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資料1-2 カルベジロール 調査結果報告書及び添付文書[1.9MB] (43 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38855.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和5年度第15回 3/26)《厚生労働省》
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研究(1))では、本薬使用 13 例、β 遮断薬(αβ 遮断薬を除く)使用 45 例と疾患コントロ
ールを比較し、β 遮断薬群では胎児発育不全(FGR)に関して有意差を認めたが、本薬使用例
において FGR は1例で、有意差は認めなかった。
(先天異常はみられなかった)
。薬剤の内訳
は不明であるが β 遮断薬を妊娠第 3 三半期に処方された母親の児 405 例(北米処方箋データ
ベース(3)
)の解析では、新生児低血糖や哺乳不良リスク増加等の影響がみられた。
また、妊娠中に本薬に使用した母親の児 32 例、β 遮断薬(αβ 遮断薬を除く)を使用し
た母親の児 11 例、対照群 263 例を比較したところ(日本の単施設の後方視的研究(6)

、新
生児低血糖の発生率は、本薬曝露群が対照群より多くみられ、SGA は、本薬群および対照群に
比べ、β 遮断薬群で有意に多かった。
これらの報告を考量すると、本薬を含む β 遮断薬は、妊娠中の使用が必須の患者に対して、
妊娠中の使用を禁止しなければならない研究結果は得られていないこと。


妊娠中のβ遮断薬の使用については、海外ガイドラインにおいて胎児の子宮内発育遅延や低
血糖リスク、徐脈があるものの妊娠中のβ遮断薬使用は一般的に安全とされていること、国
内ガイドライン(心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン/ 不整脈薬物治
療ガイドライン)においても、おそらく安全とされていること。

以上より、心不全や不整脈を合併するハイリスク妊娠において、本薬を使用することによるベネ
フィットは潜在的なリスクに比べ大きいと考えられる。

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