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会議資料全体版 (38 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59938.html |
出典情報 | セルフケア・セルフメディケーション推進に関する有識者検討会(第4回 7/25)《厚生労働省》 |
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アレルギー性鼻炎薬市場では、錠剤、カプセル、液剤、貼付財、眼・耳鼻用剤など多様な
剤型が上市されている。ただし、スイッチ OTC として販売されている医薬品の大半が錠
剤とカプセルであるため、本稿では錠剤、カプセル剤のみを分析対象とした 17。
また、アレルギー性鼻炎薬市場の特徴として、多く成分でジェネリック版が上市されて
いる点も指摘できる。表 1 に記載した通り、2018 年時点で 30 成分のうち 23 成分でジェネ
リック版が販売されていた 18。通常、ジェネリック医薬品の上市は、さらなる価格競争を
促すため(Wiggins and Maness, 2004)
、これら成分を有する先発医薬品については、十分
に薬価が下がっている状況にあるといえる。
最後に、スイッチ OTC が販売されている 9 成分について、スイッチ OTC、保険適用薬
(ジェネリック版)を 14 日間服用した際の自己負担額を試算し、表 2 にまとめた。同表に
あるセルフメディケーション税制を利用した際の金額は、厚生労働省がモデルケースとし
て示している、課税所得が 400 万円の世帯がスイッチ OTC を 2 万円分購入し、2400 円の
減税を受けた状況を想定した。表 2 より、セルフメディケーション税制を利用することで
スイッチ OTC の購入金額は軽減され、フェキソフェナジン塩酸塩、ロラタジン、ペミロ
ラストカリウムは医療機関受診時より負担は小さくなるが、残りの6成分については依然
として、スイッチ OTC 購入時の支出額の方が大きい 19。
例えば、エバスチンであれば、同成分のスイッチ OTC であるエバステル AL 錠を服用し
た場合の負担額は 2520.0 円だが、セルフメディケーション税制を利用することで 302.4 円
安い 2217.6 円で購入できる。他方、医療機関を受診し、保険適用薬を処方された場合の自
己負担額は 3 割負担であれば 1780.4 円と、セルフメディケーション税制を利用した時より
も 437.2 円低い。さらに 70~74 歳の 2 割負担であれば、自己負担額は 1187.0 円になるた
め、その差は 1030.6 円まで広がる。
性が考えられる。つまり、ロラタジンを処方していた医師が同成分のスイッチ OTC 化に伴い、同薬の処
方を減少させる可能性である。実際にこのような状況にあったならば、ロラタジンのシェアは競合品と比
較して、2017 年以降の処方量を大幅に減少させているはずである。この点を確認するため、本稿で用い
たデータセットにおいて、ロラタジンと比較的近いシェアにあったエピナスチン塩酸塩(スイッチ OTC
あり)に着目し、処方量の変化率(2016-2017 年)を比較した。変化率についてはロラタジンの 7.5%に
対し、エピナスチン塩酸塩は 8.7%のため、ロラタジンの処方が著しく減少した状況は確認できなかっ
た。
17
後述する本稿の分析に用いるデータセットにおいて、処方された保険適用薬の 87.1%を錠剤、カプセル
剤が占めていた。
18
抗ヒスタミン薬の第 1 世代にあるジフェンヒドラミン、ホモクロルシクリジン塩酸塩、ベタメタゾン・
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩については、以前はジェネリック版が販売されていたが、2018 年
時点での販売が確認できなかったため No とした。したがって、実際は 30 成分中 27 成分の先発品で特許
切れの状況にある。
19
表 2 のスイッチ OTC の金額はメーカー希望小売価格に基づくが、ドラッグストア等でスイッチ OTC
を購入する場合、メーカー希望小売価格よりも低い価格で販売されることが大半である。そのため、実際
のスイッチ OTC を使用した時の支出額は表 2 よりも小さい点に注意が必要である。
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剤型が上市されている。ただし、スイッチ OTC として販売されている医薬品の大半が錠
剤とカプセルであるため、本稿では錠剤、カプセル剤のみを分析対象とした 17。
また、アレルギー性鼻炎薬市場の特徴として、多く成分でジェネリック版が上市されて
いる点も指摘できる。表 1 に記載した通り、2018 年時点で 30 成分のうち 23 成分でジェネ
リック版が販売されていた 18。通常、ジェネリック医薬品の上市は、さらなる価格競争を
促すため(Wiggins and Maness, 2004)
、これら成分を有する先発医薬品については、十分
に薬価が下がっている状況にあるといえる。
最後に、スイッチ OTC が販売されている 9 成分について、スイッチ OTC、保険適用薬
(ジェネリック版)を 14 日間服用した際の自己負担額を試算し、表 2 にまとめた。同表に
あるセルフメディケーション税制を利用した際の金額は、厚生労働省がモデルケースとし
て示している、課税所得が 400 万円の世帯がスイッチ OTC を 2 万円分購入し、2400 円の
減税を受けた状況を想定した。表 2 より、セルフメディケーション税制を利用することで
スイッチ OTC の購入金額は軽減され、フェキソフェナジン塩酸塩、ロラタジン、ペミロ
ラストカリウムは医療機関受診時より負担は小さくなるが、残りの6成分については依然
として、スイッチ OTC 購入時の支出額の方が大きい 19。
例えば、エバスチンであれば、同成分のスイッチ OTC であるエバステル AL 錠を服用し
た場合の負担額は 2520.0 円だが、セルフメディケーション税制を利用することで 302.4 円
安い 2217.6 円で購入できる。他方、医療機関を受診し、保険適用薬を処方された場合の自
己負担額は 3 割負担であれば 1780.4 円と、セルフメディケーション税制を利用した時より
も 437.2 円低い。さらに 70~74 歳の 2 割負担であれば、自己負担額は 1187.0 円になるた
め、その差は 1030.6 円まで広がる。
性が考えられる。つまり、ロラタジンを処方していた医師が同成分のスイッチ OTC 化に伴い、同薬の処
方を減少させる可能性である。実際にこのような状況にあったならば、ロラタジンのシェアは競合品と比
較して、2017 年以降の処方量を大幅に減少させているはずである。この点を確認するため、本稿で用い
たデータセットにおいて、ロラタジンと比較的近いシェアにあったエピナスチン塩酸塩(スイッチ OTC
あり)に着目し、処方量の変化率(2016-2017 年)を比較した。変化率についてはロラタジンの 7.5%に
対し、エピナスチン塩酸塩は 8.7%のため、ロラタジンの処方が著しく減少した状況は確認できなかっ
た。
17
後述する本稿の分析に用いるデータセットにおいて、処方された保険適用薬の 87.1%を錠剤、カプセル
剤が占めていた。
18
抗ヒスタミン薬の第 1 世代にあるジフェンヒドラミン、ホモクロルシクリジン塩酸塩、ベタメタゾン・
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩については、以前はジェネリック版が販売されていたが、2018 年
時点での販売が確認できなかったため No とした。したがって、実際は 30 成分中 27 成分の先発品で特許
切れの状況にある。
19
表 2 のスイッチ OTC の金額はメーカー希望小売価格に基づくが、ドラッグストア等でスイッチ OTC
を購入する場合、メーカー希望小売価格よりも低い価格で販売されることが大半である。そのため、実際
のスイッチ OTC を使用した時の支出額は表 2 よりも小さい点に注意が必要である。
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