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参考資料4 ヒト受精胚等へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議(再設置:第1回)の資料一式 ※参考資料1~3、8、9を除く (83 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27228.html
出典情報 ヒト受精胚等へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議(再設置第2回 8/3)《厚生労働省》《文部科学省》
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【タスク・フォース会合における主要知見】
(ヒト受精胚にゲノム編集技術等を用いることで知見が得られる可能性がある疾患例)
・Angelman 症候群、偽性副甲状腺機能低下症タイプ Ib、Silver‐Russell 症候群、Prader‐
Willi 症候群、Beckwith‐Wiedemann 症候群、網膜芽細胞腫等の疾患は、初期胚におけるイ
ンプリンティングが原因と考えられ、ヒト受精胚にゲノム編集技術を用いる研究を行うこ
とが発症原因解明や治療法の開発に繋がる可能性がある。
・遺伝性疾患の中には、ライソゾーム病等治療法が開発されていない疾患もある。
・優性遺伝病 (ハンチントン舞踏病、筋強直性ジストロフィーなど)については、現在の遺
伝子治療法では対処できていない。これらが対象疾患になる可能性が考えられる。
・体細胞治療では難しいもの(複数臓器の障害、発生初期・新生児期の死亡)にゲノム編集は有
効と思われる。
・日本学術会議提言においては、着床前診断が有効でない常染色体優性遺伝疾患のホモ接合体
の親に対する治療や重篤なミトコンドリア病の子どもへの遺伝予防を目的とする治療の場
合の子どもの福祉を考慮した生殖医療、また、原因遺伝子が明らかになった疾患を対象に、
受精胚や生殖細胞においてそれらの遺伝子変異を修復する研究が例示されている。また、英
国ナフィールド生命倫理評議会報告書においては、ヒト受精胚へのゲノム編集技術の使用
が想定される疾患例として、ハンチントン病などの優性遺伝の遺伝的疾患で、片方の親が疾
患をもたらす遺伝子のコピーを2つ持っている場合や、嚢胞性線維症や鎌状赤血球症とい
った劣性遺伝の遺伝的疾患で、両方の親が疾患をもたらす遺伝子のコピーを2つ持ってい
る場合が挙げられている。
・日本学術会議提言(平成 29 年 9 月)に基づき、ヒト生殖細胞・受精胚へのゲノム編集技術
の使用について、直截に人の子宮に遺伝子改変した胚を移植するようなことを目指す基礎
研究というのは控えるべきであるが、そういうことを目指さないこのような科学的な研究
については、公開の場での研究目的の正当性というのを慎重に確かめた上で容認すること
はできるのではないか。
(代替不可能性)
・遺伝性・先天性疾患研究については、例えば神経疾患の病態モデルとして、ゲノム編集技術
を用いて遺伝子変異を導入したiPS細胞を神経細胞に分化誘導し、変異の有無で原因の
解明や創薬応用を目指す研究が実施されている。
・ゲノム編集による臨床応用については、子宮内遺伝子治療など他の治療法の可能性について
も留意が必要。
・ヒトとマウスでは初期胚における遺伝子発現が大きく異なる。
・オフターゲット切断リスクなどは動物種や細胞種により異なるため、ヒト余剰胚の活用が期
待される。
(遺伝性・先天性疾患研究の範囲)
・海外では、病態解明等と並行して、ゲノム編集技術等の関連技術精度を高めるための研究や
技術の評価手法の検討などを目的とする研究が行われている。
・ヒト受精胚はその生物学的な基本的特性がほとんど未解明であり、具体的な遺伝性・先天性
疾患の病態解明に資するかどうかを現時点で見極めることは困難である。
・あらかじめ特定の遺伝子に限定するのではなく、遺伝子を網羅的に解析して全体像を理解す
る基盤的な研究を行うことにより、様々な疾患に対する病態解明に関する知見が得られる
可能性がある。
・ヒト受精胚の発生初期に生じる染色体異常の頻度は高く、卵割開始後に染色体異常が生じや
すい理由、染色体異常が生じた卵割球が失われていく仕組みなど、そのメカニズムの解明に
ついては生殖補助医療目的の基礎研究と目的が重複する。

「重篤な遺伝性疾患」で思い浮かべるものは人(一般市民)によって異なり、医師において
も専門領域(例:産婦人科、小児科、神経内科)によって異なる。また、同一疾患において
も病態の多様性がある(例えば 18 トリソミーは産科領域から小児科領域にまたがる。)た

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