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【資料3】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状について(研究報告、今後の厚生労働省の対応)(報告) (21 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62310.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第96回 9/3)《厚生労働省》 |
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令和6年度
厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)
コロナ禍における住民の皆様の健康状態に関する調査Ⅱ ー大阪府八尾市(小児調査)ー
研究分担者:国立国際医療研究センター国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター・センター長
磯博康
研究協力者:細澤麻里子、堀 幸
研究目的:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状の長期的な影響(感染から24か月以上経過後の罹患後症状の状況、就学への影響等)について、
罹患後症状の持続期間別や非感染者と比較し、実態を明らかにする。
対
象:2023年度の調査*の回答者(八尾市在住で2024年8月時点にて7~19歳)
方
法:保護者による自記式アンケート(オンライン回答)
* 2024年1~2月に実施した、八尾市在住の6歳~18歳の感染者および非感染者3,439人を対象とする調査。
調査時期:2024年11~12月
罹患後症状の定義:感染者において、2か月以上持続し、かつ初回感染から3か月時点で有した症状
遷延する症状(遷延症状)の定義:非感染者において、2024年1月から回答時点までの間で2か月以上続いた症状
感染者の罹患後症状の時系列推移(n=912)
有効回答者数
割合(%)
5.0%
(なお、複数回感染者については、初回感染からの症状の有無について尋ねた)
結果
感染者(感染から24か月以上経過)
912人
非感染者
439人
回答者背景
罹患後症状の
持続1年以上
11人(1.2%)
感染3か月時点で
罹患後症状なし
863 人
(94.6%)
12か月
18か月
24か月
非感染者
2.0%
いずれかの
症状あり
疲労感・
倦怠感
集中力
低下
味覚障害
嗅覚障害
睡眠障害
咳嗽
ブレイン
フォグ
頭痛
3か月
5.4%
1.0%
0.9%
0.9%
0.8%
0.8%
0.7%
0.7%
0.5%
6か月
4.3%
0.9%
0.8%
0.8%
0.5%
0.7%
0.5%
0.5%
0.4%
12か月
1.2%
0.2%
0.2%
0.3%
0.2%
0.1%
0.1%
0.2%
0.2%
18か月
0.7%
0.2%
0%
0.1%
0.1%
0%
0.1%
0.1%
0.1%
24か月
0.3%
0.2%
0%
0.1%
0.1%
0%
0.1%
0%
0%
非感染者
0.5%
0.1%
0%
0%
0%
0.1%
0.1%
0%
0.1%
まとめ
➢ 感染者において、いずれかの罹患後症状を有したと回答し
た者の割合は、感染3か月後に5.4%、6か月後に4.3%、12
n
%
n
%
か月後に1.2%、18か月後に0.7%、24か月後に0.3%と経
過去1年間の欠席日数
時的に低下した。感染24か月後まで持続した症状は、疲労
7
(18.4)
2
(18.2) 279 (32.3)
4
(28.6) 145 (34.1)
0日
感・倦怠感、味覚障害、嗅覚障害、咳嗽であった。
26
(68.4)
8
(72.7) 541 (62.7)
8
(57.1) 254 (59.8)
1日~14日
3
(7.9)
0
(0)
13
(1.5)
1
(7.1)
7
(1.7) ➢ 感染24か月後の罹患後症状の割合は、非感染者において24
15日~30日
1
(2.6)
0
(0)
11
(1.3)
0
(0)
7
(1.7)
31日以上
か月以上持続する症状を有する者の割合(0.5%)と同程度
1
(2.6)
1
(9.1)
19
(2.2)
1
(7.1)
12
(2.8)
不明・無回答者
まで低下した。24か月以上持続する症状のうち、味覚障害
2024年1月と比べた就学(業)の変化
遅刻・早退の増加
2
(5.3)
0
(0)
26
(3.0)
0
(0)
6
(1.4)
や嗅覚障害は感染者でのみみられた。
欠席の増加
2
(5.3)
0
(0)
28
(3.2)
0
(0)
8
(1.9)
➢
罹患後症状の1年以上の持続は、感染時期が第6~7波に比
休学・退学
0
(0)
0
(0)
0
(0)
1
(7.1)
1
(0.2)
