よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-2-15診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (42 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

(2)パラ血友病(遺伝性 FV/5 欠乏症)の家族歴がない。
(3)出血性疾患の既往歴がない。特に過去の止血負荷(hemostatic challenge; 外傷、手術、抜歯、分娩
など)に伴った出血もない。
(4)抗凝固薬や抗血小板薬などの過剰投与がない。
B.検査所見
1.特異的検査で FV/5 関連の以下の3つの項目の内1つ以上の異常がある(通常は FV/5 活性、FV/5 抗原
量が基準値の 50%以下)。
(1)FV/5 活性(FV/5:C):必ず著しく低下
(2)FV/5 抗原量(FV/5:Ag):通常は著しく正常だが一部の症例で低下
(3)FV/5 比活性(活性/抗原量):通常は著しく低下
2.確定診断用検査
(1)PT および及び APTT 交差混合試験でインヒビター型である*。
症例の血漿と健常対照の血漿を5段階に希釈混合して、37℃で2時間加温してから PT および及び
APTT を測定する。下向き明らかに下に凸であれば「欠乏型」でなければインヒビター陰性、上向きに凸
であれば「インヒビター型」で陽性と判定するの存在を疑う。なお、抗リン脂質抗体症候群のループスアン
チコアグラントでは、混合直後に PT および及び APTT を測定しても凝固時間の延長が認められるので
認められ(即時型阻害)、一般に鑑別に有用であるとされている。
(2)FV/5 インヒビター(凝固抑制物質)が存在する*。
力価測定:一定量の健常対照血漿に様々に段階希釈した症例の血漿を混合して、2時間 37℃で加温
してから残存 FV/5 活性を測定する(ベセスダ法)。
(3)抗 FV/5 自己抗体**が存在する。
非阻害性抗体は、主に結合試験(イムノブロット法、ELISA 法、イムノクロマト法など)を用いて免疫学
的に検出される。FV/5 インヒビター、すなわち中和型抗阻害性抗 FV/5 自己抗体も、免疫学的方法で検
出され、微量に残存する抗 FV/5 自己抗体も鋭敏に検出することが可能なので、病勢、免疫抑制療法の
効果、寛解の判定や経過観察に有用であると期待される。
なお、阻害性抗体(FV/5 インヒビター)の場合は、抗ヒト Ig 抗体や抗血清による中和前後、あるいはプ
ロテイン A-、プロテイン G -セファロースなどでの吸着処理前後で FV/5 インヒビター力価の大幅な減少
が認められれば、抗 FV/5 自己抗体の間接的証明として良い。


:当初交差混合試験で欠乏型(下に凸)であっても、その後インヒビター型に変化することもあるので、期

間をおいて複数回検査することが望ましい。
**

:出血症状を生じない抗 FV/5 自己抗体保有症例も多数も存在することが報告されているので、A-(1)

と B-1のないものは検査対象に含めない。

C.鑑別診断

- 42-