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令和8年度予算の編成等に関する建議 参考資料2 (28 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html
出典情報 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》
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全人的なケアの実現に向けた「かかりつけ医機能の評価」の再構築(総論③) 資料Ⅱ-1ー28
○ 「かかりつけ医機能の報酬上の評価」の再構築に向けて、まずは、かかりつけ医機能報告上、基本的な機能を有していない診療所への減算措
置を導入すべき。また、「体制整備への評価」と「診療行為への評価」を明確に区分し、初診に係る機能強化加算については廃止を軸に検討す
べき。これらは「かかりつけ医機能」が法制上明確化された中で、患者・国民の分かりやすさの観点からの要請でもあると考えるべき。
○ その上で、診療行為への評価については、全人的な医療を包括的に評価するものとして創設された地域包括診療料をベースに報酬体系を見
直すことが適当であり、既存の報酬項目(外来管理加算、特定疾患管理料、生活習慣病管理料)はゼロベースで見直しを図るべき。

機能強化加算

 機能強化加算(80点)は、初診への加算。初診患者の中でも特に継続的な管
理が必要な疾患を有する患者に対し、専門医療機関への受診の要否の判断を含め
的確で質の高い診療機能を発揮することを評価するために2018年に設けられたもの。
 「体制への評価」であるため、施設基準さえ満たせば、患者実態によらず、また、当該
医療機関をかかりつけ医としない患者に対しても、一律に算定される。

外来管理加算

 外来管理加算(52点)は、「計画的な医学管理」を評価し、再診料に加算。検
査・処置・リハビリ・精神科精神療法・手術等の実施を行わないことや、丁寧な問診
や詳細な身体診察などが要件。
 特定疾患療養管理料、特定疾患処方管理加算、地域包括診療加算・認知症地
域包括診療加算と併算定可。

地域包括診療料・加算/認知症地域包括診療料・加算

 複数の慢性疾患(高血圧、糖尿病、脂質異常症、認知症、慢性心不全又は慢性腎臓病の6
つのうち2つ以上) を有する患者に対し、継続的かつ全人的な医療を行うことについて
の評価。(「診療料」は月1回の包括点数。「加算」は診療所のみ算定でき、出来高。)
 かかりつけ医機能を評価するため創設された基幹的・代表的な報酬項目であるにもか
かわらず、必要な体制整備が困難との理由で、算定実績は低調。

かかりつけ医機能を持つ医療機関の体制整備を評価するため
の仕組みが別途存在する中で、全ての患者に対して初診時の
追加負担を求めることになる機能強化加算は、有効性・効率
性の観点から疑問と言わざるを得ない。廃止を軸に検討すべき。
事実上「無駄な検査等を行わないこと」を評価するもの。より重
点的にかかりつけ医機能を評価する報酬項目が存在する中、
幅広い併算定を認めつつ残存させてきたことの正当性が問われ
る。即刻廃止とするか、地域包括診療料等に包括化すべき。
地域での医療・介護の複合ニーズを総合的に受け止め、認知
症を含めた複数の慢性疾患を有する患者に全人的なケアを実
施する医療機関を的確に評価するにふさわしい報酬として発展
的改組を試みるべき。
例えば、認知症地域包括診療料・加算と統合した上で、個々
の医療機関の担うかかりつけ医機能をよりきめ細かに評価でき
る報酬体系に再構築すべき。

 併せて、生活習慣病の患者に全人的なケアを実施する際、地域の医療機関において、かかりつけ医機能が最大限に発揮され、より適正な疾病管理が可能とな
るよう、2024年度改定に続き、特定疾患療養管理料・生活習慣病管理料の更なる見直しを断行すべき。

【改革の方向性】(案)
○ 外来診療の機能分化・連携や、全人的ケアを提供する医療機関に対する適切な評価が促進される方向で、各種加算等を改めて精
査・整理してはどうか。診療側の提供体制や経営上の事情への配慮より、真に患者本位の治療を目的とした報酬体系へ再構築すべき。