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「看護の将来ビジョン2040 ~いのち・暮らし・尊厳を まもり支える看護~」 (12 ページ)
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公開元URL | https://www.nurse.or.jp/home/about/vision/ |
出典情報 | 看護の将来ビジョン2040(6/12)《日本看護協会》 |
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⃝入院患者や在宅等療養者の状態の変化に応じた必要な医療の提供には、看護職のアセスメントと、
それに基づく自律的な対応がとりわけ重要である。看護職は今後対象者に起こりうる状態の変化を
想定し、包括的指示 u を医師から受けておくことや、薬剤のタイムリーな使用等、医療の中で専門
職としての自律性をもって活動する。看護職が療養の場にいることで、対象者にとって最善の状態
をまもる。
⃝療養者のあらゆる状態の変化を、あらかじめ想定することは現実的ではない。また常に主治医と連
絡が可能な状況を維持することは不可能である。特に、在宅医療を担う医師が限られている地域に
おいては、医師との関係のもと、さらに幅広い療養者のニーズにタイムリーに対応し、人々の療養
生活を支える。
⃝限られた人数で質の高いケアを効果的に提供していくためには、検査結果、処方情報、ケアプラン等
の情報が一元管理され、それらをリアルタイムに医療・ケアチームで共有するとともに、チーム内の
他職種の専門性を理解し、それぞれの活動を横断的に把握して、必要なケアを適時適切に提供でき
るようアセスメントする存在が必要となる。看護職は、それらチームの中心となり、医療と生活の
視点に基づいて、その役割においてより力を発揮する。
(3)キーパーソンとしての多職種との協働
⃝看護職は多くの機関にあまねく存在していることから、看護という共通の土台に立ち、各機関の要
となって、より効果的な連携を行うことができる。地域の状況を俯瞰し、既存の制度・仕組みでは
対応できない課題に対しては、施設・行政等の垣根を越えて看護職同士で連携し、新たな社会資源
の開発や必要な政策・制度の提言によって、その改善へと働きかけていく。また、様々な場で活躍
する看護職が結節点となり、組織を超えた多職種をつなぐネットワークづくりにも貢献する。看護
職は多職種連携のコーディネート力をさらに磨き、地域の人々の健康な暮らしをまもる。
⃝人口減少の局面において地域社会を維持していくためには、支え手と受け手の区別なく、住民も含
めて一人ひとりが役割を果たすことが求められる。看護職は人々にとって最も身近な医療専門職で
あるとともに、介護・福祉領域との関係も深い。地域では、介護職・福祉職をはじめ多様な職種の
連携により人々の生活は支えられる。各職種の専門性と医療とを結ぶ、これら連携のキーパーソン
としても看護職は活躍する。
⃝年代や健康状態を問わず、看護職が地域の住民から顔の見える存在、手の届く距離にいることで、
医療のみならずさまざまな生活支援のサービスへの架け橋となることができる。複雑・多重課題を
抱える人々には、健康の社会的決定要因(SDH)v の存在も踏まえ、医療に加え、高齢者介護、障
害者福祉、子育て支援、生活困窮等、制度や領域を超えての連携・支援が不可欠となる。看護は、
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それに基づく自律的な対応がとりわけ重要である。看護職は今後対象者に起こりうる状態の変化を
想定し、包括的指示 u を医師から受けておくことや、薬剤のタイムリーな使用等、医療の中で専門
職としての自律性をもって活動する。看護職が療養の場にいることで、対象者にとって最善の状態
をまもる。
⃝療養者のあらゆる状態の変化を、あらかじめ想定することは現実的ではない。また常に主治医と連
絡が可能な状況を維持することは不可能である。特に、在宅医療を担う医師が限られている地域に
おいては、医師との関係のもと、さらに幅広い療養者のニーズにタイムリーに対応し、人々の療養
生活を支える。
⃝限られた人数で質の高いケアを効果的に提供していくためには、検査結果、処方情報、ケアプラン等
の情報が一元管理され、それらをリアルタイムに医療・ケアチームで共有するとともに、チーム内の
他職種の専門性を理解し、それぞれの活動を横断的に把握して、必要なケアを適時適切に提供でき
るようアセスメントする存在が必要となる。看護職は、それらチームの中心となり、医療と生活の
視点に基づいて、その役割においてより力を発揮する。
(3)キーパーソンとしての多職種との協働
⃝看護職は多くの機関にあまねく存在していることから、看護という共通の土台に立ち、各機関の要
となって、より効果的な連携を行うことができる。地域の状況を俯瞰し、既存の制度・仕組みでは
対応できない課題に対しては、施設・行政等の垣根を越えて看護職同士で連携し、新たな社会資源
の開発や必要な政策・制度の提言によって、その改善へと働きかけていく。また、様々な場で活躍
する看護職が結節点となり、組織を超えた多職種をつなぐネットワークづくりにも貢献する。看護
職は多職種連携のコーディネート力をさらに磨き、地域の人々の健康な暮らしをまもる。
⃝人口減少の局面において地域社会を維持していくためには、支え手と受け手の区別なく、住民も含
めて一人ひとりが役割を果たすことが求められる。看護職は人々にとって最も身近な医療専門職で
あるとともに、介護・福祉領域との関係も深い。地域では、介護職・福祉職をはじめ多様な職種の
連携により人々の生活は支えられる。各職種の専門性と医療とを結ぶ、これら連携のキーパーソン
としても看護職は活躍する。
⃝年代や健康状態を問わず、看護職が地域の住民から顔の見える存在、手の届く距離にいることで、
医療のみならずさまざまな生活支援のサービスへの架け橋となることができる。複雑・多重課題を
抱える人々には、健康の社会的決定要因(SDH)v の存在も踏まえ、医療に加え、高齢者介護、障
害者福祉、子育て支援、生活困窮等、制度や領域を超えての連携・支援が不可欠となる。看護は、
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