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糖尿病性腎症重症化予防プログラム(令和6年度版) (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38699.html
出典情報 糖尿病性腎症重症化予防プログラムの改定について(3/28)《厚生労働省》
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1.はじめに
(1)糖尿病性腎症の現状
糖尿病は、神経障害、網膜症、糖尿病性腎症等の合併症を併発し、心筋梗塞
や脳卒中等の心血管疾患のリスク因子となるほか、認知症や大腸がん等の発症
リスクを高めることも明らかになっており、生活の質や社会経済的活力と社会
保障資源に多大な影響を及ぼすことから適切な対策が必要である。
糖尿病合併症の1つである糖尿病性腎症は、個人の生活の質への影響と医療
経済への影響等が大きいことを踏まえて、健康日本21(第三次)では、「糖尿
病の合併症(糖尿病腎症)の減少」が糖尿病の三次予防1に関する目標として設
定されている。また、二次予防に関する目標として「治療継続者の増加」、
「血糖コントロール不良者の減少」が設定されている。
また、「腎疾患対策検討会報告書~腎疾患対策の更なる推進を目指して~」
(平成30年7月)2においても、2028年までに年間新規透析導入患者数を35,000人
以下に減少させるという数値目標を掲げ、慢性腎臓病(糖尿病性腎症を含む慢性
に経過する腎臓病の総称。以下「CKD」という。)の取組を推進することにより、
新規透析導入患者数の減少を目指してきた。令和5年10月には「腎疾患対策検
討会報告書(平成30年7月)に係る取組の中間評価と今後の取組について」3のと
りまとめを行ったところである。
人工透析が必要な状態になると個人の生活の質への影響や、医療資源・医療
経済への影響も大きい。健康寿命の延伸のためには、糖尿病の発症予防、糖尿
病の適切な治療・生活習慣の改善等による合併症の予防、合併症による臓器障
害の予防等各段階での予防の取組が重要であり、今後もこれらの取組を着実に
進めていく必要がある。
新規透析導入患者の原因疾患割合の推移をみると、概ね平成10年頃から糖尿
病性腎症が最多となっている。医療の進展や特定健康診査・特定保健指導をはじ
めとする生活習慣病予防の取組等を通して、新規透析導入患者の原因疾患にお
ける糖尿病性腎症の割合は、平成23年頃から微減傾向にあるものの令和4年時点
では、38.7%であった4。

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糖尿病対策における一次予防とは「糖尿病の発症予防」、二次予防とは「糖尿病の適切な治療による合併症
の予防」、三次予防とは「合併症による臓器障害の予防・生命予後の改善」とされている。(健康日本21
(第三次)推進のための説明資料(令和5年5月))
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21_00006.html
2
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000172968_00002.html
3
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36051.html
4
一般社団法人日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況」(2022年12月31日現在)
https://www.jsdt.or.jp/dialysis/2227.html

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