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糖尿病性腎症重症化予防プログラム(令和6年度版) (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38699.html
出典情報 糖尿病性腎症重症化予防プログラムの改定について(3/28)《厚生労働省》
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参考:糖尿病性腎症病期分類
注2

注1

GFR(eGFR) 注3

尿中アルブミン・クレアチニン比(mg/g)
あるいは尿中蛋白・クレアチニン比(g/g)34

(推算糸球体濾過量)

第1期

正常アルブミン尿(30未満)

30以上

医療機関で診断

第2期35

微量アルブミン尿(30~299)

30以上

健診で把握可能

第3期

顕性アルブミン尿(300以上)
あるいは持続性蛋白尿(0.5以上)

30以上

問わない

30未満

病期

保険者等による詳細健診の
第4期
血清Cr測定で把握

第5期

(mL/分/1.73 ㎡)

透析療法中あるいは腎移植後

注1: 糖尿病性腎症合同委員会は2023年度に新分類を発表している(日腎会誌 2023 ; 65(7) : 847-856 糖尿病性
腎症病期分類2023の策定 糖尿病背腎症合同委員会・糖尿病性腎症病期分類ワーキンググループ
https://jsn.or.jp/medic/guideline/)が、基本的に2014年度分類を踏襲している。
病期名については、第1期:正常アルブミン尿期、第2期:微量アルブミン尿期、第3期:顕性アルブミン尿
期、第4期:GFR 高度低下・末期腎不全期、第5期:腎代替療法期、と修正されている。しかし、尿アルブミ
ンは特定健診項目(詳細項目)に含まれていないため、保健事業においては2014年度版に準拠し尿蛋白を判断
材料とする。なお、糖尿病対策推進会議等で、糖尿病の診療において尿アルブミンの測定が推奨されているこ
と、その結果を保険者も把握できるとよいことについて地域連携の中で検討することが望ましい。
注2:糖尿病性腎症は必ずしも第1期から順次第5期まで進行するものではない。本分類は、厚労省研究班の成績に
基づき予後(腎、心血管、 総死亡)を勘案した分類である
注3:GFR 60 mL/分/1.73m2未満の症例はCKDに該当し、糖尿病性腎症以外の原因が存在し得るため、他の腎臓病との
鑑別診断が必要である。

(3)対象者抽出基準の設定(健診受診者からの対象者抽出)(図表 9のA+B+C)
対象者の抽出基準においては、図表 10に示すように、健診時の尿蛋白(尿
定性)やeGFRから腎障害が存在している者を把握、糖尿病については治療の有
無とHbA1c・血糖の状況、血圧についても治療の有無と受診勧奨値以上である
かを把握することを基本とする。
表は腎障害が存在している者、HbA1cが高い者、高血圧の治療をしていない
者に対して優先的に受診勧奨(面談等)、保健指導を行うことを基本として作
成したものである。高血圧で受診中であるが糖尿病の治療を受けていない者に
ついては、主治医との相談を促すことが必要であり、受診勧奨ではなく保健指
導として分類している。
後期高齢者においては、糖尿病の管理目標が青壮年期等他の年齢層と異なる
ことに留意し、保健指導の対象者選定においてより優先順位の高い者に絞る必

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アルブミン尿は早期の段階から腎障害の予後やCVD(心血管疾患)を予測できる指標であり、早期腎症の診
断に有用である。蛋白尿陰性の場合の軽度eGFR低下は腎障害の予後やCVDを予測できず、早期糖尿病性腎症
の診断には有用ではない(エビデンスに基づくCKD 診療ガイドライン2013
https://jsn.or.jp/guideline/ckdevidence2013.php P80)
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特定健康診査では尿蛋白が必須項目であり、糖尿病に加えて尿蛋白(+)以上であれば第3期と考えられ
る。尿蛋白(±)は微量アルブミン尿の可能性が高いため、医療機関では積極的に尿アルブミン測定を行
うことが推奨される。尿アルブミンは健診項目にはないが、糖尿病で受診勧奨判定値以上の場合、医療機
関への受診勧奨がなされ医療機関において尿アルブミンが測定され、第2期の把握が可能となる。

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