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会議資料全体版 (37 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59938.html
出典情報 セルフケア・セルフメディケーション推進に関する有識者検討会(第4回 7/25)《厚生労働省》
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2.アレルギー性鼻炎市場
セルフメディケーション税制は、保険適用薬からの転用であるスイッチ OTC の購入費
用への所得控除として、2017 年 1 月に導入された。セルフメディケーション税制による所
得控除を受けるには、対象のスイッチ OTC を自身と生計を一にする家族の分を合わせて
年間 1.2 万円以上購入する必要があり、所得控除の上限として 8.8 万円が設定されている。
セルフメディケーション税制が始まった 2017 年時点で、かぜ薬、胃腸薬、鼻炎用内服
薬、水虫用薬 、肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬などに含まれる 80 を超える成分でスイッチ
OTC の承認が得られていた。同時点では、一部例外はあるものの基本的に大半のスイッチ
OTC が制度の対象となったが、政府税制改正大綱で 5 年間の延長が決定した際に、制度の
対象とする医薬品についても見直す方針が示された。具体的には、医療費適正化の観点よ
り、効果が低いと考えられる薬効領域に含まれるスイッチ OTC は除外し、代わりに効果
が高いと考えられる領域については、スイッチ OTC 以外の OTC 医薬品もセルフメディケ
ーション税制の対象にするとした。
高い医療費抑制効果を期待できる薬効領域については、「アレルギーの諸症状」、「胃腸
の諸症状」

「風邪の諸症状」

「腰痛、関節痛、肩こり」の 4 つが挙げられており、本稿の
分析対象であるアレルギー性鼻炎薬は「アレルギーの諸症状」の治療で使用される。表 1
にアレルギー性鼻炎への適応を有する医薬品を成分レベルでまとめた。同表よりアレルギ
ー性鼻炎薬は、抗ヒスタミン薬と気管支喘息薬に大別でき、計 30 成分(抗ヒスタミン薬で
25 成分、気管支喘息薬で 5 成分)が上市されている 14。
<表 1 挿入>
次に、表 1 にあるスイッチ OTC の承認の有無に注目すると、30 成分中 9 成分(抗ヒス
タミン薬:8 成分、気管支喘息薬:1 成分)でスイッチ OTC の承認が得られている 15。最
初の承認は 2005 年のケトチフェンフマル酸塩で、その後はアゼラスチン塩酸塩(2006 年)

エピナスチン塩酸塩(2010 年)などの承認が続いた。セルフメディケーション税制の導入
された 2017 年においても、ロラタジンが新たにスイッチ OTC の承認を得ている 16。なお
14

気管支喘息薬として 26 成分が上市されているが、アレルギー性鼻炎への適応を有するのは表 1 の 5 成

分のみである。これら 5 成分については、アレルギー性鼻炎以外の気管支喘息の治療にも使用されると考
えられる。しかし、後述の通り、本稿ではアレルギー性鼻炎で医療機関を受診した被保険者のレセプトを
用いて分析を進めるため、アレルギー性鼻炎以外の処方による影響は小さいはずである。なお気管支喘息
薬に含まれる 5 成分について、抗ヒスタミン薬と同様、花粉症のピーク時に処方が増大するかを確認した
ところ、ピーク時である 3 月の処方量は閑散期である 8 月の 2.9 倍と、季節性を有する結果が得られた。
15

ベポタスチンベシル酸塩、トラニストについてもスイッチ OTC の承認が得られている。ただし、前者

は 2017 年にスイッチ OTC の承認を得たものの、実際に製品が販売されたのは 2020 年のため、後者につ
いては承認が点眼薬と本稿の分析対象外のため、スイッチ OTC の有無を No とした。
16

ロラタジンについては、セルフメディケーション税制とは関係なく、医師の処方に影響を及ぼした可能

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