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「看護の将来ビジョン2040 ~いのち・暮らし・尊厳を まもり支える看護~」 (13 ページ)

公開元URL https://www.nurse.or.jp/home/about/vision/
出典情報 看護の将来ビジョン2040(6/12)《日本看護協会》
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2. 次なるビジョンへ、看護の変革

対象者の課題や困難を包括的に捉えて、地域の様々な専門職、専門機関、民間団体、そして地域住
民と連携しながら支援ができるよう、ネットワークづくり、コーディネートを担っていく。国籍・
言語や文化の違い、性自認など多様な価値観を認め、生き方を尊重し、住民の力も引き出しながら、
地域の健康を支えるために貢献する。

2)あるべき看護の実現に向けた戦略
看護が地域のあらゆる場で人々の傍にあり、
多様化する対象者と複雑化するニーズに応えていくには、
人間の生命と尊厳及び権利を尊重する高い倫理観22)はもとより、看護職一人ひとりの看護実践能力を
向上させ、自律した看護を展開することが欠かせない。その実現のため、人々にとって看護が常に身近
なものとなる地域における実践の場の創造、統合的な思考力、実践力の向上に向けた教育制度の改革、
すなわち看護師基礎教育4年制化、そして対象者の状況に応じた適時適切な看護の提供の可能性を広げ
るための取組みを推進する。

(1)質の高い看護実践のための教育制度改革の実現
⃝日々の看護実践を重ね、専門性を高めることで自身も成長し、対象者に資するより質の高い看護を
実現できる。このことは大きなやりがいであり、職業としての看護の魅力のひとつでもある。看護
職を目指す人々に目を向けると、少子化の中、現在の看護職養成数を維持するならば、2040年に
は18歳人口の12人に1人が看護職を選択することが必要だが23)24)、それを前提とすることは難し
い。労働人口の急減を迎えても、複雑な背景をもつ多くの患者、療養者のニーズに対応するために
は、看護職一人ひとりの能力を大幅に高めることが必須である。DXの発展によって補える部分が
あったとしても、対面で行う直接ケアが看護の本質を占めるものであることに変わりはない。また、
それらの先進的な技術を使いこなし、限られた人数でも効果的で質の高い看護を提供できるような
人材の養成を推進する。
⃝基礎教育、新人教育、生涯学習の各段階を通じて、教員や指導者の確保と資質向上を含め、シーム
レスに看護師を育成する体制を整備する。とりわけ、早期の離職防止や、現場での新人教育の負担
を軽減するためにも、より高い実践力を身に着ける基礎教育の充実・強化をはかる。具体的には、
基礎教育の演習・臨地実習における体験の蓄積に加え、在宅等の地域における医療・生活の複合
ニーズや家族への対応、そして医師の包括的指示や、遠隔医療の普及等に対応するための基盤とな
る能力を習得する。

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