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資料6-2_三浦構成員提出資料2 (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64121.html |
出典情報 | 小児医療及び周産期医療の提供体制等に関するワーキンググループ(第1回 10/1)《厚生労働省》 |
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除く長崎県内では、少なくとも産婦人科専攻医 8 名(31/4=7.75)の人材確保が必要である。また、離島医療を担う産婦人科医は 8
名必要であり、今後 7 名の産婦人科専攻医の確保が必要である。もし確保できない場合、離島における病診連携や本土への母体
搬送体制の見直しが必要とされ、分娩数の少ない離島では妊婦健診のみを行い分娩取り扱いを停止し、分娩周辺期の妊婦を本
土へ移動させるなど医療支援体制の再構築が必要になる。離島医療を担う産婦人科医の人材確保には、長崎県で毎年 1 名ずつ
の産婦人科専攻医を確保していく医療政策の策定が望まれる。
以上より、長崎県内(離島を含む)の産婦人科専攻医は毎年 9 名以上の確保が必要である。ただし、医師の働き方も社会背景
に合わせて時短勤務やパート勤務など多様になり、地域医療に必要とされるマンパワーを医師数のみで計算することが難しくなっ
ている。したがって、上記は必要最小限の数値目標である。
●都市部と地方の現状のまとめと対策
東京都においては 医師数は確保されてはいるが、保育所(特に病児・夜間保育など)の数が不十分であり、産婦人科医が育
児や介護など家庭生活と両立を可能とするためのインフラ整備は大きな課題である。
北海道や長崎県など地方においては積雪や離島など気象・地理的アクセス条件をふまえた人員配置を考える必要がある。地
方では新規専攻医の確保が難しく、現時点で地域医療を支えているシニア世代の勤務医のリタイアが見込まれるなかで、地方
における産婦人科医不足はきわめて深刻である。 目標とする人員確保の達成見込みがなければ、 アクセスにある程度不便
が生じるとしても施設の集約化・重点化は不可欠であり、そのためには学会だけではなく行政、住民含め関係者が真剣に、地
域で安心して周産期医療、婦人科診療が受けられる体制作りのための取組みを開始していかなければならない。
地域の産婦人科医療提供体制の抜本的見直し(集約化と重点化)のために
◼ まずは各都道府県や市町村との連携を開始
グランドデザイン 2015 で掲げた「地域基幹分娩取扱病院重点化プロジェクト」2)は、地域の現状を把握したうえで基幹となる周
産期母子医療センターを中心とした施設の大規模化・重点化を図り診療所や小規模施設との連携強化を推進することで地域の
分娩環境の確保を目指してきた。これの実現のためには自治体との連携が必須だが、残念ながら実際に議論を行い取組んで
いるのはまだごく限られた地域に過ぎず、ほとんどの地域でこの問題の深刻さについての理解が乏しいのが現状である。
働き方改革を契機とした今こそ、自治体と密な連携を進める絶好のチャンスである。実際に各地域の基幹大学の教授が自治
体や関連病院の院長らとの意見交換会や地域医療協議会へ参加するなど、将来を見据えた取組みが行われつつある。これは
全ての都道府県において早急に行われるべきあり、好事例を共有しながら全国一丸となって進めていく必要がある。
◼ 地域住民との準備、意識改革
集約化と重点化を図るための具体的な施策の一例として、 地域の実情に応じて健診、分娩、産後ケアを機能分担して提供す
ることが挙げられる。医療圏ごとに大規施設へマンパワーを集約することで、 夜間休日も安全で質の高い周産期医療を提供す
ることが可能となる。健診や産後ケアは連携施設で行うことで、より利便性が高くなる。大規模施設までのアクセスが不便になる
ケースにおいて、交通・宿泊費に関しては自治体が支援するような体制を構築することが望まれる。
これまでの本邦における妊娠・分娩管理はほとんどの場合、同一施設で行われてきた。このことは妊産婦・住民にとって当然
のこととされ、同じ施設、同じ先生にずっと診てもらうのが安心と考えられてきたが、法令遵守のみならず医療安全、医療の質
の向上の観点からも、これからの医療提供の
としてチーム診療を推進していくべきである。体制の急激な変化はできるだけ
避けたほうがよいが、残された時間はもう長くない。このためには当事者である妊産婦、地域住民に丁寧に説明し意見を聴取