遅刻・早退の減少
べて第4~5波の感染者に多かった。
0
(0)
1
(9.1)
5
(0.6)
0
(0)
6
(1.4)
欠席の減少
1
(2.6)
1
(9.1)
6
(0.7)
1
(7.1)
9
(2.1) ➢ 罹患後症状1年以上ありの者の過去1年間の欠席日数や2024
疲労感に関連する生活の質(QOL)の評価
年1月と比べた就学の変化は、罹患後症状の持続が1年未満
感染者(n=912)
非感染者 (n=439 )
の者や非感染者と有意差がなかった。しかし、罹患後症状
最近1か月間の
罹患後症状あり (n=49)
疲労感関連のQOL
罹患後症状
遷延症状
遷延症状
ありの者は、罹患後症状なしの者や非感染者の遷延症状な
1年未満
1年以上
(PedsQL 多次元式
なし(n=863)
あり(n=14)
なし(n=425)
(n=38)
(n=11)
しに比べて、最近1か月間において疲労感に関連する生活の
疲労尺度)
mean (SD) mean (SD) mean (SD) mean (SD) mean (SD)
質の低下がみられた。
QOLスコア
就学(業)
の変化
感染者(n=912)
非感染者 (n=439)
罹患後症状あり (n=49)
罹患後症状
遷延症状
遷延症状
1年未満
1年以上
なし(n=863)
あり(n=14)
なし(n=425)
(n=38)
(n=11)
mean, n (SD,%) mean, n (SD,%) mean, n (SD,%) mean, n (SD,%) mean, n (SD,%)
13.7
(4.0)
14.5
(3.8)
12.0
(3.3)
10.9
(2.8)
12.1
(3.5)
11
(28.9)
6
(54.5)
390
(45.2)
9
(64.3)
211
(49.6)
32.6
(3.1)
33.2
(2.7)
38.0
(4.3)
-
平均年齢, 歳 (SD)
性(女児)
平均追跡期間,月(SD)
感染回数
1回
30
2回以上
8
COVID-19初回感染の重症度
無症状
0
軽症
38
中等症Ⅰ・Ⅱ
0
重症
0
感染時期
4・5波(2021年3月~12月)
3
6波(2022年1月~6月)
34
7波以降(2022年7月以降)
1
感染前COVID-19ワクチン接種*
接種なし
30
接種あり(1回)
0
接種あり(2回以上)
8
6か月
3.0%
0.0%
遷延症状なし
425人
(96.8%)
遷延症状あり
14人
(3.2%)
3か月
4.0%
1.0%
感染3か月時点で
罹患後症状あり
49人(5.4%)
罹患後症状の
持続1年未満
38人(4.2%)
*非感染者においては24か月以上続いた症状があると回答した者の割合を提示
6.0%
アンケート送付:7~19歳の2,225人
有効回答者1,634人 (有効回答率73.4%。感染者1,195人、非感染者439人)
感染者のうち、感染から24か月以上経過した人を抽出した。
(78.9)
(21.1)
6
5
(54.5)
(45.5)
641
222
(74.3)
(25.7)
-
-
-
-
(0)
(100)
(0)
(0)
0
10
1
0
(0)
(90.9)
(9.1)
(0)
73
785
5
0
(8.5)
(91.0)
(0.6)
(0)
-
-
-
-
(7.9)
(89.5)
(2.6)
7
4
0
(63.6)
(36.4)
(0)
45
722
96
(5.2)
(83.7)
(11.1)
-
-
-
-
(78.9)
(0)
(21.1)
10
0
1
(90.9)
(0)
(9.1)
735
5
123
(85.2)
(0.6)
(14.3)
10
0
4
(71.4)
(0)
(28.6)
282
1
142
(66.4)
(0.2)
(33.4)
*非感染者においては2022年10月末までの接種状況
感染者(n=912)
罹患後症状あり (n=49)
罹患後症状
1年未満
1年以上
なし(n=863)
(n=38)
(n=11)
n
%
n
%
n
%
82.2
21.0
79.2
22.6
90.7
14.0
非感染者 (n=439 )
遷延症状
あり(n=14)
89.5
11.6
遷延症状
なし(n=425)
90.9
14.3
罹患後症状が1年以上続くリスク要因 罹患後症状なしに対する罹患後症
状1年以上持続の調整オッズ比は感染時期が第6~7波に比べて第4~5波の感
染者でリスクが高かった(aOR 33.8, 95%CI 7.0-164.5)
年齢、性別、初回感染の重症度、感染回数(1回vs2回以上)、感染時期、感染前のワクチン接種で相互調整
(研究の留意事項)
感染者、非感染者ともに想起バイアスの可能性は否定できない。本研究の罹患後症状は自覚症状に基
づいてのみ評価し、医学的に診断されたものではないため、他疾患に伴う症状やCOVID-19再感染に
よる症状が含まれている可能性がある。本調査では初回感染から持続する罹患後症状のみを評価して
