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薬剤業務向上加算にかかる出向研修モデル作成の手引き(ver 1.0) (9 ページ)
出典
公開元URL | https://www.jshp.or.jp/content/2025/0703-1.html |
出典情報 | 薬剤業務向上加算にかかる出向研修モデル作成の手引き(ver 1.0)の公表について(7/3)《日本病院薬剤師会》 |
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なる地域包括ケア病棟等有していることから退院後の受入病院の機能を早い段階で学ぶためにも若手
薬剤師の出向が適しているという認識を県と共有し、若手薬剤師の中から出向者を選定した。在宅医療
を含め地域医療に関する研修カリキュラムを新たに策定した。本カリキュラムに則り、出向先において
も業務支援の視点ではなく、業務の質向上とともに、出向者自身の成長、コンピテンシー修得につなげ
られる体制を構築した。カリキュラム以外にも、出向後の地域連携を充実させる目的で地域保険薬局薬
剤師を対象としたトレーシングレポート研修会を企画開催し、顔の見える関係も築いた。また、出向先
で計画されていた電子カルテシステムの改修 WG にも参加し、出向元では時間的・人数的な制約から経
験できない仕組み作りに主体的に関わる経験を得た。本研修を経て、転院や在宅移行で患者が直面する
問題や課題を抽出し、出向元での退院時の処方や薬剤情報共有の仕組みづくりに反映させることで、最
適な薬物治療をシームレスに提供できる点で薬剤業務の向上が期待できる。
事例④
〇〇県が実施したアンケート結果から、薬剤師を確保し病棟薬剤業務を強化したいと希望した施設の
うち、居住補助などの受け入れ体制があった△△病院を〇〇県薬剤師確保のための調査・検討協議会で
選定した。また、△△病院が薬剤師少数地域に立地して病初期から急性期の患者を幅広く受け入れ、研
修に適した地域の拠点病院であることも考慮した。病棟業務の立ち上げに近い役割をこなし、十分な臨
床経験と教育経験をもつ薬剤師(薬物療法専門薬剤師)を出向者に選定した。なお、続く 2 名の出向者
については、薬物療法専門資格を希望し地域医療をキャリアパスとする薬剤師を選定している。出向先
では病棟薬剤管理指導記録のテンプレートの導入、プレアボイド事例の整理と院内周知、副作用報告な
どの業務改善と薬剤師業務の視える化に取り組むとともに、病棟カンファレンスに参加し抗菌薬の適正
使用や腎機能検査値の乖離症例の指摘など、出向先の若手薬剤師を教育指導しながらチーム医療の向上
を達成した。また、出向元では未経験の BCP 策定にも薬剤師の立場で参画し、病院運営の細部を知ると
ともに機能全体を俯瞰して知る貴重な機会を得た。本研修によって、病棟業務が整備されている出向元
とは異なる環境で、若手薬剤師の指導、業務成果の視える化や役割強化を一から構築する成功体験を得
た。地域医療を志向し専門資格を有する薬剤師を輩出するアウトカムを見据えた出向体制を構築する点
で出向元を含む地域の薬剤業務の向上が期待できる。
事例⑤
〇〇県の委託事業で〇〇県病院薬剤師会が実施した病院薬剤師実態調査にて、県内の医療施設に出向
に関する意向や欠員状況を調査した。〇〇県薬務課は調査結果をもとに薬剤師少数区域の二次医療圏の
公的医療機関(基金を活用しているため、出向先は公的機関に限定)の優先順位を決定した。
『病院薬剤
師出向・体制整備支援事業(基金)』に応募した出向元医療機関に、出向先医療機関の候補を連絡した。
出向元医療機関は優先順位の高い医療機関から順に出向の要件について調整し、出向先医療機関を決定
した。
『病院薬剤師出向・体制整備支援事業』では、薬剤師業務の拡充による魅力ある職場を醸成し、継
続的で安定した薬剤師雇用を実現することを目的として、様々な業務を支援した。出向薬剤師は経験年
数 5 年程度とし、業務改善能力を有する薬剤師を選定した。出向した薬剤師には、業務の評価や改善提
案等を通じて問題解決能力等のプロフェッショナルスキルの醸成を期待している。□□病院では概ね 6