するための意見交換会を各都道府県が主導して設置・開催していく必要がある。自治体、医療機関間の連携強化はもちろんの
こと、 少子高齢化社会における周産期医療体制のあり方についてすべての国民が議論に参加し、よりよい体制作りを進めて
いかなければならない。
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名必要であり、今後 7 名の産婦人科専攻医の確保が必要である。もし確保できない場合、離島における病診連携や本土への母体
搬送体制の見直しが必要とされ、分娩数の少ない離島では妊婦健診のみを行い分娩取り扱いを停止し、分娩周辺期の妊婦を本
土へ移動させるなど医療支援体制の再構築が必要になる。離島医療を担う産婦人科医の人材確保には、長崎県で毎年 1 名ずつ
の産婦人科専攻医を確保していく医療政策の策定が望まれる。
以上より、長崎県内(離島を含む)の産婦人科専攻医は毎年 9 名以上の確保が必要である。ただし、医師の働き方も社会背景
に合わせて時短勤務やパート勤務など多様になり、地域医療に必要とされるマンパワーを医師数のみで計算することが難しくなっ
ている。したがって、上記は必要最小限の数値目標である。
●都市部と地方の現状のまとめと対策
東京都においては 医師数は確保されてはいるが、保育所(特に病児・夜間保育など)の数が不十分であり、産婦人科医が育
児や介護など家庭生活と両立を可能とするためのインフラ整備は大きな課題である。
北海道や長崎県など地方においては積雪や離島など気象・地理的アクセス条件をふまえた人員配置を考える必要がある。地
方では新規専攻医の確保が難しく、現時点で地域医療を支えているシニア世代の勤務医のリタイアが見込まれるなかで、地方
における産婦人科医不足はきわめて深刻である。 目標とする人員確保の達成見込みがなければ、 アクセスにある程度不便
が生じるとしても施設の集約化・重点化は不可欠であり、そのためには学会だけではなく行政、住民含め関係者が真剣に、地
域で安心して周産期医療、婦人科診療が受けられる体制作りのための取組みを開始していかなければならない。
地域の産婦人科医療提供体制の抜本的見直し(集約化と重点化)のために
◼ まずは各都道府県や市町村との連携を開始
グランドデザイン 2015 で掲げた「地域基幹分娩取扱病院重点化プロジェクト」2)は、地域の現状を把握したうえで基幹となる周
産期母子医療センターを中心とした施設の大規模化・重点化を図り診療所や小規模施設との連携強化を推進することで地域の
分娩環境の確保を目指してきた。これの実現のためには自治体との連携が必須だが、残念ながら実際に議論を行い取組んで
いるのはまだごく限られた地域に過ぎず、ほとんどの地域でこの問題の深刻さについての理解が乏しいのが現状である。
働き方改革を契機とした今こそ、自治体と密な連携を進める絶好のチャンスである。実際に各地域の基幹大学の教授が自治
体や関連病院の院長らとの意見交換会や地域医療協議会へ参加するなど、将来を見据えた取組みが行われつつある。これは
全ての都道府県において早急に行われるべきあり、好事例を共有しながら全国一丸となって進めていく必要がある。
◼ 地域住民との準備、意識改革
集約化と重点化を図るための具体的な施策の一例として、 地域の実情に応じて健診、分娩、産後ケアを機能分担して提供す
ることが挙げられる。医療圏ごとに大規施設へマンパワーを集約することで、 夜間休日も安全で質の高い周産期医療を提供す
ることが可能となる。健診や産後ケアは連携施設で行うことで、より利便性が高くなる。大規模施設までのアクセスが不便になる
ケースにおいて、交通・宿泊費に関しては自治体が支援するような体制を構築することが望まれる。
これまでの本邦における妊娠・分娩管理はほとんどの場合、同一施設で行われてきた。このことは妊産婦・住民にとって当然
のこととされ、同じ施設、同じ先生にずっと診てもらうのが安心と考えられてきたが、法令遵守のみならず医療安全、医療の質
の向上の観点からも、これからの医療提供の
としてチーム診療を推進していくべきである。体制の急激な変化はできるだけ
避けたほうがよいが、残された時間はもう長くない。このためには当事者である妊産婦、地域住民に丁寧に説明し意見を聴取
するための意見交換会を各都道府県が主導して設置・開催していく必要がある。自治体、医療機関間の連携強化はもちろんの
こと、 少子高齢化社会における周産期医療体制のあり方についてすべての国民が議論に参加し、よりよい体制作りを進めて
いかなければならない。
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