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参考資料2 障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン(第2版)案(別冊) (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74454.html
出典情報 社会保障審議会 障害者部会(第157回 7/10)《厚生労働省》
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5 . グループホームへの移 行 を見 据 えた居 住 の場 の選 択 に関 する意 思 決 定 支 援
F さん(30 代・男性)は、知的障害と自閉スペクトラム症があり、強度行動障害の状態にあ
ると判定されている。これまで実家で母親と暮らしてきたが、母親は高齢で持病もあり、今
後も同じように介護や見守りを続けることに不安を抱いていた。日中は就労継続支援B型事
業所に通所している。F さんは、生活のリズムが崩れたり、見通しの持てない変化が生じたり
すると不安や不満が高まり、物に当たる、大声を出す、その場から飛び出そうとするなどの
課題行動がみられる。一方で、「自分のへや ほしい」「ひとりで やる」など、簡単な言葉で「一
人でできることを増やしたい」「自分の部屋がほしい」といった思いをときどき表現すること
もある。
F さんは、単語や短い文による簡単なやり取りは可能であるが、長い説明や抽象的な話、
将来の生活をイメージするような会話を理解することは難しい。「あとで」「将来」「もし〜なら」
などの表現はわかりにくく、そのような話題が続くと表情が硬くなり、黙り込む、机をたたく
などの行動が見られることがある。また、自分の気持ちを詳しく言葉で説明することは難し
く、不満や不安が強くなっても「いや」「ダメ」など限られた言葉でしか表せず、自傷や物壊し
などの不穏な行動につながってしまうことがある。
母親は、自分の体力が大きく落ちる前に環境を整えておきたいとの思いから、「早くグル
ープホームに入って慣れてもらった方が良いのではないか」と考えていた。一方、就労継続
支援B型事業所の職員は、「急な環境の変化は不安を強め、不穏な行動が強く出るおそれが
ある。見通しを示しながら、少しずつ慣れていけるよう準備した方がよい」と感じていた。F
さん自身は「グループホーム」という言葉は知っているものの、そこでの生活を具体的に想像
することはできず、「いま ここ いい」「いま の まま が いい」などと繰り返すことが多かっ
た。無理にグループホームの話を進めると、「いやだ」「いかない」と声を荒らげ、その場から
立ち去ろうとするなどの行動が出ることもあった。
相談支援専門員は、意思決定支援のプロセスを踏まえ、まずアセスメントを通じて F さん
の状態像や生活歴、価値観を丁寧に把握することから支援を始めた。子どもの頃から「自分
の物は自分の場所に置きたい」「自分の部屋がほしい」という思いがあったこと、中学校時代
の修学旅行では、事前の説明が十分でなく不安が高まった結果、前日に参加をやめ、その際
に大声を出して壁をたたくなどの行動が見られたこと、就労継続支援B型事業所に通い始め
た当初も、新しい環境への不安から通所を拒否したり、作業場から飛び出そうとしたりした
が、同じ職員が継続して関わり、一日の流れを写真カードで示すなど環境の工夫を行うこと
で、徐々に落ち着いて通所できるようになった経過などが確認された。
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