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・資料No1-1~1-5_第十八改正日本薬局方第一追補(案) (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174942_00007.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会(令和4年度第1回 7/26)《厚生労働省》
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12 一般試験法 2.22 蛍光光度法

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第十八改正日本薬局方第一追補

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8. 用語
クロマトグラフィー総論〈2.00〉の定義に従う.

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9. 注意

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標準被検試料,内標準物質,試験に用いる試薬及び試液は測

一般試験法の部

2.22

2.22 蛍光光度法の条を次のように改める.

蛍光光度法は,蛍光物質の溶液に特定波長域の励起光を

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照射するとき,放射される蛍光の強度を測定する方法であ

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る.この方法はリン光物質にも適用される.
蛍光強度F は ,希薄溶液では,溶液中の蛍光物質の濃度c

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及び層長l に比例する.

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F =kI0φεcl

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k:比例定数

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I0:励起光の強さ

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φ:蛍光量子収率又はリン光量子収率

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蛍光量子収率又はリン光量子収率
蛍光量子又はリン光量子の数
吸収した光量子の数

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一般試験法の部 2.26 ラマンスペクトル測定法の次に次の

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二条を加える.

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2.27

近赤外吸収スペクトル測定法

蛍光光度法

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蛍光強度は溶液の濃度,温度,pH,溶媒又は試薬の種類及
びそれらの純度などによって影響されることが多い.

定の妨げとなる物質を含まないものを用いる.
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3. 注意



ε:励起光の波長におけるモル吸光係数
1. 装置

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近赤外吸収スペクトル測定法は,試料による近赤外領域にお

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ける光の吸収スペクトルを測定し,その解析を行うことにより,

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物質の定性的又は定量的評価を行うための分光学的方法の一つ

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である.

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近赤外線は,可視光線と赤外線の間にあって,通例,750 〜

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2500 nm (13333 〜 4000 cm-1)の波長(又は波数)範囲の光を指

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す.近赤外線の吸収は,主として赤外領域 2500 〜 25000 nm

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(4000 〜 400 cm-1)における基準振動の倍音又は結合音による

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振動によって生じ,特に水素原子が関与するO−H,N−H,C

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−H,S−Hによる吸収が主である.

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近赤外域における吸収は,赤外域における基準振動による吸

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収よりもはるかに弱い.また,近赤外線は,可視光線と比較し

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て長波長であることから,光は粉体を含む固体試料中,数mm

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の深さまで侵入することができる.この過程で吸収される光の

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スペクトル変化(透過光又は反射光)より,試料に関わる物理的

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及び化学的知見が得られることから,本法は,非破壊分析法と

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しても広く活用されている.

通例,分光蛍光光度計を用いる.

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近赤外吸収スペクトル測定法は,既存の確立された分析法に

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光源としてはキセノンランプ,レーザー,アルカリハライド

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代えて,迅速かつ非破壊的な分析法として用いられるものであ

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ランプなど励起光を安定に放射するものを用いる.蛍光測定に

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り,この分析法を品質評価試験法として管理に用いる場合,既

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は,通例,層長1 cm×1 cmの四面透明で無蛍光の石英製セル

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存の分析法を基準として比較試験を行うことにより,その同等

を用いる.

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性を確認しておく必要がある.

2. 操作法

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本法を応用し,原薬及び製剤中の有効成分,添加剤又は水分

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励起スペクトルは,分光蛍光光度計の蛍光波長を適切な波長

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について,定性的又は定量的評価を行うことができる.また,

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に固定しておき,励起波長を変化させて試料溶液の蛍光強度を

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結晶形,結晶化度,粒子径などの物理的状態の評価に用いるこ

測定し,励起波長と蛍光強度との関係を示す曲線を描くことに

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ともできる.さらに光ファイバーを用いることにより,装置本

よって得られる.また,蛍光スペクトルは,適切な波長に固定

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体から離れた場所にある試料について,サンプリングを行うこ

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した励起光を蛍光物質の希薄溶液に照射して得られる蛍光を,

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となくスペクトル測定が可能であることから,医薬品の製造工

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少しずつ異なった波長で測定し,波長と蛍光強度との関係を示

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程管理をオンライン(又はインライン)で行うための有力な手段

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す曲線を描くことによって得られる.必要ならば,装置の分光

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としても活用することができる.

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特性を加味したスペクトルの補正を行う.

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1. 装置

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蛍光強度は,通例,蛍光物質の励起及び蛍光スペクトルの極

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大波長付近において測定するが,蛍光強度は僅かな条件の変化

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びフーリエ変換近赤外分光光度計がある.

に影響されるので比較となる標準の溶液を用いる.

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1.1. 分散型近赤外分光光度計

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別に規定するもののほか,医薬品各条に規定する方法で調製

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した標準溶液及び試料溶液並びに対照溶液につき,次の操作を

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光路に置き,蛍光強度が60 〜 80%目盛りを示すように調整す

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る.次に,試料溶液及び対照溶液の蛍光強度(%目盛り)を同じ

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近赤外分光光度計には,主として分散型近赤外分光光度計及

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装置は,光源部,試料部,分光部,測光部,信号処理部,デ

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ータ処理部及び表示・記録・出力部より構成されている.光源

行う.励起波長及び蛍光波長を規定する測定波長に固定し,次

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には,ハロゲンランプ,タングステンランプ,発光ダイオード

にゼロ点を合わせた後,標準溶液を入れた石英セルを試料室の

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など,近赤外線を高輝度かつ安定に放射するものが用いられる.

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試料部は,試料セル及び試料ホルダーより構成される.光ファ

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イバー及びコリメーターなどより構成される光ファイバー部を

条件で測定する.波長幅は,特に規定するもののほか適当に定

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有する装置においては,分光光度計本体から離れた場所に設置

める.

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された試料部に光を伝送する機能が付与されている.光ファイ

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バーの材質としては,通例,石英が用いられる.

日本薬局方の医薬品の適否は,その医薬品各条の規定,通則,生薬総則,製剤総則及び一般試験法の規定によって判定する.(通則5参照 )