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核酸等を用いる医療技術を用いて行われる再生医療等に関する再生医療等提供計画に添付する「提供する再生医療等の詳細を記した書類」に記載及び添付が必要な事項について[510KB] (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58780.html
出典情報 厚生科学審議会 再生医療等評価部会(第107回 5/13)《厚生労働省》
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第3

核酸等の特性解析と品質試験

再生医療等を受ける者に対して投与する最終産物に対して適切な試験を実施することが必
要である。実施すべき試験としては、安全性確保の観点で行う感染性因子の試験(無菌試験、
マイコプラズマ否定試験、迷入ウイルス試験など)や純度試験(エンドトキシンや製造工程
由来不純物)
、核酸等の特性を評価するための試験等が含まれる。試験の設定に当たっては、
限度値やその幅、あるいは他の規格値が含まれる。しかし、これらの規格値は、核酸等を用
いた医療技術の研究の進展にともない、より適切なものにしていくことが必要とされるもの
であり、再生医療等の提供を行う際には当該計画作成時点の最新の科学的知見に基づいた暫
定的な値を設定することで差し支えない。また、試験項目についても研究の進展に伴い、よ
り適切な試験の設定を考慮することが望ましい。
1 特性解析
核酸等の特性解析項目については技術ごとに個別に判断すること。
例えばウイルスベクターやプラスミドベクターを用いる場合は、導入遺伝子の配列、
その当該遺伝子の転写を制御する遺伝子本体部分から離れた領域(フランキング領域)
の配列として転写因子結合部位(プロモーター領域)や転写促進因子(エンハンサー領
域)の配列に加え、場合によっては当該ベクターの全塩基配列を確認することもある。
また、全塩基配列を確認しない場合でも、制限酵素切断マップの解析によりベクター全
体の構造が設計通りのものが得られていることを確認することにもつながる。標的細胞
で目的とする遺伝子の発現がどの程度期待されるのか、また、標的細胞以外の細胞での
発現性についても in vitro 試験で解析することもあり得る。標的細胞での導入遺伝子
の発現の持続性を解析することが必要な場合もある。
mRNA を用いる場合には、その安定性に関与する 5'末端のキャップ化率や 3'末端に存
在するポリ A 鎖の長さや含量、RNA 構造の完全性に関する試験を実施することが望まし
い。
ゲノム編集酵素を用いる場合には、タンパク質の構造特性の確認試験(例えば、ペプ
チドマップ解析、アミノ酸分析、質量分析等)や受容体結合能やシグナル伝達能、酵素
活性等の目的タンパク質の生物活性に関する試験を実施すること。
2 感染因子に関する試験
感染性因子については、細胞バンク、ウイルスシード、中間工程、最終製品の各段階
で適切に実施することが望ましい。無菌試験やマイコプラズマ否定試験は可能な限りヒ
トに投与する最終製品を対象として試験を実施することが望ましい。ウイルス試験では
培養工程以降ではウイルスの増幅が想定されないことから、バルクハーベストないし適
切な中間工程製品を対象として試験を実施する方が合理的な場合が多い。
(1) 無菌試験(細菌及び真菌に関する試験)
特定細胞加工物等の微生物学的安全性については、別途発出される予定の関連通知
を参照すること。具体的には、日本薬局方(以下「局方」という。
)無菌試験法(4.06)
が適用可能であればこれに準じて試験を行うことが望ましい。当該核酸等の特性から、
局方無菌試験法の適用が困難な場合には、局方無菌試験法を参考とし、それと同水準

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