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【資料3】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状について(研究報告、今後の厚生労働省の対応)(報告) (15 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62310.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第96回 9/3)《厚生労働省》 |
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令和6年度 罹患後症状の実態調査の主な結果①
罹患後症状の経時的推移
➢
➢
罹患後症状を有したと回答した割合は経時的に低下し、感染から24か月後時点で、いずれかの罹患後症状を有したと回答した割合は、成人では八尾市
の調査で3.5%、札幌市の調査で7.2%、小児では八尾市の調査で0.3% 、札幌市の調査で0.8%であった。
感染から24か月後時点においても訴えが多かった罹患後症状は、成人では疲労感・倦怠感、呼吸困難、集中力低下、小児では疲労感・倦怠感、頭痛、
集中力低下であった。
※いずれかの罹患後症状を有したと回答した割合(感染から3か月→12ヶ月→24ヶ月)八尾市:成人 13.8%→5.8%→3.5%、小児 5.4%→1.2%→0.3% 札幌市:成人 18.1%→9.1%→7.2%、小児 6.0%→1.8%→0.8%
就業・就学への影響
➢
成人:罹患後症状が持続したと回答した者では、遷延症状なしと回答した者に比べて、「働く(就学)時間が減った」1)「休みがちになった」2)と回
答した割合が有意に高かった。
1)八尾市の調査では罹患後症状が6か月以上、札幌市の調査では症状が3~5か月続いたと回答した者 2)八尾市の調査では罹患後症状が24か月以上、札幌市の調査では症状が3~5か月続いたと回答した者
➢
小児:札幌市の調査では、罹患後症状が1年以上持続したと回答した児は、遷延症状がなかったと回答した児に比べて、過去1年間で31日以上の欠席
したと回答した割合や、2024年2月と比較して「欠席が増加した」と回答した割合が有意に高かったが、八尾市の調査では該当者がいなかった。
社会経済状況への影響
➢
罹患後症状が24か月以上持続したと回答した者では、遷延症状なしと回答した者に比べて、世帯収入が「増加した・不変」と回答した者に対する「減
少した」と回答した者の割合が有意に高かった。
※八尾市の調査では罹患後症状が12-23か月持続したと回答した者で、札幌市の調査では遷延症状があると回答した者でも、遷延症状なしと回答した者に比べて、世帯収入が「増加した・不変」と回答した者
に対する「減少した」と回答した者の割合が有意に高かった。
罹患後症状が持続するリスク因子
➢
八尾市の調査では「肥満」「基礎疾患あり」「重症度」「感染時期」が、札幌市の調査では「年齢」「感染回数」「感染時期」が、成人における24か
月以上持続する罹患後症状の有無と関連を認めた。
罹患後症状が持続した者における支援制度の利用状況
➢
罹患後症状が12か月以上持続したと回答した者で、何らかの支援制度を利用していた者の割合は、八尾市の調査では9.8%、札幌市の調査では11.6%
であった。各支援制度の利用状況については、八尾市の調査では傷病手当が3.6%、労災保険が2.7%、札幌市の調査では傷病手当が6.2%、高額療養
費制度が2.8%であった。
新型コロナウイルス感染症の罹患後にME/CFSを発症する可能性について
➢
新型コロナウイルス感染症の罹患後に「ME/CFSに類似する症候あり」の基準に合致する回答者の割合は、統計学的な有意差は認められなかった。
研究の留意事項:
• 各調査にて対象とした感染時期に新型コロナウイルスに感染した者を「感染者」、感染しなかっ
た者を「非感染者」としている。
• 一般的に回答率は症状のある者の方が高くなるという傾向がある(回答バイアス)ことから、罹
患後症状を有した者の割合の解釈には留意が必要である。(回答率八尾市の成人で76.1%、小児で
73.4%、札幌市の成人で24.5%、 小児で20.7% )
• 回答者の年齢や性別のばらつきがあり、結果に影響した可能性がある。
• 感染者、非感染者ともに想起バイアスの影響は否定できない。
• 本研究の罹患後症状は自覚症状に基づいてのみ評価し、医学的に診断されたものではないため他
疾患に伴う症状が含まれている可能性がある。
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罹患後症状の経時的推移
