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「看護の将来ビジョン2040 ~いのち・暮らし・尊厳を まもり支える看護~」 (5 ページ)

公開元URL https://www.nurse.or.jp/home/about/vision/
出典情報 看護の将来ビジョン2040(6/12)《日本看護協会》
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は じ め に
2015年の「看護の将来ビジョン」が前提としていた、地域包括ケアシステム a の構築、病院完結型
医療から医療・ケアと生活が一体化した地域完結型医療 b への転換は、約10年の時を経て着実に進んで
きた。その中にあって看護は、人々の地域での療養生活を支える最も身近な存在としてその役割を発揮
している。次なる照準となる2040年までに想定される社会、医療の変容を踏まえ、その変化に対して
看護が進むべき方向性、そのために何をすべきかをここに新たなビジョンとして提示する。
⃝2015年6月、日本看護協会は、2025年に向けた「看護の将来ビジョン~いのち・暮らし・尊厳を ま
もり支える看護~」を公表し、以来、その達成に取り組んできた。同ビジョンに示された「疾病をみ
る『医療』の視点だけではなく、生きていく営みである『生活』の視点をも持って“人”をみる」とい
う看護の専門職としての価値は、今後も揺るがざるものとして存在する。
⃝2040年は、生産年齢人口の急激な減少と85歳以上の高齢者の増加から、日本の社会保障改革の次な
る照準となる1)2)。地方では既に高齢化のピークを迎えるところもある中、都市部では今後急速に高
齢化が進み、日本社会、地域社会のすがたは大きく変わっていく3)4)。
⃝同時に、技術革新、とりわけデジタル技術やデータの活用によるDX(デジタル・トランスフォーメー
ション c )の進展は、人々を取り巻く環境や日々の暮らし、働き方に、これまでの価値観を超える、
先例のない状況をもたらす。また、人々の多様なあり方を互いに尊重し、支え合うことを重視するダ
イバーシティ d 並びにインクルージョン e の考え方が、社会の価値観として定着していく。
⃝求められる医療・介護 f のあり方も大きく変わる。その未到の変化は、看護職 g が人々の最も身近にい
る医療専門職として、その力を最大限に発揮し活躍の幅を広げる契機ともなる。あらゆる人々の健康
と生活を支えていくためには、これまでの習慣や既存の枠組みにとらわれず、今こそ大胆に発想を転
換する必要がある。
⃝私たち看護職が、引き続き人々のいのち・暮らし・尊厳をまもり支える看護を提供し、すべての人々
がその人らしく生涯を過ごすことのできる社会を実現するために、日本看護協会は、ここに新たなビ
ジョンを公表する。2040年に向けて、看護はこれからどのような役割を果たすべきか、そしてその
実現のために何をすべきか、看護の進む新たな方向性を看護職及び国民に明示し、すべての看護職に
その実現のための行動を喚起するとともに、国民の理解と協力を得ることを目指す。

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