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参考資料4 ヒト受精胚等へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議(再設置:第1回)の資料一式 ※参考資料1~3、8、9を除く (42 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27228.html
出典情報 ヒト受精胚等へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議(再設置第2回 8/3)《厚生労働省》《文部科学省》
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とは限らず、現在の医療研究の実情を踏まえれば、少なくとも動物モデルで得た
知見の適応検証等のために、人もしくは人の組織等を使用しなければならないこ
とから、人クローン胚を用いた研究が必要となると考えられる。このため、再生
医療技術の研究に関して、臨床応用を含まない、難病等に関する治療のための基
礎的な研究に限定して、人クローン胚の作成方法、培養法、SCNT-ヒトES
細胞の分化等に関する研究を行なうことについては、科学的合理性が認められる
と考えられる。
他方、比較対照となる動物での研究、ES細胞の研究が臨床応用まで十分検証
されているとはいえないことから、臨床応用については更なる知見の集積を待ち、
安全性の十分な確認の後に開始する必要があると考える。


社会的妥当性
パーキンソン病、Ⅰ型糖尿病や脊髄損傷等、現在は根治療法が無い様々な疾患

や障害を抱え苦しむ多くの人々に治療法を提供することには、十分な社会的妥当
性が認められると考える。
問題は、体性幹細胞の利用等、人クローン胚を用いない方法にも可能性がある
段階で、あえて人クローン胚の作成・利用を行なうことに社会的妥当性が有るか
という点である。この点に関し、人クローン胚の作成を可能な限り回避し、人ク
ローン胚を用いない方法の可能性を追及した上で人クローン胚の研究に着手し
なければならないこととすることも考えられるが、治療法を提供できる時期がそ
の分遅くなることも考えられ、患者のより早期の救済という社会理念に照らせば、
望ましい選択とは考え難い。これに対し、人クローン胚の研究について、臨床応
用を含まない、難病等に関する医療のための基礎的な研究に限って扉を開き、必
要な規制を整備するとともに、その時代の生命倫理観等への社会的影響を慎重に
検討しつつ、段階的に研究を進めることとすれば、患者のより早期の救済への期
待に応えつつ、人クローン胚の作成・利用に対する社会の懸念にも応え得る。中
間報告書に対するパブリックコメントの結果等をも踏まえれば、このような社会
選択には、十分な社会的妥当性が認められると考える。
(3)特に考慮すべき事項


未受精卵等の入手の制限及び提供女性の保護
人クローン胚の作成・利用では、必ず未受精卵を使用するが、現在の核移植技

術では、ヒト受精胚の場合に比べてより多くの未受精卵が必要である。このため、
人クローン胚の作成・利用のための未受精卵の採取や入手は、その影響がヒト受
精胚の場合より大きいものと考えられ、人間の道具化・手段化の懸念をもたらさ
ないよう特に留意する必要があり、より厳しく制限されるべきである。
いわゆる無償ボランティアからの未受精卵の採取については、これを認めた場
合、提供する女性の肉体的侵襲や精神的負担が伴うだけでなく、人間の道具化・
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