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資料1-2 カルベジロール 調査結果報告書及び添付文書[1.9MB] (52 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38855.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和5年度第15回 3/26)《厚生労働省》
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注3)本剤の狭心症に対する承認用量は20mgである。

試験
220
221
239
240
合計

プラセボ群 カルベジロール群
相対危険度
死亡例数/
死亡例数/
P値a)
(95%信頼区間)
評価例数(%) 評価例数(%)
13/84(15.5) 11/261(4.2) 0.25(0.11~0.55)P<0.001
11/145(7.6) 6/133(4.5) 0.57(0.21~1.54)P=0.261
2/35(5.7)
2/70(2.9) 0.54(0.08~3.85)P=0.533
5/134(3.7) 2/232(0.9) 0.22(0.04~1.14)P=0.048
31/398(7.8) 21/696(3.0) 0.33(0.19~0.59)P<0.001

a)
log-rank検定

17.1.16 海外第Ⅲ相試験(重症)
重症の慢性心不全2,289例を対象としたプラセボ対照大規
模二重盲検試験において、カルベジロール6.25~50mg/日
(1日2回)注4)を投与した。死亡率はプラセボ群で16.8%
(190/1,133例)、カルベジロール群で11.2%(130/1,156
例)であり、カルベジロール投与によりプラセボ群と比較し
て死亡率の有意な低下が認められた(P=0.00013)。カルベ
ジロール群における副作用発現率は44.1%(510/1,156例)
であり、主なものは無力症5.5%(64/1,156例)等の一般的
全 身 症 状 、 低 血 圧 9 . 3 %( 1 0 7 / 1 , 1 5 6 例 )、 徐 脈 8 . 3 %
(96/1,156例)、うっ血性心不全4.2%(49/1,156例)、失神
3 . 7 %( 4 3 / 1 , 1 5 6 例 )等 の 循 環 器 症 状 、 め ま い 1 6 . 4 %
(190/1,156例)、頭痛2.1%(24/1,156例)等の精神神経系
症状、呼吸困難3.6%(42/1,156例)等の呼吸器症状等で
あった15)。
注4)本剤の慢性心不全に対する承認用量は、1回1.25mg、1日2回投与から開
始し、維持量として1回2.5~10mgの1日2回投与である。
‌

‌

注2)本剤の腎実質性高血圧症に対する承認用量は10~20mgである。

〈狭心症〉
17.1.6 国内臨床試験
狭 心 症 に 対 す る 有 効 率( 中 等 度 改 善 以 上 )は 、 7 1 . 1 %
(118/166例)であった11)、12)。
17.1.7 国内第Ⅱ相試験(用量設定試験)
狭心症患者75例を対象とした二重盲検比較試験において、
カルベジロールの3用量(5、10、20mg注3))を2週間経口投
与した。全般改善度において、著明改善を示したのは5mg
群で0%(0/21例)、10mg群で4.5%(1/22例)、20mg群で
23.8%(5/21例)であり、用量依存性が認められた。副作用
は5mg群、20mg群に各1例、10mg群に2例発現した。
17.1.8 国内第Ⅲ相試験
狭心症患者を対象とした二重盲検比較試験において、カル
ベジロール20mgを56例に、アテノロール50mgを56例に4
週間経口投与した。全般改善度において、著明改善を示し
たのはカルベジロール群で21.7%(10/46例)、アテノロー
ル群で13.3%(6/45例)であり、中等度改善以上はそれぞれ、
73.9%(34/46例)、55.6%(25/45例)であった。副作用発
現率はカルベジロール群で3.7%(2/54例、5件)であり、頭
痛及び耳鳴が各2件、脱力感が1件認められた12)。
17.1.9 国内第Ⅲ相試験
狭心症患者を対象とした二重盲検比較試験において、カル
ベジロール20mgを27例に、アテノロール50mgを26例に2
週間経口投与した。運動耐容能を主指標とした全般改善度
において、著明改善を示したのはカルベジロール群で
17.4%(4/23例)、アテノロール群で12.5%(3/24例)であ
り 、 中 等 度 改 善 以 上 は そ れ ぞ れ 、 6 0 . 9 %( 1 4 / 2 3 例 )、
62.5%(15/24例)であった。副作用発現率はカルベジロー
ル群で12.0%(3/25例、4件)であり、眠気、頭のふらつき、
手足のしびれ、胃部不快感が各1件認められた。
17.1.10 国内臨床試験(長期)
狭心症患者19例に対して、カルベジロール5~20mg 注3)を
6ヵ月以上投与したとき、全般改善度で中等度改善以上を
示したのは94.1%(16/17例)であった。副作用は認められ
なかった。

