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参考資料4 ヒト受精胚等へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議(再設置:第1回)の資料一式 ※参考資料1~3、8、9を除く (97 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27228.html
出典情報 ヒト受精胚等へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議(再設置第2回 8/3)《厚生労働省》《文部科学省》
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を認める法律が、平成 27 年 10 月に施行されている。
・治療法開発に向けた基礎的な研究については、日本以外では治療法を最終目的とした基礎的
研究という方向にも向かっている。ミトコンドリア病に対する核置換の場合、ゲノム編集で
はないのでオフターゲットの問題も少ないということで、更に臨床の場に近づいてきてい
る。

【社会的妥当性について】
ミトコンドリア病予防・治療研究のため、ヒト受精胚に核置換技術を用いる基
礎的研究の社会的妥当性については、タスク・フォースにおける主要知見等より、
以下のとおり考えられるのではないか。
(生命科学や医学の恩恵への期待)
○ミトコンドリア病は、代謝疾患や神経疾患など重篤な臨床症状の発症が多く、
かつ出生後の病態解明や治療が極めて困難な母系遺伝の難病であるとともに、
流産・死産の原因ともなっている。ミトコンドリア病研究目的において、病態
解明や治療法開発のためのヒト受精胚を用いた核置換技術による基礎的研究
には、当該技術を用いなければ得られない生命科学の進展または医学技術の
発展への期待を含め、社会的妥当性が認められると考えられる。
(臨床応用段階の課題)
○一方、核置換により、提供者の卵子又は受精胚に、第三者の卵子又は受精胚に
由来するミトコンドリアDNAが導入されることによる親子関係等の課題に
ついては、英国ヒト受精・胚機構(HFEA: Human Fertilization and Embryology
Authority)によるパブリック・コンサルテーションにおいて、ミトコンドリ
アドナーに由来するDNAは 0.054%に過ぎないこと、また、子どもの形質に
影響を与えるのはあくまでも核DNAであることが指摘されている。また、
研究に用いたヒト受精胚の取扱いを原始線条までに限定し、胎内移植及び出
産を前提としない基礎的研究の段階においては、倫理的課題として扱う必要
はないと考えられる。
【タスク・フォース会合における主要知見】
(生命科学や医学の恩恵への期待)
・ミトコンドリア病の発症は各組織における変異ミトコンドリアの量に依存し、代謝疾患(肝
機能不全等)、神経疾患(リー脳症等)、流産、死産など様々な重篤な症状を呈し得る。
・ミトコンドリア病の発症率は5千人に1人程度であり、様々な重篤な症状を呈する。
・核置換により、提供者の卵子又は受精胚に第三者の卵子又は受精胚に由来するミトコンドリ
アDNAが導入されることとなる。
・英国においては重篤なミトコンドリア病の予防のため、受精胚核置換及び卵子間核置換の臨
床利用を認める法律が、平成 27 年 10 月に施行されている。英国ではミトコンドリア提供
を必要とする女性は 150 人/年、そのうち提供を受けるのは数人~十数人。

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