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令和8年度予算の編成等に関する建議 参考資料2 (25 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20251202/index.html
出典情報 令和8年度予算の編成等に関する建議(12/2)《財務省》
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医療提供の効率化に向けた診療報酬体系の見直し

資料Ⅱ-1-25

○ 高齢化・人口減少が進む中、より少ない就業者で質の高い医療サービスが提供できるよう、効率的な医療提供体制を構築していくことが必須。
分散した小規模な病院を集約・再編し、入院機能を強化するとともに、外来においても、地域の診療所のかかりつけ医機能を強化し、頻回受診
を必ずしも前提とせず、必要な時に必要な医療にアクセスできる体制を確保していく必要。短期的・集中的な治療を担う病院と、長期的・継続的
な健康管理を担うかかりつけ医との役割分担の下、地域全体で効率的かつ効果的に患者を支える体制を整備していくことが求められている。
○ 入院・外来の機能強化と役割分担を促し、医療機関同士の「横連携」型の体系を構築していくためには、診療報酬の体系も、「アウトカム重視」
「質重視」に転換していくべき。「出来高払い」から「包括払い」の仕組みに変えていくとともに、医療資源の有効活用と慢性疾患の患者への継続的
な健康管理を両立させる観点から、リフィル処方等を推進する診療報酬としていくことが不可欠。
◆ 地域における医療機関間の機能分担と連携のイメージ

 外来報酬体系の包括払い化の重要性
慢性疾患へのケアにおいては、本来、検査の量や受診回数など、医療提
供の量ではなく、患者の状態を安定させQOL(生活の質)を維持・向上
させるというアウトカムでの評価こそが望ましいと考えられる。
アウトカム評価との親和性に加え、地域の医療資源を有効に活用しつつ、
病院・診療所・薬局による連携の下で患者を適時適切にフォローアップする
体制を総合的に評価する観点からも、「包括払い」を進めていくことが重要。

急性期病院
短期的・集中的治療
による患者の救命

回復期病院
慢性期病院

《 患者の状態に応じて連携 》

◆ リフィル処方箋の概要

訪問看護
薬局

かかりつけ医

連携

連携
かかりつけ医をハブとした
患者本位の
長期的・継続的管理

患者の生活基盤

症状が安定している患者に対して、医師の処方により医師及び薬剤師の適切な連携
の下で、一定期間内に、最大3回まで反復利用できる処方せんによる処方
(2022年度診療報酬改定で新設)
慢性的疾患においては、毎回の受診は患者の負担。

処方

◆ 1人あたり外来受診回数の国際比較(2022年)
(回)

12.1

15

通常の処方

国民1人あたり年間12.1回
国民全体では年間約15億回

10

リフィル処方

5
メキシコ

コスタリカ

スウェーデン

ノルウェー

ギリシャ

チリ

ポルトガル

アメリカ

エストニア

デンマーク

フィンランド

ルクセンブルグ

スイス

フランス

カナダ

スペイン

オーストラリア

スロベニア

(出所)OECD Data Explorer (2025年8月20日時点)

イスラエル

ポーランド

ベルギー

コロンビア

チェコ

リトアニア

イタリア

ハンガリー

オランダ

ドイツ

トルコ

日本

韓国

0

長期処方

2回目

診察の都度医療提供側にも負担が生じる。

3回目

患 者 の医 療
機関への受
診負担を軽
減しつつ、薬
剤師による
継続的な確
認が可能。

患者の負担は最も少ないが、定期的フォローアップができないため、
医師が長期的に安定的状態にあると認める患者に限られる。

【改革の方向性】(案)
○ 入院・外来の機能強化と役割分担、「横連携」の推進により、効率的で質の高い医療提供体制を構築していくことを通じ、医療産業
のコスト構造の見直しを図る必要。そのため、診療報酬改定において、アウトカムを重視する「包括払い」への転換や、リフィル処方の促
進のための措置を講じるべき。