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65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第7版) (10 ページ)

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出典情報 65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第7版)(9/30)《日本呼吸器学会》
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あるいは接種歴が不明で 19〜64 歳の慢性疾病のある成人に対して PCV15-PPSV23 の
連続接種を推奨した 17)。
最近、国内の 65 歳以上を対象とし、PCV13-PPSV23 の連続接種の間隔が半年と 1
年の場合の PPSV23 接種後の抗体応答の違いが報告された 30)。本研究では、両ワク
チンに共通する 12 血清型のうち 8 血清型の抗体が測定された。その結果、1 年間隔
の連続接種が 8 血清型の全てにおいて顕著にオプソニン活性が増加し、半年間隔で
は 4 血清型でのみ増加した。ワクチン関連の有害事象は注射部位の疼痛、腫脹であ
り大半は 2〜3 日で軽快した。ワクチン接種に関連する死亡を含む重篤な事象は認
められなかった。また、半年および 1 年の接種間隔による有害事象の頻度の違いは
認められなかった。PCV13-PPSV23 の連続接種では、半年より 1 年の接種間隔のほう
が、より高いブースター効果を獲得できることが示唆された。
また、肺炎球菌ワクチン未接種の 50 歳以上を対象として、PCV15-PPSV23 と PCV13PPSV23 の連続接種(接種間隔は 12 ヵ月)の安全性と免疫原性に関する無作為比較
試験が実施された 31)。本試験において、ワクチン接種後の最も頻度の高い有害事象
は接種部位の疼痛であった。重度の有害事象は希であり、ワクチン関連死も認めら
れなかった。PCV15-PPSV23 群と PCV13-PPSV23 群間のワクチン接種 30 日後と 12 ヵ
月後の免疫原性は共通する 13 血清型については同等で、PCV15 に特異的な血清型
(22F、33F)では PCV15-PPSV23 群が高かった。50 歳以上の健常者における PCV15PPSV23 連続接種の忍容性が認められ、連続接種後の免疫原性も PCV13-PPSV23 と同
等であったと結論されている。
さらに、最近、韓国から 65 歳以上の肺炎球菌ワクチン未接種者における PCV13PPSV23 連続接種の肺炎球菌性肺炎に対する有効性が報告された 32)。多施設前向き
test-negative design による研究が 1,525 例の市中肺炎の入院例を対象に実施さ
れ、167 例の肺炎球菌性肺炎が検出された。65 歳以上の肺炎球菌性肺炎に対する
PCV13、PPSV23 の調整後の有効率は 40%、11%であったのに対し、65〜74 歳の肺炎
球菌性肺炎に対する PCV13-PPSV23 の連続接種による調整後のワクチンの有効性は
80.3%と高かった。本研究は PCV-PPSV23 の連続接種によるリアルワールドにおけ
るワクチンの有効性を示した最初の研究である。
5.PPSV23 と PCV15 の連続接種時の接種間隔
1)PCV15 接種後の PPSV23 の接種間隔
PCV15 と PPSV23 の接種間隔については、その安全性と両ワクチンに共通な血清

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