いる点に留意が必要である。
21
厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)
コロナ禍における住民の皆様の健康状態に関する調査Ⅱ ー大阪府八尾市(小児調査)ー
研究分担者:国立国際医療研究センター国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター・センター長
磯博康
研究協力者:細澤麻里子、堀 幸
研究目的:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状の長期的な影響(感染から24か月以上経過後の罹患後症状の状況、就学への影響等)について、
罹患後症状の持続期間別や非感染者と比較し、実態を明らかにする。
対
象:2023年度の調査*の回答者(八尾市在住で2024年8月時点にて7~19歳)
方
法:保護者による自記式アンケート(オンライン回答)
* 2024年1~2月に実施した、八尾市在住の6歳~18歳の感染者および非感染者3,439人を対象とする調査。
調査時期:2024年11~12月
罹患後症状の定義:感染者において、2か月以上持続し、かつ初回感染から3か月時点で有した症状
遷延する症状(遷延症状)の定義:非感染者において、2024年1月から回答時点までの間で2か月以上続いた症状
感染者の罹患後症状の時系列推移(n=912)
有効回答者数
割合(%)
5.0%
(なお、複数回感染者については、初回感染からの症状の有無について尋ねた)
結果
感染者(感染から24か月以上経過)
912人
非感染者
439人
回答者背景
罹患後症状の
持続1年以上
11人(1.2%)
感染3か月時点で
罹患後症状なし
863 人
(94.6%)
12か月
18か月
24か月
非感染者
2.0%
いずれかの
症状あり
疲労感・
倦怠感
集中力
低下
味覚障害
嗅覚障害
睡眠障害
咳嗽
ブレイン
フォグ
頭痛
3か月
5.4%
1.0%
0.9%
0.9%
0.8%
0.8%
0.7%
0.7%
0.5%
6か月
4.3%
0.9%
0.8%
0.8%
0.5%
0.7%
0.5%
0.5%
0.4%
12か月
1.2%
0.2%
0.2%
0.3%
0.2%
0.1%
0.1%
0.2%
0.2%
18か月
0.7%
0.2%
0%
0.1%
0.1%
0%
0.1%
0.1%
0.1%
24か月
0.3%
0.2%
0%
0.1%
0.1%
0%
0.1%
0%
0%
非感染者
0.5%
0.1%
0%
0%
0%
0.1%
0.1%
0%
0.1%
まとめ
➢ 感染者において、いずれかの罹患後症状を有したと回答し
た者の割合は、感染3か月後に5.4%、6か月後に4.3%、12
n
%
n
%
か月後に1.2%、18か月後に0.7%、24か月後に0.3%と経
過去1年間の欠席日数
時的に低下した。感染24か月後まで持続した症状は、疲労
7
(18.4)
2
(18.2) 279 (32.3)
4
(28.6) 145 (34.1)
0日
感・倦怠感、味覚障害、嗅覚障害、咳嗽であった。
26
(68.4)
8
(72.7) 541 (62.7)
8
(57.1) 254 (59.8)
1日~14日
3
(7.9)
0
(0)
13
(1.5)
1
(7.1)
7
(1.7) ➢ 感染24か月後の罹患後症状の割合は、非感染者において24
15日~30日
1
(2.6)
0
(0)
11
(1.3)
0
(0)
7
(1.7)
31日以上
か月以上持続する症状を有する者の割合(0.5%)と同程度
1
(2.6)
1
(9.1)
19
(2.2)
1
(7.1)
12
(2.8)
不明・無回答者
まで低下した。24か月以上持続する症状のうち、味覚障害
2024年1月と比べた就学(業)の変化
遅刻・早退の増加
2
(5.3)
0
(0)
26
(3.0)
0
(0)
6
(1.4)
や嗅覚障害は感染者でのみみられた。
欠席の増加
2
(5.3)
0
(0)
28
(3.2)
0
(0)
8
(1.9)
➢
罹患後症状の1年以上の持続は、感染時期が第6~7波に比
休学・退学
0
(0)
0
(0)
0
(0)
1
(7.1)
1
(0.2)
遅刻・早退の減少
べて第4~5波の感染者に多かった。
0
(0)
1
(9.1)
5
(0.6)
0
(0)
6
(1.4)
欠席の減少
1
(2.6)
1
(9.1)
6
(0.7)
1
(7.1)
9
(2.1) ➢ 罹患後症状1年以上ありの者の過去1年間の欠席日数や2024
疲労感に関連する生活の質(QOL)の評価
年1月と比べた就学の変化は、罹患後症状の持続が1年未満
感染者(n=912)
非感染者 (n=439 )
の者や非感染者と有意差がなかった。しかし、罹患後症状
最近1か月間の
罹患後症状あり (n=49)
疲労感関連のQOL
罹患後症状
遷延症状
遷延症状
ありの者は、罹患後症状なしの者や非感染者の遷延症状な
