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【資料No.1】★審査報告書 (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26901.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第3回 7/20)、医薬品第二部会(令和4年度第6回 7/20)(合同開催)《厚生労働省》
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機構は、カニクイザルを用いた反復投与毒性試験で認められた当該毒性所見について、以下のように
考える。
カニクザイルに当該毒性所見に対する本薬の無毒性量を投与した場合の本薬の血漿中曝露量とヒトに
おける本剤投与時の本薬の血漿中曝露量を比較した場合、一定の安全域を有していること(5.2 参照)、
臨床試験において、炎症に関連する臨床検査マーカーの変動が認められていないことを踏まえると、現
時点でただちに安全性上の懸念となる状況ではないと考える。ただし、本薬投与による当該毒性所見の
発現機序は不明であり、通常の臨床試験では全身の器官・組織を対象とした組織学的な検査は実施でき
ないことから、ヒトへの外挿性を正確に検討することは困難であり、本剤が承認される場合には、認め
られた毒性所見について添付文書にて情報提供を行う必要がある。

5.R.5

血液凝固及び易出血性への影響について

申請者は、カニクイザルを用いた反復投与毒性試験で認められた PT 及び APTT の延長、血小板数減
少及び全身の器官・組織における出血性病変のヒトへの安全性について以下のように説明している。
PT 及び APTT の延長について、死亡例で変化が認められていることから、一般状態の悪化等による摂
餌量減少に伴うビタミン K 不足や肝臓における血液凝固系因子産生障害等により生じた可能性が考え
られる。さらに、副次的薬理試験(3.2.1 参照)において、PT 及び APTT 延長に関連する変化は認められ
ていない。血小板数減少について、本薬投与に関連する毒性所見であると考えられるが、その発現機序
は不明である。一方、臨床試験において、本薬投与に関連した PT 及び APTT 延長及び血小板数減少は
認められず、全身性の多発性出血を示唆する有害事象の発現は認められていないことから(7.1.1、7.1.2
参照)、臨床使用時に安全性上の問題が生じる可能性は低いと考える。
機構は、以下のように考える。
本薬による PT 及び APTT の延長の発現機序に関する申請者の説明は理解可能である。血小板数減少
及び出血性病変は、一般状態の悪化を示さない個体でも認められ、その発生機序が不明であることを踏
まえ、当該毒性所見のヒトでの安全性については、臨床試験における出血に関連する有害事象の発現状
況を踏まえて検討する必要があると考える(7.R.3 参照)。

5.R.6

胚・胎児への影響について

申請者は、胚・胎児への影響について、以下のように説明している。
ウサギを用いた胚・胎児発生に関する試験において認められた軸骨格の奇形について、ラットを用い
た胚・胎児発生に関する試験では当該毒性所見は認められておらず、3CL プロテアーゼ阻害作用による
影響を示唆する情報はないことから、ヒトへの影響が明確ではない。海外のガイドライン36)に基づくと
「妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与しないことが望ましい」に該当することから、添付文
書において、その旨の注意喚起を行う。
機構は、以下のように考える。

36)

GUIDELINE ON RISK ASSESSMENT OF MEDICINAL PRODUCTS ON HUMAN REPRODUCTION AND LACTATION: FROM DATA TO
LABELLING:https://www.ema.europa.eu/en/documents/scientific-guideline/guideline-risk-assessment-medicinalproductshuman-reproduction-lactation-data-labelling_en.pdf(最終確認日:2022 年 6 月 7 日)

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ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書

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