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罹患後症状を有したと回答した割合は経時的に低下し、感染から24か月後時点で、いずれかの罹患後症状を有したと回答した割合は、成人では八尾市
の調査で3.5%、札幌市の調査で7.2%、小児では八尾市の調査で0.3% 、札幌市の調査で0.8%であった。
感染から24か月後時点においても訴えが多かった罹患後症状は、成人では疲労感・倦怠感、呼吸困難、集中力低下、小児では疲労感・倦怠感、頭痛、
集中力低下であった。
※いずれかの罹患後症状を有したと回答した割合(感染から3か月→12ヶ月→24ヶ月)八尾市:成人 13.8%→5.8%→3.5%、小児 5.4%→1.2%→0.3% 札幌市:成人 18.1%→9.1%→7.2%、小児 6.0%→1.8%→0.8%
就業・就学への影響
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成人:罹患後症状が持続したと回答した者では、遷延症状なしと回答した者に比べて、「働く(就学)時間が減った」1)「休みがちになった」2)と回
答した割合が有意に高かった。
1)八尾市の調査では罹患後症状が6か月以上、札幌市の調査では症状が3~5か月続いたと回答した者 2)八尾市の調査では罹患後症状が24か月以上、札幌市の調査では症状が3~5か月続いたと回答した者
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小児:札幌市の調査では、罹患後症状が1年以上持続したと回答した児は、遷延症状がなかったと回答した児に比べて、過去1年間で31日以上の欠席
したと回答した割合や、2024年2月と比較して「欠席が増加した」と回答した割合が有意に高かったが、八尾市の調査では該当者がいなかった。
社会経済状況への影響
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罹患後症状が24か月以上持続したと回答した者では、遷延症状なしと回答した者に比べて、世帯収入が「増加した・不変」と回答した者に対する「減
少した」と回答した者の割合が有意に高かった。
※八尾市の調査では罹患後症状が12-23か月持続したと回答した者で、札幌市の調査では遷延症状があると回答した者でも、遷延症状なしと回答した者に比べて、世帯収入が「増加した・不変」と回答した者
に対する「減少した」と回答した者の割合が有意に高かった。
罹患後症状が持続するリスク因子
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八尾市の調査では「肥満」「基礎疾患あり」「重症度」「感染時期」が、札幌市の調査では「年齢」「感染回数」「感染時期」が、成人における24か
月以上持続する罹患後症状の有無と関連を認めた。
罹患後症状が持続した者における支援制度の利用状況
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罹患後症状が12か月以上持続したと回答した者で、何らかの支援制度を利用していた者の割合は、八尾市の調査では9.8%、札幌市の調査では11.6%
であった。各支援制度の利用状況については、八尾市の調査では傷病手当が3.6%、労災保険が2.7%、札幌市の調査では傷病手当が6.2%、高額療養
費制度が2.8%であった。
新型コロナウイルス感染症の罹患後にME/CFSを発症する可能性について
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新型コロナウイルス感染症の罹患後に「ME/CFSに類似する症候あり」の基準に合致する回答者の割合は、統計学的な有意差は認められなかった。
研究の留意事項:
• 各調査にて対象とした感染時期に新型コロナウイルスに感染した者を「感染者」、感染しなかっ
た者を「非感染者」としている。
• 一般的に回答率は症状のある者の方が高くなるという傾向がある(回答バイアス)ことから、罹
患後症状を有した者の割合の解釈には留意が必要である。(回答率八尾市の成人で76.1%、小児で
73.4%、札幌市の成人で24.5%、 小児で20.7% )
• 回答者の年齢や性別のばらつきがあり、結果に影響した可能性がある。
• 感染者、非感染者ともに想起バイアスの影響は否定できない。
• 本研究の罹患後症状は自覚症状に基づいてのみ評価し、医学的に診断されたものではないため他
疾患に伴う症状が含まれている可能性がある。
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