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【資料3】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状について(研究報告、今後の厚生労働省の対応)(報告) (22 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62310.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第96回 9/3)《厚生労働省》 |
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令和6年度
厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)
新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査 ー北海道札幌市(小児調査)ー
研究分担者:国立国際医療研究センター国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター・センター長 磯博康
研究協力者:北海道大学大学院医学研究院公衆衛生学教室 教授 玉腰暁子、木村尚史、春原怜史
研究目的:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状の長期的な影響(感染から24か月以上経過後の罹患後症状の状況、就学への影響等)について、
罹患後症状の持続期間別や非感染者と比較し、実態を明らかにする。
対
象:2022年度の調査*の回答者(札幌市在住で調査当時にて5~17歳)
方
法:保護者による自記式アンケート(オンライン回答)
* 2023年3月に実施した、札幌市在住の調査当時5歳~17歳の感染者および非感染者100,777人を対象とする調査。
調査時期:2024年12月~2025年1月
罹患後症状の定義:感染者において、2か月以上持続し、かつ初回感染から3か月時点で有した症状
遷延する症状(遷延症状)の定義:非感染者において、2024年2月から回答時点までの間で2か月以上続いた症状
感染者の罹患後症状の時系列推移(n=3,741)
有効回答者数
割合(%)
アンケート送付:5~17歳(2022年3月時点)の26,944人
有効回答者5,590人 (有効回答率20.7%。感染者4,289人、非感染者1,301人)
感染者のうち、感染から24か月以上経過した人を抽出した。
(なお、複数回感染者については、初回感染からの症状の有無について尋ねた)
結果
感染者(感染から2年以上経過)
3,741人
非感染者
1,301人
感染3か月時点で
罹患後症状あり
225人(6.0%)
罹患後症状の
持続1年未満
157人(4.2%)
罹患後症状の
持続1年以上
68人(1.8%)
回答者背景
平均年齢, 歳(SD)*
性(女児)
平均追跡期間,月(SD)
感染回数
1回
2回以上
COVID-19初回感染の重症度
無症状
軽症
中等症
重症
無回答
感染時期
1~3波(2020年1月~2021年3月7日)
4~5波(2021年3月8日~2022年1月6日)
6波(2022年1月7日~6月26日)
7波以降(2022年6月27日以降)
感染前COVID-19ワクチン接種**
0回
1回
2回以上
感染3か月時点で
罹患後症状なし
3,516 人
(94.0%)
遷延症状なし
1,238人
(95.2%)
遷延症状あり
63人
(4.8%)
感染者(n=3,741)
罹患後症状あり (n=225)
罹患後症状
なし
1年未満
1年以上
(n=3,516 )
(n=157)
(n=68)
7.0%
6.0%
5.0%
4.0%
3.0%
2.0%
1.0%
0.0%
3か月
遷延症状
なし(n=1,238)
6か月
12か月
18か月
24か月
非感染者
いずれかの
症状あり
咳嗽
疲労感・倦怠感
頭痛
集中力低下
脱毛
睡眠障害
食欲低下
ブレインフォグ
味覚障害
3か月
6.0%
1.2%
1.1%
1.0%
0.8%
0.7%
0.6%
0.5%
0.5%
0.4%
6か月
4.2%
0.7%
0.8%
0.7%
0.6%
0.3%
0.4%
0.2%
0.4%
0.3%
12か月
1.8%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
18か月
1.0%
0.1%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.0%
0.1%
0.1%
24か月
0.8%
0.1%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.0%
0.1%
0%
非感染者
0.5%
0%
0.1%
0.2%
0%
0%
0.1%
0%
0%
0%
就学(業)の変化
まとめ
感染者(n=3,741)
罹患後症状あり (n=225)
罹患後症状
なし
1年未満
1年以上
(n=3,516 )
(n=157)
(n=68)
n (%)
n (%)
n (%)
非感染者 (n=1,301)
遷延症状
あり(n=63)
*非感染者においては24か月以上続いた症状の割合を提示
過去1年間の欠席日数
29 (18.5)
0日
103 (65.6)
