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公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.0版」の周知について(2/28付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 7.0 版 ●1 病原体・疫学



病原体・疫学

1. 病原体
これまでにヒトコロナウイルスは 4 種が同定されており,感冒の原因の 10 ~ 15%を占める
病原体として知られる.また,イヌやネコ,ブタなど動物に感染するコロナウイルスも存在す
る.2002 年中国・広東省に端を発した重症急性呼吸器症候群(SARS)は,コウモリのコロ
ナウイルスがハクビシンを介してヒトに感染,主に医療施設内でヒト - ヒト感染を起こし,世
界で 8,000 人を超える患者が報告された.また,2012 年にはアラビア半島で中東呼吸器症候
群(MERS)が報告され,ヒトコブラクダからヒトに感染することが判明している.2019 年
12 月に中国・湖北省武漢市で発生した原因不明の肺炎は,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
が原因であることが判明した(図 1-1)
.SARS や MERS の病原体と同じβコロナウイルス
に分類される動物由来コロナウイルスであるが,宿主動物は分かっていない.その後,ヒト
−ヒト感染によって流行が世界的に広がっている状況である.SARS-CoV-2 による感染症を
COVID−19(感染症法では新型コロナウイルス感染症)と呼ぶ.
図 1-1

病原体

SARS-CoV-2 動物由来コロナウイルス

S:スパイクタンパク
(国立感染症研究所)

エンベロープにある突起が王冠(ギリシア語でコロナ)のように見える.SARS の病原体(SARS-CoV-1)と同様にアン
ジオテンシン変換酵素 2(ACE2)をレセプターとしてヒトの細胞に侵入する.3 日間程度は環境表面で安定と考えられる.

2022 年 1 月 24 日現在,国立感染症研究所は,世界保健機関(WHO)等の評価を参考に,国
内における感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される SARS-CoV-2 の変異株 Variants of
Concern(VOC)として,B.1.351 系統(ベータ株),P.1 系統(ガンマ株),B.1.617.2 系統(デ
ルタ株),B.1.1.529 系統(オミクロン株)を分類している.
加えてワクチンの効果や感染力に影響を与える可能性がある注目すべき変異株 Variants of
Interest(VOI)があるが,現在は該当する系統はない.また,今般,監視体制を強化し早期の対応
に繋げるため,新たに監視下の変異株 Variants under Monitoring(VUM)を設定し,B.1.1.7 系
統(アルファ株),C.37 系統(ラムダ株)と B.1.621 系統(ミュー株),B.1.617.1(旧カッパ株),
AY.4.2 系統を分類している.
日本国内においては,2022 年 1 月末の時点で感染者から検出されるウイルスは,オミクロン株
が優勢となっているが,一部デルタ株も検出されている.オミクロン株の詳細は,「SARS-CoV-2
の変異株 B.1.1.529 系統(オミクロン株)について(第 8 報)」を参照されたい.
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