よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-2-15診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (44 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

(令和3年現在 FX/10 抗原量の検査は保険収載されていない)
2.確定診断用検査
(1)PT 及び APTT の 1:1 混合試験、交差混合試験でインヒビター型である*。
症例の血漿と健常対照の血漿を5段階に希釈混合して、37°C で2時間加温してから PT および及び
APTT を測定する。下向き明らかに下に凸であれば「欠乏型」でなければインヒビター陰性、上向きに凸
であれば「インヒビター型」で陽性と判定するの存在を疑う。なお、抗リン脂質抗体症候群のループスアン
チコアグラントでは、混合直後に PT 及び APTT を測定しても、37°C で2時間加温後と同等の凝固時間
の延長が認められるので(即時型阻害)、鑑別に有用である。
(2)FX/10 インヒビター(凝固抑制物質)が存在する*。
力価測定:一定量の健常対照血漿に様々に段階希釈した症例の血漿を混合して、2時間 37°C で加
温してから残存 FX/10 活性を測定する(ベセスダ法)。
(3)抗 FX/10 自己抗体**が存在する。
非阻害性抗体は、主に結合試験(イムノブロット法、ELISA 法、イムノクロマト法など)を用いて免疫学
的に検出され、FX/10 の血中からのクリアランスを亢進して上記の交差混合試験では「欠乏型」を示し本
症の原因となりうる。FX/10 インヒビター、すなわち中和型抗阻害性抗 FX/10 自己抗体も、免疫学的方
法で検出され、微量に残存する抗 FX/10 自己抗体も鋭敏に検出することが可能なので、病勢、免疫抑
制療法の効果、寛解の判定や経過観察に有用である(令和3年現在抗 FX/10 自己抗体の検査は保険
収載されていない)。


:当初 1:1 混合試験、交差混合試験で欠乏型であっても、その後インヒビターがベセスダ法で検出される

こともあるので、複数の方法を用いる、又は期間をおいて複数回検査することが望ましい。
**

:出血症状を生じない抗 FX/10 自己抗体保有症例も存在する可能性があるので、A-(1)と B-1のない

ものは、原則として検査対象に含めない。ただし、検査上の異常のみでその時点では出血症状の無い症
例でも、その後出血症状を呈することも予想されるので、綿密な経過観察が必須である。
C.鑑別診断
遺伝性 FX/10 欠乏症、全ての二次性 FX/10 欠乏症(播種性血管内凝固症候群(DIC)、AL-アミロイドーシス
など)、(遺伝性)第 FV(5)/5 欠乏症、自己免疫性後天性 FV/5 欠乏症、全ての二次性 FV/5 欠乏症、(遺伝性)
プロトロンビン欠乏症、自己免疫性後天性プロトロンビン欠乏症、全ての二次性プロトロンビン欠乏症、自己免疫
性後天性 FXIII(/13)欠乏症、抗リン脂質抗体症候群などを除外する。
<診断のカテゴリー>
Definite:Aの全てを満たし、B1及びB2-(3)を満たし、Cの鑑別すべき疾患を除外したもの
Probable1:Aの全てを満たし、B1 及びB2-(1)を満たし、Cの鑑別すべき疾患を除外したもの
Probable2:Aの全てを満たし、B1 及びB2-(2)を満たし、Cの鑑別すべき疾患を除外したもの
Possible:Aの全て及びB1 を満たすもの
<参考所見>

- 44-