群+13.2%(66例))、並びに心血管系の理由による入院率の
用量依存的(P<0.001)な低下(入院率:プラセボ群24.5%
(12/49例)、5mg/日群4.3%(2/47例)、20mg/日群3.9%
(3/77例))が認められた。全般改善率(中等度改善以上)は
プラセボ群36.7%(18/49例)、5mg/日群44.7%(21/47例)、
2 0 m g / 日 群 5 9 . 7 %( 4 6 / 7 7 例 )で あ り 、 用 量 依 存 性
(P=0.010)が認められた。副作用発現率は5mg/日群で
36.2%(17/47例)、20mg/日群で46.8%(36/77例)であっ
た。主なものは、5mg/日群では突然死が4.3%(2/47例)、
20mg/日群では心不全が11.7%(9/77例)であった13)。
17.1.15 海外第Ⅲ相試験
軽症~中等症の慢性心不全患者を対象とした4つのプラセ
ボ対照大規模二重盲検比較試験において、カルベジロール
12.5~100mg/日(1日2回)注4)を24~48週間投与した結果、
全死亡率はプラセボ群で7.8%(31/398例)、カルベジロー
ル群で3.0%(21/696例)であり、カルベジロール投与によ
りプラセボ群と比較して死亡率の有意な低下が認められた
(P<0.001)。各試験の死亡率は次のとおりであった14)。

‌

〈腎実質性高血圧症〉
17.1.4 国内臨床試験
腎実質性高血圧症に対して、カルベジロール5~20mg 注2)
を投与したときの有効率(下降以上)は、68.2%(45/66例)
であった10)。
17.1.5 国内臨床試験(長期)
腎実質性高血圧症19例に対して、カルベジロール単独(5~
20mg注2))又は利尿薬との併用で1年以上投与したとき、著
明下降あるいは下降の降圧効果を示したのは66.7%(12/18
例)であった。単独群では副作用は認められず、併用群で1
例にふらつきが発現した。

〈頻脈性心房細動〉
17.1.17 国内第Ⅲ相試験
持続性又は永続性心房細動に対する心拍数減少効果を、ホ
ルター心電図の24時間平均心拍数を指標とした二重盲検比
較試験において5mg固定群、10mg漸増群又は20mg漸増
群で比較した(5mg 1日1回投与から開始し、2週ごとに増
量の要否を判断し、5mg維持、あるいは10mg又は20mg
1日1回投与まで段階的に増量し6週まで投与)。
5mg/日投与
(2週時)
により投与前値からの有意な心拍数減少
が認められた
[6.6拍/分
(算術平均値)
、t検定:P<0.0001]

4週時には5mg固定群(5mg/日)で6.3拍/分(最小二乗平均
値、以下同様)、漸増群(5~10mg/日投与)で8.6拍/分の心
拍数減少が、6週時には5mg固定群で7.7拍/分、20mg漸増
群(5~20mg/日投与)で10.7拍/分の心拍数減少が認められ、
漸増時の心拍数減少効果がより大きかった。また、6週時
には用量依存的な心拍数減少効果の増大傾向(5mg固定群
で7.6拍/分、10mg漸増群で8.9拍/分、20mg漸増群で
10.6拍/分)がみられた。副作用発現率は7.9%(10/127例)
で、主なものは慢性心不全1.6%(2/127例)、LDH上昇
1.6%(2/127例)、γ-GTP上昇1.6%(2/127例)であった16)。

〈虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全〉
17.1.11 国内臨床試験(血行動態に及ぼす影響)
軽症~中等症の慢性心不全患者28例を対象とし、カルベジ
ロール10~30mg/日(1日2回)注4)を26~52週間投与した。
全般改善率(中等度改善以上)は、37.5%(9/24例)であった。
副作用発現率は51.9%(14/27例)であり、主なものは立ち
くらみが14.8%(4/27例)、めまいが11.1%(3/27例)で
あった。
17.1.12 国内臨床試験(慢性心不全患者を対象とした薬物動態試験)
軽症~中等症の慢性心不全患者10例を対象とし、カルベジ
ロール20mg/日(1日2回)を12~16週間投与した。全般改
善率(中等度改善以上)は、33.3%(3/9例)であった。副作
用発現率は40.0%(4/10例)であり、主なものはめまい及び
動悸が各20.0%(2/10例)であった。
17.1.13 国内臨床試験(神経体液性因子に及ぼす影響)
軽症~中等症の慢性心不全患者11例を対象とし、カルベジ
ロール5~30mg/日(1日2回)注4)を48~52週間投与した。
全般改善率(中等度改善以上)は、0%(0/10例)であった。
18. 薬効薬理
副作用発現率は54.5%(6/11例)であり、心不全が45.5%
18.1 作用機序
(5/11例)、血圧低下が9.1%(1/11例)であった。
カルベジロールは、β受容体遮断作用に加え、α1受容体遮断
17.1.14 国内第Ⅱ相試験
作用を主とした血管拡張作用をも有し、総末梢血管抵抗及び
軽症~中等症の慢性心不全患者を対象とした二重盲検比較
主要臓器の血管抵抗を維持、減少させる。
試験において、プラセボ群(49例)、カルベジロール5mg/
18.2 交感神経β受容体遮断作用
日(1日2回)群(47例)、カルベジロール20mg/日(1日2回)
無麻酔犬におけるイソプレナリン頻脈に対して持続的な非選
群(78例)の3群に、24~48週間投与した。左室駆出率の用
択的β受容体遮断作用を示した。また、狭心症患者で運動負
量依存的(P=0.018)な改善(観察期からの変化:プラセボ
荷時の心拍数増加を単回投与後24時間においても抑制した。
群+6.6%(37例)、5mg/日群+8.7%(40例)、20mg/日
-6-

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