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資料1-2-6診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (36 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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<診断基準>
本症は症候群として認識され、また病期により病態が異なることから、以下により総合的に診断する。Definite
(確定診断)は肝臓の病理組織学的所見に裏付けされていること。
1.一般検査所見
1)血液検査:一つ以上の血球成分の減少を示す。特に血小板の減少は顕著である。
2)肝機能検査:軽度異常にとどまることが多い。
3)内視鏡検査:しばしば上部消化管の静脈瘤を認める。門脈圧亢進症性胃腸症や十二指腸、胆管周囲、
下部消化管などにいわゆる異所性静脈瘤を認めることがある。
2.画像検査所見
1)超音波、CT、MRI、腹腔鏡検査
(a)脾腫(しばしば巨脾)を認める。
(b)肝臓は病期の進行とともに、辺縁萎縮と代償性中心性腫大を呈する。
(c)肝臓の表面は平滑なことが多いが、大きな隆起と陥凹を示し全体に波打ち状を呈する例もある。
(d)肝内結節(結節性再生性過形成や限局性結節性過形成など)を認めることがある。
(e)著明な脾動静脈の拡張を認める。
(f)超音波ドプラ検査で著しい門脈血流量、脾静脈血流量の増加を認める。
(g)二次的に肝内、肝外門脈に血栓を認めることがある。
2)上腸間膜動脈造影門脈相ないし経皮経肝門脈造影
肝内末梢門脈枝の走行異常、分岐異常を認め、その造影性は不良である。時に肝内大型門脈枝や肝
外門脈に血栓形成を認めることがある。
3)肝静脈造影および圧測定
しばしば肝静脈枝相互間吻合と“しだれ柳様”所見を認める。閉塞肝静脈圧は正常または軽度上昇して
いる。
4)超音波エラストグラフィによる肝と脾の弾性測定で、肝の弾性の軽度増加と、脾の弾性の著しい増加を
認めることが多い。
3.病理検査所見
1)肝臓の肉眼所見:肝萎縮のあるもの、ないものがある。肝表面では平滑なもの、波打ち状や凹凸不正を
示すもの、さらには肝の変形を示すものがある。肝割面では、肝被膜下の肝実質の脱落をしばしば
認める。肝内大型門脈枝あるいは門脈本幹は開存しているが、二次性の閉塞性血栓を認める例が
ある。また、過形成結節を呈する症例がある。肝硬変の所見はない。
2)肝臓の組織所見:肝内末梢門脈枝の潰れ・狭小化や肝内門脈枝の硬化症、および異常血行路を呈す
る例が多い。門脈域の緻密な線維化を認め、しばしば円形の線維性拡大を呈する。肝細胞の過形
成像がみられ、時に結節状過形成を呈する。ただし、周囲に線維化はなく、肝硬変の再生結節とは
異なる。
3)脾臓の肉眼所見:著しい腫大を認める。

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