よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


09 研究振興局主要事項 -令和8年度科学技術関係概算要求- (15 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/r01/1420668_00003.html
出典情報 令和8年度文部科学省 概算要求等の発表資料一覧(8/29)《文部科学省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

マテリアル・イノベーション創出に向けた
マテリアル革新力の強化

令和8年度要求・要望額
100億円
(前年度予算額
83億円)
※運営費交付金中の推計額含む

現状・課題

○輸出総額の2割以上がマテリアル

 産業課題・社会課題を解決に導く分野横断的な基盤であるマテリアル分野は、量子・AI・バイオ・半導体・フュージョンといった先端技術の発
展に必須であるとともに、我が国が高い技術力や産業シェアを有するなど、産学で世界的に優位性を保持する分野。
 一方、近年では我が国を取り巻く国際情勢が激変し、経済安全保障の確保等の新たな対応が必要となっている中で、アカデミアの研究力は
相対的に低下しているところ、世界で勝ち続けるためには、我が国の強みである良質な実験データ、高度な研究施設・設備、多様な人材を
生かし、データやAIを活用した研究のデジタルトランスフォーメーション(DX)による研究開発の効率化・高速化・高度化を実現するとともに、
マテリアル・イノベーションを絶えず生み出す源泉となる卓越したサイエンスやテクノロジーを創出する体制づくりが急務である。

<2024年輸出総額(109兆円)内訳>
輸送用機器

その他

約24兆円

電気機器

工業素材
一般機械

(出典)財務省貿易統計

【新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2025年改訂版】(令和7年6月13日閣議決定)
マテリアル分野においてアカデミアの優れた知が産業界へとつながる「知のバリューチェーン」の構築を通じて我が国が勝ち続けるための新たな国家戦略に基づき、AI・ロボティクス等との融合によるマテリアルDXや革新的マテリアルの研究開発・社
会実装の加速、先端共用設備等の研究基盤整備、人材育成等に強力に取り組む。
【統合イノベーション戦略2025】(令和7年6月13日閣議決定)


マテリアルは、分野横断的な基盤技術であるとともに、AI、バイオ、量子、半導体、電池等といった幅広い分野に飛躍的な技術の進展をもたらし、イノベーションを先導する重要な要素である。「マテリアル革新力強化戦略(令和7年6月4日
統合イノベーション戦略推進会議決定)」 に基づき、知のバリューチェーンの構築を通じてマテリアル・イノベーションを絶えず創出し、我が国の基幹産業であるマテリアル産業で勝ち続け、複合化する様々な社会課題に対応していく。



マテリアル・イノベーションの加速のため、AI・ロボティクスと融合した自動・自律実験システム等によるマテリアルDXを更に推進する。マテリアルデータ基盤を拡充するとともに、利活用を進め、データ駆動型研究開発による成果の創出を推進する。
「知」の橋渡しによるイノベーション創出のため、我が国の強みである多様なプレーヤーの連携を進めるとともに、マテリアル分野のスタートアップ育成エコシステムの構築を進める。



マテリアル・イノベーションの継続的な創出のため、基礎基盤的研究や人材育成、先端共用設備等の研究基盤整備を推進する。

事業内容

 マテリアル分野の研究DXに向けて、研究データの①創出、②統合・管理、③利活用までを一体的に推進するマテリアルDXプラットフォームを構築。創出されたデータを機関の枠組
みを超えて共用・利活用する仕組みを充実・強化するとともに、多様なプレーヤーの参画と連携を促進。さらにAI等を活用した次世代のデータ駆動型研究方法を確立・普及するこ
とで、革新的なマテリアルの創出を図る。
①データ創出
●マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM)

③データ利活用
26.9億円(21.9億円)

※半導体基盤プラットフォームの構築を含む

全国26の大学等において先端設備の全国的な共用体制を整備しながら、創出データを
共用・利活用可能な形式で収集・蓄積し、令和7年度からデータ共用・利活用の本格
運用を開始。令和8年度からはハイスループット材料開発の推進に資する先端共用設備
の整備・高度化を図る。
②データ統合・管理
●NIMSにおけるデータ中核拠点の形成

8.2億円(8.2億円)

※NIMS運営費交付金中の推計額

●AI・データ駆動ラボによるマテリアル革新イニシアティブ(MatAIラボ)
65.3億円(49.7億円)
※NIMS運営費交付金中の推計額含む

従来の試行・経験型の研究開発手法にAI・データ活用によるデータ駆動型研究を取り入れた
次世代の研究方法を開発。令和8年度から自動・自律実験システムの開発・導入によって、
研究生産性を飛躍的に高めるマテリアルDXプラットフォームを強化する。産と学の力を結集させ
る取組を推進し、革新的なマテリアルの創出を目指す。
 データ創出・活用型マテリアル研究開発プロジェクト(DxMT)
 NIMSにおけるデータ駆動型研究の推進

ARIM等で創出されたデータをセキュアな環境で蓄積・共用し、AI解析が可能なシステムを
実現。令和7年度から当該システムやツール群を用いたデータ共用・利活用の本格運用を
開始し、データやAIを駆使した材料開発の効率化・高速化を推進。
(担当:研究振興局参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付)

15