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65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第7版) (7 ページ)
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出典情報 | 65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第7版)(9/30)《日本呼吸器学会》 |
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身性反応ともに同等で、重篤な副反応は少なかった。免疫原性については PCV13 含
有血清型、追加7血清型のいずれにおいても、肺炎球菌ワクチン接種歴(PPSV23,
PCV13, PCV13/PPSV23)にかかわらず PCV20 の高い免疫原性が示された。
2 つ目は米国とスウェーデンで、60 歳以上、 50–59 歳、18–49 歳の 3 つの年齢層
を対象に実施された 19)。3 つの年齢層いずれにおいても PCV20 の副反応の頻度は
PCV13、 PCV13/PPSV23 と同程度であり、高い忍容性が認められた。免疫原性につい
ては 60 歳以上の症例において、PCV20 群で、全ての PCV13 含有血清型は PCV13 群よ
りもわずかに低かったものの非劣性で、追加 7 血清型のうち 6 血清型で
PCV13/PPSV23 に対して非劣性であることが示された。なお、50–59 歳、18–49 歳の
年齢層において、60-64 歳の年齢層と比較して 20 種類全ての血清型で非劣性が示
された。
3 つ目は日本、台湾、韓国で 60 歳以上の高齢者を対象に実施された試験で、PCV20
は PCV13 と比較して、副反応は局所反応、全身性反応ともに同等で、重篤な副反応
はいずれも少なかった 20)。免疫原性に関して PCV20 は PCV13 と比較して全ての PCV13
含有血清型で非劣性であり、PCV13/PPSV23 と比較して追加 7 血清型のうち 6 血清
型で非劣性であった。
前述の第 30 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会
ワクチン評価に関する小委員会において、「成人用肺炎球菌ワクチンファクトシー
ト」に基づいた議論が行われた結果、高齢者への肺炎球菌ワクチンの定期接種とし
て、PCV20 を使用することに合意が得られた 2)。
4)PCV21 について
PCV7 が小児定期接種ワクチンに導入されて以降、その間接効果として成人におけ
る PCV7 血清型の IPD 症例の報告数が減少している。最近の 65 歳以上の IPD 症例に
占める PCV7 血清型の割合は米国で 4%、日本で 6%であった 21,22)。一方、小児定期接
種ワクチンの PCV13 への切り替え後に発生した血清型置換により、65 歳以上の非
ワクチン血清型による IPD 症例の増加が顕著になっている。このような背景から、
小児肺炎球菌ワクチンプログラムが成熟した国々における成人 IPD および肺炎の予
防を目的として 21 価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV21)が開発された。
次ページの表 1 に示すように、PCV21 には PCV7 血清型が含有されていない。含有
される血清型は、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、 15A、15C(15B の O-脱アセ
チル化体)、16F、17F、19A、20A、22F、23A、 23B、24F、31、33F、35B である。
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有血清型、追加7血清型のいずれにおいても、肺炎球菌ワクチン接種歴(PPSV23,
PCV13, PCV13/PPSV23)にかかわらず PCV20 の高い免疫原性が示された。
2 つ目は米国とスウェーデンで、60 歳以上、 50–59 歳、18–49 歳の 3 つの年齢層
を対象に実施された 19)。3 つの年齢層いずれにおいても PCV20 の副反応の頻度は
PCV13、 PCV13/PPSV23 と同程度であり、高い忍容性が認められた。免疫原性につい
ては 60 歳以上の症例において、PCV20 群で、全ての PCV13 含有血清型は PCV13 群よ
りもわずかに低かったものの非劣性で、追加 7 血清型のうち 6 血清型で
PCV13/PPSV23 に対して非劣性であることが示された。なお、50–59 歳、18–49 歳の
年齢層において、60-64 歳の年齢層と比較して 20 種類全ての血清型で非劣性が示
された。
3 つ目は日本、台湾、韓国で 60 歳以上の高齢者を対象に実施された試験で、PCV20
は PCV13 と比較して、副反応は局所反応、全身性反応ともに同等で、重篤な副反応
はいずれも少なかった 20)。免疫原性に関して PCV20 は PCV13 と比較して全ての PCV13
含有血清型で非劣性であり、PCV13/PPSV23 と比較して追加 7 血清型のうち 6 血清
型で非劣性であった。
前述の第 30 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会
ワクチン評価に関する小委員会において、「成人用肺炎球菌ワクチンファクトシー
ト」に基づいた議論が行われた結果、高齢者への肺炎球菌ワクチンの定期接種とし
て、PCV20 を使用することに合意が得られた 2)。
4)PCV21 について
PCV7 が小児定期接種ワクチンに導入されて以降、その間接効果として成人におけ
る PCV7 血清型の IPD 症例の報告数が減少している。最近の 65 歳以上の IPD 症例に
占める PCV7 血清型の割合は米国で 4%、日本で 6%であった 21,22)。一方、小児定期接
種ワクチンの PCV13 への切り替え後に発生した血清型置換により、65 歳以上の非
ワクチン血清型による IPD 症例の増加が顕著になっている。このような背景から、
小児肺炎球菌ワクチンプログラムが成熟した国々における成人 IPD および肺炎の予
防を目的として 21 価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV21)が開発された。
次ページの表 1 に示すように、PCV21 には PCV7 血清型が含有されていない。含有
される血清型は、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、 15A、15C(15B の O-脱アセ
チル化体)、16F、17F、19A、20A、22F、23A、 23B、24F、31、33F、35B である。
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