1日~14日
18 (11.5)
15日~30日
6 (3.8)
31日以上
1 (0.6)
不明・無回答者
2024年1月と比べた就学(業)の変化
6 (3.8)
遅刻・早退の増加
11 (7.0)
欠席の増加
0 (0)
休学・退学
2 (1.3)
遅刻・早退の減少
6 (3.8)
欠席の減少
非感染者 (n=1,301)
遷延症状
遷延症状
なし
あり(n=63)
(n=1,238)
n (%)
n (%)
mean, n
(SD,%)
11.0 (3.9)
72 (45.9)
30.5 (5.0)
mean, n
(SD,%)
11.7 (3.9)
34 (50.0)
35.0 (6.7)
mean, n
(SD,%)
9.8 (3.3)
1,553 (44.2)
31.3 (5.0)
mean, n
(SD,%)
9.6 (3.5)
28 (44.4)
-
mean, n
(SD,%)
9.7 (3.4)
604 (48.8)
-
116 (73.9)
41 (26.1)
38 (55.9)
30 (44.1)
2,688 (76.5)
828 (23.5)
-
-
3 (1.9)
144 (91.7)
1 (0.6)
0 (0)
9 (5.7)
1 (1.5)
54 (79.4)
1 (1.5)
0 (0)
12 (17.6)
120 (3.4)
3,212 (91.4)
13 (0.4)
1 (0.0)
170 (4.8)
-
-
3 (1.9)
6 (3.8)
54 (34.4)
94 (59.9)
6 (8.8)
9 (13.2)
37 (54.4)
16 (23.5)
81 (2.3)
151 (4.3)
1,578 (44.9)
1,706 (48.5)
-
-
1年以上続く群のリスク要因 罹患後症状なしに対する罹患後症状1年以上持続の調
109 (69.4)
10 (6.4)
38 (24.2)
55 (80.9)
2 (2.9)
11 (16.2)
2,868 (81.6)
106 (3.0)
542 (15.4)
33 (52.4)
0 (0)
30 (47.6)
690 (55.7)
23 (1.9)
525 (42.4)
整オッズ比は、感染時期が第7波以降に比べてそれ以前の感染者で高かった(第1~3
波:aOR 4.6, 95%CI 1.6-13.3; 第4~5波:aOR 5.2, 95%CI 2.1-12.5; 第6波 aOR:2.5,
95%CI 1.4-4.6)。また、1回感染に比べて複数回感染者(aOR 2.2, 95%CI 1.3-3.6)と
高年齢で(aOR 1.2, 95%CI 1.1-1.3)オッズ比が高かった。
*年齢は2022年度の初回調査回答日時点 **非感染者においては2024年度調査回答日時点の接種状況
15 (22.1)
39 (57.4)
3 (4.4)
7 (10.3)
4 (5.9)
690 (19.6)
2569 (73.1)
140 (4.0)
74 (2.1)
43 (1.2)
11 (17.5)
43 (68.3)
4 (6.3)
5 (7.9)
0 (0)
309 (25.0)
847 (68.4)
38 (3.1)
23 (1.9)
21 (1.7)
3 (4.4)
7 (10.3)
2 (2.9)
2 (2.9)
2 (2.9)
87 (2.5)
146 (4.2)
7 (0.2)
12 (0.3)
29 (0.8)
2 (3.2)
6 (9.5)
0 (0)
0 (0)
1 (1.6)
24 (1.9)
45 (3.6)
3 (0.2)
4 (0.3)
13 (1.1)
疲労感に関連する生活の質(QOL)の評価
最近1か月間の
疲労感関連のQOL
(PedsQL 多次元式
疲労尺度)
QOLスコア
感染者(n=3,741)
罹患後症状あり (n=225)
罹患後症状
なし(n=3,516
1年未満
1年以上
)
(n=157)
(n=68)
mean (SD)
mean (SD)
mean (SD)
85.4 (17.4)
77.9 (21.6)
91.8 (13.2)
非感染者 (n=1,301)
遷延症状
あり(n=63)
遷延症状
なし(n=1,238)
mean (SD)
87.5 (14.9)
mean (SD)
90.8 (12.7)
➢ 感染者において、いずれか1つ以上の罹患後症状があった者の
割合は、感染3か月後に6.0%、6か月後に4.2%、12か月後に
1.8%、18か月後に1.0%、24か月後に0.8%と経時的に低下し
た。感染24か月後にみられた症状は集中力低下、疲労感・倦怠
感、頭痛であった。
➢ 感染24か月後の罹患後症状の割合は、非感染者において24か月
以上持続する症状を有する者の割合(0.5%)と同程度まで低
下した。
➢ 罹患後症状の1年以上の持続は、感染時期が第7波と比べてそれ
以前、複数回感染、高年齢の感染者に多かった。
➢ 罹患後症状が1年以上持続した者や遷延症状を有した者は、遷
延症状がなかった者に比べて、過去1年間で31日以上の欠席し
た割合と2024年2月と比較して欠席の増加した割合が有意に高
かった。また、罹患後症状を有した者は、遷延症状がなかった
者に比べて、最近1か月間において疲労感に関連する生活の質
の有意な低下がみられた。(有意差の検定には性年齢調整のロ
ジスティック回帰もしくは線形回帰を用いた)
(研究の留意事項)
