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資料1-2 カルベジロール 調査結果報告書及び添付文書[1.9MB] (26 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38855.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和5年度第15回 3/26)《厚生労働省》
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4.動物試験
本薬の先発医薬品の承認申請時にはラット及びウサギを用いた生殖発生毒性試験 1)-4)が実施さ
れており、主な生殖発生毒性所見は下記のとおりである。
ラットを用いた繁殖試験では、高用量の本薬 300 mg/kg/日において、親動物の体重増加抑制、
交尾成立期間の延長、妊娠率の低下、黄体数・着床数の減少、胎児骨格異常(13 肋骨の短小)の
増加、生産児数の減少、死亡児の増加、F1 児の発育遅延が認められた。親動物及び次世代(胎児、
出生児)の無毒性量は本薬 60 mg/kg/日であった。
ラットの胎児器官形成期投与試験では、
本薬 60 及び 300 mg/kg/日の用量で母動物に鎮静、
脱毛、
天然孔の血液付着がみられ、本薬 300 mg/kg/日では母動物の体重減少、着床後死亡胚数の増加、
生存胎児数の減少、胎児体重・胎盤重量の減少、胎児の化骨遅延の増加が認められた。無毒性量
は、母動物では 12 mg/kg/日、胎児では 60 mg/kg/日 であった。
ウサギの胎児器官形成期投与試験では、本薬 75 mg/kg/日の用量で対照群と比較して統計学的に
有意な差はなかったが、着床後死亡胚数の増加傾向及び生存胎児数の減少傾向が認められた。無
毒性量は、母動物では 75 mg/kg/日、胎児では 15 mg/kg/日 であった。
なお、ラット、ウサギのいずれにおいても催奇形作用は認められなかった。
ラットを用いた周産期及び授乳期投与試験では、母動物の一般状態の悪化と体重増加抑制が本
薬 200 mg/kg/日の用量で認められた。このほか、本薬 200 mg/kg/日を投与された 5 母体は全胚吸
収であったが、生存出生児が得られた 22 母体の出生児数には影響は認められなかった。しかし、
本薬 200 mg/kg/日の用量における出生児の生後 4 日生存率は有意に低下し、本薬 60 及び 200
mg/kg/日では出生児の体重低下、体重増加遅延及び身体発達(耳介開展、産毛、握力)の遅延が
認められた。出生児の反射、行動、生殖機能には薬物投与による影響は認められなかった。無毒
性量は、母動物では本薬 60 mg/kg/日 , 出生児では本薬 12 mg/kg/日であった。なお、文献の著
者は、母動物及び出生児で認められた影響は母動物に対する中毒量による過度な血管拡張作用の
結果であると考察している。
上記の生殖発生毒性所見が認められた用量と国内の臨床使用状況を考慮した最大推奨臨床用量
(MRHD)に対するマージン(体表面積に基づくヒト相当量換算値 5)と MRHD の比)を、MRHD とし
て 20mg(0.33mg/kg/日)を用いて算出し、下表にまとめた。なお、参考のために米国の添付文
書 6) に記載されているマージンを併記した。米国での最大(推奨)臨床用量は 50mg(体重 85 ㎏
以上の場合は 100mg)であり、米国の添付文書に記載されているマージンの算出には MRHD とし
て 50mg が用いられているものと考えられる。





(mg/kg/日)
ラット
繁殖試験

300

MRHD
生殖発生毒性所見

に対する
マージン
147
(50)

a)



親動物の体重増加抑制、交尾成立期間の延
長、妊娠率の低下、黄体数・着床数の減少

15

25