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65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第7版) (3 ページ)

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出典情報 65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第7版)(9/30)《日本呼吸器学会》
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1. はじめに
2014 年 10 月 1 日より 23 価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23; ニ
ューモバックス ○R NP)の成人を対象とした予防接種法に基づく定期接種(B 類疾病)
が開始され、65 歳の者及び 60 歳以上 65 歳未満で日常生活が極度に制限される程
度の基礎疾患を有する者等を対象に、PPSV23 を 1 回接種することとなった。また、
2014 年 10 月〜2024 年 3 月までの期間に、5 年間の経過措置が 2 回、計 10 年間実施
され、各年度に 65 歳、70 歳、75 歳、80 歳、85 歳、90 歳、95 歳および 100 歳とな
る者が接種対象となった。その後、2024 年度からは 65 歳の者及び 60 歳以上 65 歳
未満で日常生活が極度に制限される程度の基礎疾患を有する者を対象に PPSV23 に
よる定期接種が継続されることとなった 1)。
これまでに日本呼吸器学会 感染症・結核学術部会ワクチン WG 及び日本感染症学
会ワクチン委員会は合同委員会を組織し、「65 歳以上の成人に対する肺炎球菌ワク
チン接種の考え方」
(以下、
「考え方」とする)を実地臨床医家に対し公表してきた
(2015 年 1 月に第1版、2017 年 10 月に第 2 版、2019 年 10 月に第 3 版、2023 年 3
月に第 4 版、2024 年 4 月に第 5 版、2024 年 9 月に第 6 版)。なお、第 4 版からは日
本ワクチン学会も加わり合同で公表した。2024 年 10 月から 20 価結合型肺炎球菌
ワクチン(PCV20)が小児定期接種ワクチンとなり、2025 年 7 月 4 日に開催された
第 30 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン
評価に関する小委員会において、20 価結合型肺炎球菌ワクチン(PCV20,商品名プレ
ベナー20®)が高齢者定期接種ワクチンとして位置づけられる方針が決定された 2)。
さらに、2025 年 8 月に 21 価結合型肺炎球菌ワクチン(PCV21,商品名キャップバッ
クス®)が国内で高齢者とハイリスク者に対して薬事承認されたことを受け、
「考え
方」第 7 版を公表する。
2.

PPSV23 による定期接種

1)PPSV23 の有効性
65 歳以上を対象とする PPSV23 による定期接種が開始されてから 11 年が経過し、
この間に PPSV23 の効果に関する複数のエビデンスが報告されている。
「考え方」第3版において、65歳以上の高齢者における市中発症肺炎を対象とし
たtest-negative designを用いた多施設、前向き共同研究によりPPSV23ワクチン
効果の推定値が報告された。PPSV23接種のすべての肺炎球菌性肺炎に対する効果
は27.4%,ワクチン血清型の肺炎球菌性肺炎に対する効果は33.5%であった3)。わ

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