感染者、非感染者ともに想起バイアスの可能性は否定できない。本研究の罹患後症状
は自覚症状に基づいてのみ評価し、医学的に診断されたものではないため、他疾患に
伴う症状やCOVID-19再感染による症状が含まれている可能性がある。本調査では初
22
回感染から持続する罹患後症状のみを評価している点に留意が必要である。
厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)
新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査 ー北海道札幌市(小児調査)ー
研究分担者:国立国際医療研究センター国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター・センター長 磯博康
研究協力者:北海道大学大学院医学研究院公衆衛生学教室 教授 玉腰暁子、木村尚史、春原怜史
研究目的:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状の長期的な影響(感染から24か月以上経過後の罹患後症状の状況、就学への影響等)について、
罹患後症状の持続期間別や非感染者と比較し、実態を明らかにする。
対
象:2022年度の調査*の回答者(札幌市在住で調査当時にて5~17歳)
方
法:保護者による自記式アンケート(オンライン回答)
* 2023年3月に実施した、札幌市在住の調査当時5歳~17歳の感染者および非感染者100,777人を対象とする調査。
調査時期:2024年12月~2025年1月
罹患後症状の定義:感染者において、2か月以上持続し、かつ初回感染から3か月時点で有した症状
遷延する症状(遷延症状)の定義:非感染者において、2024年2月から回答時点までの間で2か月以上続いた症状
感染者の罹患後症状の時系列推移(n=3,741)
有効回答者数
割合(%)
アンケート送付:5~17歳(2022年3月時点)の26,944人
有効回答者5,590人 (有効回答率20.7%。感染者4,289人、非感染者1,301人)
感染者のうち、感染から24か月以上経過した人を抽出した。
(なお、複数回感染者については、初回感染からの症状の有無について尋ねた)
結果
感染者(感染から2年以上経過)
3,741人
非感染者
1,301人
感染3か月時点で
罹患後症状あり
225人(6.0%)
罹患後症状の
持続1年未満
157人(4.2%)
罹患後症状の
持続1年以上
68人(1.8%)
回答者背景
平均年齢, 歳(SD)*
性(女児)
平均追跡期間,月(SD)
感染回数
1回
2回以上
COVID-19初回感染の重症度
無症状
軽症
中等症
重症
無回答
感染時期
1~3波(2020年1月~2021年3月7日)
4~5波(2021年3月8日~2022年1月6日)
6波(2022年1月7日~6月26日)
7波以降(2022年6月27日以降)
感染前COVID-19ワクチン接種**
0回
1回
2回以上
感染3か月時点で
罹患後症状なし
3,516 人
(94.0%)
遷延症状なし
1,238人
(95.2%)
遷延症状あり
63人
(4.8%)
感染者(n=3,741)
罹患後症状あり (n=225)
罹患後症状
なし
1年未満
1年以上
(n=3,516 )
(n=157)
(n=68)
7.0%
6.0%
5.0%
4.0%
3.0%
2.0%
1.0%
0.0%
3か月
遷延症状
なし(n=1,238)
6か月
12か月
18か月
24か月
非感染者
いずれかの
症状あり
咳嗽
疲労感・倦怠感
頭痛
集中力低下
脱毛
睡眠障害
食欲低下
ブレインフォグ
味覚障害
3か月
6.0%
1.2%
1.1%
1.0%
0.8%
0.7%
0.6%
0.5%
0.5%
0.4%
6か月
4.2%
0.7%
0.8%
0.7%
0.6%
0.3%
0.4%
0.2%
0.4%
0.3%
12か月
1.8%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
18か月
1.0%
0.1%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.0%
0.1%
0.1%
24か月
0.8%
0.1%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.0%
0.1%
0%
非感染者
0.5%
0%
0.1%
0.2%
0%
0%
0.1%
0%
0%
0%
就学(業)の変化
まとめ
感染者(n=3,741)
罹患後症状あり (n=225)
罹患後症状
なし
1年未満
1年以上
(n=3,516 )
(n=157)
(n=68)
n (%)
n (%)
n (%)
非感染者 (n=1,301)
遷延症状
あり(n=63)
*非感染者においては24か月以上続いた症状の割合を提示
過去1年間の欠席日数
29 (18.5)
0日
103 (65.6)
1日~14日
18 (11.5)
15日~30日
6 (3.8)
31日以上
1 (0.6)
不明・無回答者
2024年1月と比べた就学(業)の変化
6 (3.8)
遅刻・早退の増加
11 (7.0)
欠席の増加
0 (0)
休学・退学
2 (1.3)
遅刻・早退の減少
6 (3.8)
欠席の減少
非感染者 (n=1,301)
遷延症状
遷延症状
なし
あり(n=63)
