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提案書06(0999頁~1199頁)医療技術評価・再評価提案書 (85 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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概要図書式

提案番号(6桁)

申請技術名

申請学会名

282102

アクチグラフ

日本睡眠学会

【技術の概要】
アクチグラフは、加速度の長期間記録器(ロガー)
の総称である。多くは腕時計型のウェアラブルデバ
イスで、非利き腕の手首に装着し、得られた時系列
的な体動記録を演算し、装着者の睡眠覚醒を判定す
る軽量かつ携帯型の装置である。加速度の記録方式
の改訂により睡眠状態への感度が高められてきたが、
最近では機械学習の手法を用い特異度を上げたアル
ゴリズムも開発され、より正確な判定が可能となっ
ている。

【対象疾患】
一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有して
おり、難治性不眠に苦しむ対象者数は年間20万人
程度と見込まれる。概日リズム睡眠障害の有病率
は若年者に限れば7-16%に及び、不登校の受診増加
を考慮すれば対象者は年間10万人程度と見込まれ
る。世界で最も睡眠時間が短い我が国では6人に1
人が眠気を自覚しており、中枢性過眠症の診断の
際に睡眠不足の除外を要する対象者は10万人程度
と見込まれる。

【既存の治療法との比較】
既存の睡眠検査としては、睡眠時に脳波、オトガイ筋電
図、眼球運動、呼吸機能、下肢筋電図などを測定し、睡
眠障害の有無および睡眠の量的質的状態を測定する終夜
睡眠ポリグラフィ検査(PSG) がある。アクチグラフに
よる睡眠評価は、質的にはPSGに劣るが、睡眠覚醒(量
的)判定については同等で、さらに4週間迄の連続検査が
可能なため不眠評価や薬効判定等に有効な方法である。
PSG検査の1/8程度の費用で、最大でPSG検査10数回分
以上の情報を得ることができる。追加の人件費はほぼ発
生せず、収納スペースも僅かである。
【有効性及び診療報酬上の取扱い】
高精度のアクチグラフは終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)を代
替する安価( 診療報酬区分Dで14日まで40点/日, 15-30日
/30点/日程度)かつ手軽な検査として重要である。さら
に最大4週間の縦断評価は、対象疾患の診断・治療に大
きな一助となる。アクチグラフは大部分の不眠症でみら
れる睡眠時間の過小評価を把握できる唯一の手法で、こ
の検査の保険収載により睡眠薬の不適切使用の是正、ひ
いては医療費の削減が期待される。また過眠を呈する患
者においても、アクチグラフにより正確に睡眠不足を除
外することで、狭義の過眠症の診断精度を上げ、中枢神
経刺激薬使用の適正化に寄与することが期待される。

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