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資料1-2-15診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (28 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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285 ファンコニ貧血
○ 概要
1.概要
染色体の脆弱性を背景に、1)進行性汎血球減少、2)骨髄異形成症候群や白血病への移行、3)身体奇
形の先天異常、4)固形がんの合併を来すことのある血液疾患である。
2.原因
DNA の修復に働く 1922 のファンコニ貧血責任原因遺伝子がこれまでに同定されている。1つ2つを除い
て常染色体劣性の遺伝形式をとるが(例外は X 染色体連鎖(FANCB)と常染色体上のデノボドミナントネガ
ティブ変異(FANCR))、発病の機構は明らかではない。本邦では約 70%に近年,DNA 架橋を形成する内
因性因子としてアルデヒドが注目されており、ファンコニ患者では造血幹細胞におけるアルデヒド蓄積によ
るゲノム障害が修復できず、骨髄不全が進行する可能性が示唆された。本邦では約 90%にいずれかのフ
ァンコニ貧血原因遺伝子の変異が同定されている。
3.症状
皮膚の色素沈着、身体奇形の先天異常、低身長、性腺機能不全を伴うが、その表現型は多様である。小
児期に進行性の汎血球減少症を発症し、思春期から成人期にかけて骨髄異形成症候群や急性骨髄性白
血病への移行がみられることが多く、成人期に頭頚部などの発癌発がんリスクが増加する。一部のファンコ
ニ貧血遺伝子の異常では幼小児期に小児がんや白血病を発症することがある。
4.治療法
造血不全、造血器腫瘍に対しては造血細胞移植が唯一治癒を期待できる治療である。固形がんの化学
療法は困難であり、手術療法が主体となる。身体奇形の先天異常は外科的手術を施行する。
5.予後
10 歳までに 80%以上、40 歳までに 90%以上の患者は、再生不良性貧血を発症する。思春期から成人
期にかけて骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病への移行がみられることが多く、20 歳を超えると頭頚
部などの発癌発がんリスクが増加し予後不良である。

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