(n=1,238)
n (%)
n (%)
mean, n
(SD,%)
11.0 (3.9)
72 (45.9)
30.5 (5.0)
mean, n
(SD,%)
11.7 (3.9)
34 (50.0)
35.0 (6.7)
mean, n
(SD,%)
9.8 (3.3)
1,553 (44.2)
31.3 (5.0)
mean, n
(SD,%)
9.6 (3.5)
28 (44.4)
-
mean, n
(SD,%)
9.7 (3.4)
604 (48.8)
-
116 (73.9)
41 (26.1)
38 (55.9)
30 (44.1)
2,688 (76.5)
828 (23.5)
-
-
3 (1.9)
144 (91.7)
1 (0.6)
0 (0)
9 (5.7)
1 (1.5)
54 (79.4)
1 (1.5)
0 (0)
12 (17.6)
120 (3.4)
3,212 (91.4)
13 (0.4)
1 (0.0)
170 (4.8)
-
-
3 (1.9)
6 (3.8)
54 (34.4)
94 (59.9)
6 (8.8)
9 (13.2)
37 (54.4)
16 (23.5)
81 (2.3)
151 (4.3)
1,578 (44.9)
1,706 (48.5)
-
-
1年以上続く群のリスク要因 罹患後症状なしに対する罹患後症状1年以上持続の調
109 (69.4)
10 (6.4)
38 (24.2)
55 (80.9)
2 (2.9)
11 (16.2)
2,868 (81.6)
106 (3.0)
542 (15.4)
33 (52.4)
0 (0)
30 (47.6)
690 (55.7)
23 (1.9)
525 (42.4)
整オッズ比は、感染時期が第7波以降に比べてそれ以前の感染者で高かった(第1~3
波:aOR 4.6, 95%CI 1.6-13.3; 第4~5波:aOR 5.2, 95%CI 2.1-12.5; 第6波 aOR:2.5,
95%CI 1.4-4.6)。また、1回感染に比べて複数回感染者(aOR 2.2, 95%CI 1.3-3.6)と
高年齢で(aOR 1.2, 95%CI 1.1-1.3)オッズ比が高かった。
*年齢は2022年度の初回調査回答日時点 **非感染者においては2024年度調査回答日時点の接種状況
15 (22.1)
39 (57.4)
3 (4.4)
7 (10.3)
4 (5.9)
690 (19.6)
2569 (73.1)
140 (4.0)
74 (2.1)
43 (1.2)
11 (17.5)
43 (68.3)
4 (6.3)
5 (7.9)
0 (0)
309 (25.0)
847 (68.4)
38 (3.1)
23 (1.9)
21 (1.7)
3 (4.4)
7 (10.3)
2 (2.9)
2 (2.9)
2 (2.9)
87 (2.5)
146 (4.2)
7 (0.2)
12 (0.3)
29 (0.8)
2 (3.2)
6 (9.5)
0 (0)
0 (0)
1 (1.6)
24 (1.9)
45 (3.6)
3 (0.2)
4 (0.3)
13 (1.1)
疲労感に関連する生活の質(QOL)の評価
最近1か月間の
疲労感関連のQOL
(PedsQL 多次元式
疲労尺度)
QOLスコア
感染者(n=3,741)
罹患後症状あり (n=225)
罹患後症状
なし(n=3,516
1年未満
1年以上
)
(n=157)
(n=68)
mean (SD)
mean (SD)
mean (SD)
85.4 (17.4)
77.9 (21.6)
91.8 (13.2)
非感染者 (n=1,301)
遷延症状
あり(n=63)
遷延症状
なし(n=1,238)
mean (SD)
87.5 (14.9)
mean (SD)
90.8 (12.7)
➢ 感染者において、いずれか1つ以上の罹患後症状があった者の
割合は、感染3か月後に6.0%、6か月後に4.2%、12か月後に
1.8%、18か月後に1.0%、24か月後に0.8%と経時的に低下し
た。感染24か月後にみられた症状は集中力低下、疲労感・倦怠
感、頭痛であった。
➢ 感染24か月後の罹患後症状の割合は、非感染者において24か月
以上持続する症状を有する者の割合(0.5%)と同程度まで低
下した。
➢ 罹患後症状の1年以上の持続は、感染時期が第7波と比べてそれ
以前、複数回感染、高年齢の感染者に多かった。
➢ 罹患後症状が1年以上持続した者や遷延症状を有した者は、遷
延症状がなかった者に比べて、過去1年間で31日以上の欠席し
た割合と2024年2月と比較して欠席の増加した割合が有意に高
かった。また、罹患後症状を有した者は、遷延症状がなかった
者に比べて、最近1か月間において疲労感に関連する生活の質
の有意な低下がみられた。(有意差の検定には性年齢調整のロ
ジスティック回帰もしくは線形回帰を用いた)
(研究の留意事項)
感染者、非感染者ともに想起バイアスの可能性は否定できない。本研究の罹患後症状
は自覚症状に基づいてのみ評価し、医学的に診断されたものではないため、他疾患に
伴う症状やCOVID-19再感染による症状が含まれている可能性がある。本調査では初
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回感染から持続する罹患後症状のみを評価している点に留意が必要である。