1年未満
1年以上
(PedsQL 多次元式
なし(n=863)
あり(n=14)
なし(n=425)
(n=38)
(n=11)
しに比べて、最近1か月間において疲労感に関連する生活の
疲労尺度)
mean (SD) mean (SD) mean (SD) mean (SD) mean (SD)
質の低下がみられた。
QOLスコア
就学(業)
の変化
感染者(n=912)
非感染者 (n=439)
罹患後症状あり (n=49)
罹患後症状
遷延症状
遷延症状
1年未満
1年以上
なし(n=863)
あり(n=14)
なし(n=425)
(n=38)
(n=11)
mean, n (SD,%) mean, n (SD,%) mean, n (SD,%) mean, n (SD,%) mean, n (SD,%)
13.7
(4.0)
14.5
(3.8)
12.0
(3.3)
10.9
(2.8)
12.1
(3.5)
11
(28.9)
6
(54.5)
390
(45.2)
9
(64.3)
211
(49.6)
32.6
(3.1)
33.2
(2.7)
38.0
(4.3)
-
平均年齢, 歳 (SD)
性(女児)
平均追跡期間,月(SD)
感染回数
1回
30
2回以上
8
COVID-19初回感染の重症度
無症状
0
軽症
38
中等症Ⅰ・Ⅱ
0
重症
0
感染時期
4・5波(2021年3月~12月)
3
6波(2022年1月~6月)
34
7波以降(2022年7月以降)
1
感染前COVID-19ワクチン接種*
接種なし
30
接種あり(1回)
0
接種あり(2回以上)
8
6か月
3.0%
0.0%
遷延症状なし
425人
(96.8%)
遷延症状あり
14人
(3.2%)
3か月
4.0%
1.0%
感染3か月時点で
罹患後症状あり
49人(5.4%)
罹患後症状の
持続1年未満
38人(4.2%)
*非感染者においては24か月以上続いた症状があると回答した者の割合を提示
6.0%
アンケート送付:7~19歳の2,225人
有効回答者1,634人 (有効回答率73.4%。感染者1,195人、非感染者439人)
感染者のうち、感染から24か月以上経過した人を抽出した。
(78.9)
(21.1)
6
5
(54.5)
(45.5)
641
222
(74.3)
(25.7)
-
-
-
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(0)
(100)
(0)
(0)
0
10
1
0
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(90.9)
(9.1)
(0)
73
785
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0
(8.5)
(91.0)
(0.6)
(0)
-
-
-
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(7.9)
(89.5)
(2.6)
7
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(63.6)
(36.4)
(0)
45
722
96
(5.2)
(83.7)
(11.1)
-
-
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(78.9)
(0)
(21.1)
10
0
1
(90.9)
(0)
(9.1)
735
5
123
(85.2)
(0.6)
(14.3)
10
0
4
(71.4)
(0)
(28.6)
282
1
142
(66.4)
(0.2)
(33.4)
*非感染者においては2022年10月末までの接種状況
感染者(n=912)
罹患後症状あり (n=49)
罹患後症状
1年未満
1年以上
なし(n=863)
(n=38)
(n=11)
n
%
n
%
n
%
82.2
21.0
79.2
22.6
90.7
14.0
非感染者 (n=439 )
遷延症状
あり(n=14)
89.5
11.6
遷延症状
なし(n=425)
90.9
14.3
罹患後症状が1年以上続くリスク要因 罹患後症状なしに対する罹患後症
状1年以上持続の調整オッズ比は感染時期が第6~7波に比べて第4~5波の感
染者でリスクが高かった(aOR 33.8, 95%CI 7.0-164.5)
年齢、性別、初回感染の重症度、感染回数(1回vs2回以上)、感染時期、感染前のワクチン接種で相互調整
(研究の留意事項)
感染者、非感染者ともに想起バイアスの可能性は否定できない。本研究の罹患後症状は自覚症状に基
づいてのみ評価し、医学的に診断されたものではないため、他疾患に伴う症状やCOVID-19再感染に
よる症状が含まれている可能性がある。本調査では初回感染から持続する罹患後症状のみを評価して
いる点に留意が必要である。
21