)であり、G蛋白の性状の差から、2つのサブグ
ループ(RSウイルス-AとRSウイルス-B)に分類される。
飛沫・接触感染により伝播し、1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%の児がRSウイルスに少なくとも1
度は感染し、何度も感染と発病を繰り返す。
【検査】
病原体診断について、抗原迅速検査キットが、1歳未満や、入院患者、パリビズマブ製剤の適応患者(在胎35週
以下の早産児等)で保険適用されている。また、核酸増幅検査も集中治療が行われた患者に保険適用されている。
【予防・治療】
治療は基本的には酸素投与、輸液、呼吸管理などの支持療法が中心である。予防薬として、F蛋白に対するモノ
クローナル抗体製剤であるパリビズマブ(Palivizumab)が、在胎28週以下で出生した12か月齢以下の乳幼児等の
重症化リスクが高い児を対象に、保険適用されている。同剤は、RSウイルス流行開始前から流行期の間、1回
15mg/kgを1か月毎に筋注することにより、予防効果が期待できる。

参考: RSウイルス感染症Q&A(令和6年1月15日改訂)(厚生労働省)
RSウイルスの臨床ウイルス学 (国立感染症研究所 IASR Vol. 35 p. 139-140: 2014年6月号)
RSウイルス-Aの分子疫学・分子進化に関する最新知見 (国立感染症研究所 IASR Vol. 43 p84-85: 2022年4月号)

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