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提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (95 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

本技術の撮像法は通常の造影MRIと同様に1.5テスラ以上のMRI装置で行われ、経静脈的に肝細胞特異性造影剤が投与される。
検査手法は従来の細胞外液性造影剤による造影MRI検査とほぼ同様である。ただし、本技術から得られた画像の読影について
は肝臓疾患の画像診断に習熟していること、MRIについての基礎知識を持ち合わせていることが必要であり、少なくとも放射
線診断専門医による評価が必須である。

施設の要件
画像診断管理加算(2)以上の算定施設、MRI装置1.5テスラ以上
(標榜科、手術件数、検査や手術の体制
等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門性や 放射線診断専門医 1名以上(画像診断管理加算(2)以上に含まれる)。放射線技師2名以上、看護師1名以上。
経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の要
件)

臨床MRI安全運用のための指針(日本医学放射線学会、日本磁気共鳴医学会)を遵守すること(画像診断管理加算(2)以上に
含まれる)

⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

細胞外液性造影剤による一般的な頻度の副作用のみであり、本技術における新たな副作用および安全性に関わる報告はない。
また、高磁場MRI装置に入る際の一般的な注意確認が必要である。

⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし



妥当と思われる診療報酬の区分
点数(1点10円)

100点(外保連試案の費用とは異なる)

その根拠

(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):88,543円
外保連試案2022掲載ページ:418-419
外保連試案ID(連番):R11-42-6761
技術度:D 医師(術者含む):1 看護師:1 その他(技師):2 所要時間(分):63分
------------------------------------------------------------------(ここまで)
肝細胞特異性造影剤は、正常な肝細胞に造影剤が取り込まれた肝細胞造影相が重要である。そのためには正常な肝細胞に取り
込まれるまで十分な待ち時間が必要であり、従来のMRI検査に比べ検査時間の増加が問題となっている。また、肝細胞造影相
とその他の画像コントラストを理解するには、subspecialty levelの知識が必要であり、その読影には熟練した専門医であっ
ても十分な時間を要する。
術前に高分解能MR撮像を行うことで、最適な手術方針が選択できるようになる。
以上より、肝細胞特異性造影剤を用いた肝臓悪性腫瘍術前MRIは、現在の肝臓MRI検査よりも高い評価が妥当と考える。

⑩希望する診療
報酬上の取扱い

区分
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)

関連して減点や削除可能な医療技術はありません

101-2、101-3
ポジトロン断層撮影、ポジトロン断層・コンピュータ断層複合撮影

具体的な内容

原発性肝癌の診断において、EOB造影MRIが画像診断ガイドライン2016年版、肝癌診療ガイドライン2017年補訂版のいずれでも
強く推奨されているのに対して、FDG-PETもしくはFDG-PET/CTは推奨に関する記述がない。一方、転移性肝癌においてはEOB造
影MRIは画像診断ガイドライン2016年版では最も推奨度が高い(推奨度A)のに対して、FDG-PETもしくはFDG-PET/CTは弱い推
奨(C1)に留まっている。よって、例えばEOB造影MRIを施行した同月内のFDG-PETもしくはFDG-PET/CTの保険点数を計上できな
いようにすれば、医療費を削減できる。

プラスマイナス
予想影響額(円)

予想影響額



番号
技術名

その根拠

減(-)
1,283,131,212
①社会医療診療行為別統計および厚生労働省 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会・DPC導入の影響評価に関する調査結果
より、対象となる肝臓悪性腫瘍(原発性肝がん、大腸がん肝転移等)手術施行患者数は年間約91,000件である。また、現行で
はその60%以上に術前検査として造影MRI検査が施行されている。その造影MRIを全てEOB造影MRIとして計算すると、 91,000×
0.6=54,600件が肝悪性腫瘍の術前検査としてEOB造影MRIが施行されているものと推測される。今回、EOB造影MRIの要望点数
は100点であるので、EOB造影MRIに伴う医療費の増額分は年間で 54,600×100=5,460,000点、約5.5千万円である。
②社会医療診療行為別統計によると、FDG-PETの検査件数は1ヶ月あたり7,084件、FDG-PET/CTの件数は8,625件である。このう
ち、肝悪性腫瘍のものは約7%であるため、肝悪性腫瘍に関わる1ヶ月あたりのFDG-PETもしくはFDG-PET/CTの医療費は (7,084
×7,500点 + 8,625点×33,907)× 0.07 = 24,190,451.2 点であり、約2.4億円である。
③社会医療診療行為別統計によると、1ヶ月あたりの膵腫瘍切除術の件数は1,353件であり、107,433,990点である。また、文
献 5 によると、EOB造影MRIを施行せずに造影CTのみで評価した切除可能膵癌症例において、201人中17人(8.5%)にEOB造影MRI
で肝転移が認められたことから、術前にEOB造影MRIを行うことで膵癌の手術のうち約8.5%の症例において手術をせずに迅速に
化学療法などの適切な治療選択を選ぶことができるため、膵癌の手術に伴う年間医療費の約8.5%(107,433,990点×0.085×
12ヶ月=109,582,670点、約11億円を削減できる。
① - (②+③) = -128,313,121.2 点
よって、約12.8億円を削減可能である。

備考
⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機器
又は体外診断薬
(主なものを記載する)

なし
EOB・プリモビスト注 シリンジ

⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療保
障)への収載状況

※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴(例:
年齢制限)等

2)調べたが収載を確認できない

1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。

特になし

⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い

d. 届出はしていない

⑭その他

特になし

⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

日本医学放射線学会

日本肝臓学会

1896