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薬剤耐性菌問題に関する調査報告書 (6 ページ)

公開元URL https://www.jpma.or.jp/information/international/stop_amr/initiative/tv28hf0000002ykb-att/2506_amr.pdf
出典情報 薬剤耐性菌問題に関する調査報告書(7/29)《日本製薬工業協会》
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図表 2 日本における主要な病原細菌による推定死亡者数

(注)E.coli…大腸菌、S.aureus…黄色ブドウ球菌、Klebsiella pneumoniae…クレブシエラ・ニューモニエ(グラム陰性桿菌の一種)、
FQREC…フルオロキノロン耐性大腸菌、MRSA…メチシリン耐性黄色ブドウ球菌

出典:厚生労働省 薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書 2024(サマリ版)より日本製薬工業協会作成

適正使用の限界と新規抗菌薬開発の重要性
AMR対策の一つの柱は、抗菌薬の適正使用です。抗菌薬の適正使用とは、個々の病態に応じて抗菌
薬の必要性を判断したうえで、適切な薬剤を選択し、投与量、投与期間などを正しく設定しながら治療を
進めることを指します。抗菌薬の適正使用は、薬剤耐性菌の出現を防ぐあるいは遅らせることにもつなが
る一方で、薬剤耐性は自然発生的に生じることから、抗菌薬の適正使用が細菌の耐性化を完全に防ぐこ
とは困難とも考えられています。また、社会のグローバル化やインバウンド拡大に伴い、世界で猛威を振
るっている薬剤耐性菌が海外から日本に持ち込まれるリスクは十分予測されることであり、実例も報告さ
れています9。現在の市場環境下で感染拡大が起こり、大量の抗菌薬が必要となった場合、製造設備を含
む現状の供給体制では対処できず、社会に大きな混乱を引き起こすことが容易に想定されます。
従って、抗菌薬の適正使用による薬剤耐性菌の増加抑制や出現の抑制を前提としつつも、その増加や
出現を抑制しきれない場合に起こりえる感染拡大のリスクに備えるために、公衆衛生および危機管理の
観点から、継続的な新規抗菌薬の研究開発・上市を可能にする環境が求められています。

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国立感染症研究所「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)病原体サーベイランスにおける海外型カルバペネ
マーゼ遺伝子検出株, 2017~2018年」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/cre-m/cre-iasrd/9125-475d02.html

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