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「看護の将来ビジョン2040 ~いのち・暮らし・尊厳を まもり支える看護~」 (7 ページ)

公開元URL https://www.nurse.or.jp/home/about/vision/
出典情報 看護の将来ビジョン2040(6/12)《日本看護協会》
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1. 2040年のすがた

な取組みが今よりも進み、人と人とをつなぎ合う体制や環境が整備されるようになる。
⃝新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、健康管理に対する人々の意識や社会のあり方は加
速的に変化した16)。気候変動による環境変化は地球規模で生じており、それらが健康に影響する
こと、それを未然に防ぐことの重要性など、人々の認識の中に浸透していく。今後、新興感染症や
気象災害の問題は恒常化する可能性が高く、震災対応も含むより盤石な危機管理体制の整備が必要
とされるようになる17)。

2)医療・看護のすがた
⃝2040年、医療提供体制のあり方は、その需要と供給、コストを含む持続可能性の観点からの病床
機能の再編 k が進み、病院は高機能かつ集中的な治療の場として集約されていく。一方で回復に伴
う治療や療養は、病院のみならず在宅や介護施設などの生活の場へ広がる18)。
⃝手術や集中治療、周産期医療 l 等は、おもに高度な医療を提供する地域の拠点となる医療機関が役
割を果たすようになる。短期間で集中的に安全・安心な医療を提供するため、それら現場は24時
間を通じ患者の最も身近にいる看護職、そして医療・ケアチーム m によって支えられる。知識と技
術に基づく確かな実践力を備えた看護職は今以上に求められるようになり、あわせて専門性の高い
看護師へのニーズも高まる。また地域完結型医療の浸透により病院と地域との連携は定着し、看護
職は入院時もしくは入院前から速やかにその人らしい退院後の生活を見据えた計画性のある支援、
地域の他職種との調整等により力を注ぐようになる。
⃝療養場所は病院から在宅等へと広がり、また治療と仕事等、日常生活との両立への需要の高まりな
ど、それら支援に向けて外来機能はさらなる深化を遂げる。病院から生活の場に至るまで、その切
れ 目 な い 療 養 支 援 に お い て、 外 来 の 看 護 職 に よ る 療 養 指 導 や 相 談 対 応、 継 続 的 な フ ォ ロ ー
アップは、治療の中断や急激な悪化を防ぎ、入院に至ることなく治療をしながらの地域での生活の
継続を可能にする。外来での看護は、生活の場と医療とをつなぎ、人々の療養生活を支える重要な
要となる。
⃝生活の場での療養を支える訪問看護ステーションは、その大規模化により、他の機関や他職種との
連携が拡充され、対象者の意思を尊重したタイムリーな入退院支援や、ニーズに応じたより多様な
看護サービスの提供が促進される。また、事業所運営の基盤整備が進むことで人材を確保しやすく
なり、専門性の高い看護師の在宅等での活躍が推進される。

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