ヵ月程度の交代制とし、出向後 1-2 ヶ月で出向先の業務把握、2 ヶ月目から業務改善の検討を開始し
た。3 名の薬剤師が合計 1 年 10 か月出向した結果、病棟業務ではテンプレートの作成等業務効率化によ
り、薬剤管理指導料の算定が 1.5~2 倍に増加した。また、SNS 等を活用した広報等により薬剤師採用人
9
薬剤師の出向が適しているという認識を県と共有し、若手薬剤師の中から出向者を選定した。在宅医療
を含め地域医療に関する研修カリキュラムを新たに策定した。本カリキュラムに則り、出向先において
も業務支援の視点ではなく、業務の質向上とともに、出向者自身の成長、コンピテンシー修得につなげ
られる体制を構築した。カリキュラム以外にも、出向後の地域連携を充実させる目的で地域保険薬局薬
剤師を対象としたトレーシングレポート研修会を企画開催し、顔の見える関係も築いた。また、出向先
で計画されていた電子カルテシステムの改修 WG にも参加し、出向元では時間的・人数的な制約から経
験できない仕組み作りに主体的に関わる経験を得た。本研修を経て、転院や在宅移行で患者が直面する
問題や課題を抽出し、出向元での退院時の処方や薬剤情報共有の仕組みづくりに反映させることで、最
適な薬物治療をシームレスに提供できる点で薬剤業務の向上が期待できる。
事例④
〇〇県が実施したアンケート結果から、薬剤師を確保し病棟薬剤業務を強化したいと希望した施設の
うち、居住補助などの受け入れ体制があった△△病院を〇〇県薬剤師確保のための調査・検討協議会で
選定した。また、△△病院が薬剤師少数地域に立地して病初期から急性期の患者を幅広く受け入れ、研
修に適した地域の拠点病院であることも考慮した。病棟業務の立ち上げに近い役割をこなし、十分な臨
床経験と教育経験をもつ薬剤師(薬物療法専門薬剤師)を出向者に選定した。なお、続く 2 名の出向者
については、薬物療法専門資格を希望し地域医療をキャリアパスとする薬剤師を選定している。出向先
では病棟薬剤管理指導記録のテンプレートの導入、プレアボイド事例の整理と院内周知、副作用報告な
どの業務改善と薬剤師業務の視える化に取り組むとともに、病棟カンファレンスに参加し抗菌薬の適正
使用や腎機能検査値の乖離症例の指摘など、出向先の若手薬剤師を教育指導しながらチーム医療の向上
を達成した。また、出向元では未経験の BCP 策定にも薬剤師の立場で参画し、病院運営の細部を知ると
ともに機能全体を俯瞰して知る貴重な機会を得た。本研修によって、病棟業務が整備されている出向元
とは異なる環境で、若手薬剤師の指導、業務成果の視える化や役割強化を一から構築する成功体験を得
た。地域医療を志向し専門資格を有する薬剤師を輩出するアウトカムを見据えた出向体制を構築する点
で出向元を含む地域の薬剤業務の向上が期待できる。
事例⑤
〇〇県の委託事業で〇〇県病院薬剤師会が実施した病院薬剤師実態調査にて、県内の医療施設に出向
に関する意向や欠員状況を調査した。〇〇県薬務課は調査結果をもとに薬剤師少数区域の二次医療圏の
公的医療機関(基金を活用しているため、出向先は公的機関に限定)の優先順位を決定した。
『病院薬剤
師出向・体制整備支援事業(基金)』に応募した出向元医療機関に、出向先医療機関の候補を連絡した。
出向元医療機関は優先順位の高い医療機関から順に出向の要件について調整し、出向先医療機関を決定
した。
『病院薬剤師出向・体制整備支援事業』では、薬剤師業務の拡充による魅力ある職場を醸成し、継
続的で安定した薬剤師雇用を実現することを目的として、様々な業務を支援した。出向薬剤師は経験年
数 5 年程度とし、業務改善能力を有する薬剤師を選定した。出向した薬剤師には、業務の評価や改善提
案等を通じて問題解決能力等のプロフェッショナルスキルの醸成を期待している。□□病院では概ね 6
ヵ月程度の交代制とし、出向後 1-2 ヶ月で出向先の業務把握、2 ヶ月目から業務改善の検討を開始し
た。3 名の薬剤師が合計 1 年 10 か月出向した結果、病棟業務ではテンプレートの作成等業務効率化によ
り、薬剤管理指導料の算定が 1.5~2 倍に増加した。また、SNS 等を活用した広報等により薬剤師採用人
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