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参考資料4 小児患者体験調査報告書 令和元年度調査 (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23374.html
出典情報 がん診療提供体制のあり方に関する検討会  小児がん拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(第1回  1/17)《厚生労働省》
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子どもは小さな大人ではなく、からだも心も成長・発達の途上にある。その子どもががんにな
ったときに本人や家族が直面する問題は、病気自体の頻度、および、病態や疾患の種類が成人と
異なるだけでなく、それに対応する医療提供体制もまた、成人とは大きく異なっている。さらに、
患者が治療と並行して送るべき社会生活についても、教育の要素、両親をはじめとする家族への
配慮なども重要であることが、大きな特徴と言える。患者の発達段階に応じた病状の説明が必要
であり、治療選択を誰が行うかも年齢や発達の状況によって変化していくこともある。
このような特徴を踏まえ、今回の小児患者体験調査を設計するに当たり、本調査に先行して実
施した成人に対する患者体験調査を意識しつつも、小児のがん医療の特徴や課題を的確にとら
えられるように工夫した。回答者を一律に家族等とし、本人への病名告知や病状説明、就学に関
する質問項目などを追加したのがその一例である。また調査票のパイロット調査を繰り返し、成
人と共通する事項を質問する際にも、若干の修正を加えている。そのため、成人調査との単純比
較には注意が必要ではあるものの、小児の特徴を十分に反映した結果が得られていると考えら
れる。例えば、医療提供体制や医療スタッフとの関係における療養体験は、成人に比較して良好
な結果となっている反面、家族への支援や、高等学校における教育の支援などの必要性が浮き彫
りになっている。本報告書は結果の中立的な提示が主目的であるため、結果に基づく考察は最小
限度としているが、詳細は各質問項目における結果をご参照いただきたい。
今回は、全疾患が希少がんに属する小児がんの初めての大規模調査であり、この過程で、未成
年保護、病院におけるプライバシー保護との兼ね合い、また、公的がん登録におけるカバー率や
施設の偏りといったサンプルや調査手法などのさまざまな課題が明らかになった。特に、参加施
設については、院内がん登録を実施していない小児病院などが調査対象に含まれないことをど
のように解決するかが、次回調査に向けての課題と考える。今後はこれらの課題を解決しつつ、
より全体を俯瞰し、小児がん対策の進捗や医療の進歩を結果に反映しうる調査として、継続して
いく所存である。

令和 3 年 3 月
国立がん研究センター中央病院

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小児腫瘍科長 小川 千登世