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薬剤耐性菌問題に関する調査報告書 (4 ページ)

公開元URL https://www.jpma.or.jp/information/international/stop_amr/initiative/tv28hf0000002ykb-att/2506_amr.pdf
出典情報 薬剤耐性菌問題に関する調査報告書(7/29)《日本製薬工業協会》
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第1章 薬剤耐性(AMR)問題の現状と課題
1.

AMR問題の深刻さと新規抗菌薬の重要性
人命にかかわるAMR問題
不適切な使用により、抗菌薬(抗生物質及び合成抗菌剤を含む)等が効かなくなる、あるいは効きにくく

なることを薬剤耐性(AMR:Antimicrobial Resistance)といいます1。抗菌薬が効かない薬剤耐性菌が増
えると、これまでは適切に治療をすれば回復できた感染症でも、治療が難しくなって重症化しやすくなり、
死亡に至る可能性が高まります。特に、免疫力の弱い乳幼児や妊婦、高齢者や基礎疾患のある患者で
重症化するリスクが高いとされています。
2016年に公表されたレポートによると、毎年、世界中で少なくとも約70万人が薬剤耐性菌感染症により
死亡していると考えられています。このまま対策が取られなければ、2050年には年間死亡者数は1,000万
人にまで上昇し、がんで死亡する人数を上回り、将来的に最も大きな死因となるリスクがあるとの予測も
あります2。
図表 1 世界における薬剤耐性による死亡者数の予測

また、別の研究では、2021年のAMRに関連する死亡者数が約471万人と推定され、そのうち約114万
人がAMRに直接起因する死亡者数とされています。2050年には、AMRに関連する死亡者数が約822万
人に達する可能性があるとされています3。

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厚生労働省「薬剤耐性(AMR)対策について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html
2 O’Neill, J. Review on Antimicrobial Resistance. Tackling Drug-Resistant Infections Globally: Final
Report and Recommendations. London, England. Wellcome Trust. HM Government. 2016.
3 Naghavi, Mohsen et al. Global burden of bacterial antimicrobial resistance 1990-2021: a systematic
analysis with forecasts to 2050. The Lancet. Volume 404, Issue 10459: 1199-1226. September 28, 2024

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