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総-2個別事項について(その13)精神医療➁ (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66697.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第633回 12/5)《厚生労働省》
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公認心理師による心理支援の効果に関する研究


精神科外来に通院中の神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害(ICD-10にお
けるF40-F48)等の患者に対し、通院精神療法に加えて公認心理師による心理支援を導入した
場合、患者の状態のさらなる改善が認められ、より効果的な通院精神療法の実施に寄与した。

公認心理師による心理支援の効果に関する研究
方 法
➢ 精神科外来に通院中の神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害(F40-F48)等の患者で、公認心理師による心理的支援が必要と
医師が判断し、通院精神療法に加えて心理的支援が実施された群(心理的介入群:59例)と、心理支援が必要と医師が判断したが患者の都合
により通院精神療法のみ実施された群(通常治療群:38)について、支援の前後のCGI-S(臨床全般重症度)と、支援実施後のCGI-
I(臨床全般改善度)を比較した。
➢ 公認心理師による心理支援:精神疾患を持つ患者に対し、不安の軽減・解消、自己・疾患理解の促進、症状等の緩和・軽減、対処スキルの向上、
自己効力感回復等を目的とし、必要に応じて心理療法の理論や技法に基づくアプローチ等を組み合わせて実施
➢ 平均診察回数:心理的介入群19.86±4.32回、通常治療群17.05±6.79回
○CGI-Sの分析結果
CGI-Sについて、心理的介入群と通常治療群(実験参加者間要因)、治療介入前
後(実験参加者内要因)の2要因混合分散分析を行った結果、心理的介入群*通常治
療群の交互作用が有意であった(F(1,95)=27.9, p<.001)(表1)。
平方和SS 自由度1 自由度2 2乗平均
治療群
介入前後
治療群*介入前後

33.7
25.1
14.1

1
1
1

95
95
95

33.74
25.05
14.08

F値

p値

16 <.001***
49.7 <.001***
27.9 <.001***

▲表1 2要因分散分析の結果

***
4.00

下位検定を行った結果、介入前の心理
的介入群と通常治療群のCGI-Sに有
意差はなかった。介入後のCGI-Sは、 2.00
心理的介入群と通常治療群の間に有意差
が得られた(t(95)=5.48, p<.001)。
さらに効果量は1.22であり、大きいと言 0.00
える。
図1介入前後における2群間のCGI-Sの差

出典:国立精神・神経医療研究センター

4.42

4.12

○CGI-Iの分析結果
t検定を行ったところ、心理的介入群と通
常治療群に.05水準で有意差が認められた
(t(95)=8.64, p<.001)(図2)。効果
量は1.80であり、非常に大きな効果が認
められた。

***

4.00
3.00

3.71

2.00

4.24
2.83

2.15

1.00
0.00
通常治療群

介入前CGI-S

通常治療群

心理的介入群

介入後CGI-S

心理的介入群

▲図2

2群間の介入後のCGI-Iの差

35