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資料1-2-6診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (44 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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94 原発性硬化性胆管炎
○ 概要
1.概要
原発性硬化性胆管炎(PSC)は、肝内外の胆管の線維性狭窄を生じる進行性の慢性炎症疾患である。胆
管炎、AIDS の胆管障害、胆管悪性腫瘍(PSC 診断後及び早期癌は例外)、胆道の手術や外傷、総胆管結
石、先天性胆道異常、腐食性硬化性胆管炎、胆管の虚血性狭窄、floxuridine 動注による胆管障害や狭窄
に伴うものは、2次性硬化性胆管炎として除外される。また、自己免疫性膵炎に伴うものを含めて、IgG4 関
連硬化性胆管炎も除外される。20122015 年の全国アンケート調査によれば、頻度は男性にやや多く、発症
年齢は 2030 歳と 60 歳代の2峰性である。肝内肝外胆管両方の罹患例が多く、潰瘍性大腸炎の合併を
3440%に、胆管癌の合併を 7.31%に認めた。
2.原因
自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎と同様に免疫学的異常によると考えられているが、詳細は不明
である。炎症性腸疾患の合併が多く、病因との関連が示唆されている。
3.症状
全国調査によれば、黄疸が 28%に、掻痒感が 16%に認められており、初発症状として最も多いのは黄疸
であり、全体の 19%に認められた。しかし無症状のまま診断される症例が全体の約半数に上る。治療効果
が不良の場合最終的に肝硬変へ至る。
4.治療法
ウルソデオキシコール酸やベザフィブラートは ALP や γ-GTP 値を低下させるが、予後を改善するかにつ
いては不明である。局所的狭窄に対するバルーン拡張や一時的なドレナージなどの内視鏡的治療が有用
のこともある。進行例では、肝移植が唯一の救命法であり、脳死肝移植が少ない本邦では生体肝移植が主
に行われているが、生体肝移植後 PSC の再発率が比較的高い可能性がわが国から報告されている。
5.予後
全国調査の結果からは、肝移植なしの5年生存率は 75%であった。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班の疫学調査 2007 年度)
約 4002,300 人
2.発病の機構
不明(免疫学的異常が示唆されている。)
3.効果的な治療方法
未確立(根本的治療法なし、進行例では肝移植が唯一の救命法であるが再発も多い。)

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