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資料2-5 重篤副作用疾患別対応マニュアル 進行性多巣性白質脳症(PML)(案) (9 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00004.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第14回 9/15)《厚生労働省》
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B.医療関係者の皆様へ
1.進行性多巣性白質脳症とは?
進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:
PML)は、JC ウイルス(JC virus: JCV)によって引き起こされる中枢神経感
染症である。JCV は健常人にも感染しており、通常の免疫状態で発症するこ
とはないが、主に細胞性免疫が低下する基礎疾患を有する場合に、広範な中
枢神経の脱髄を引き起こし、亜急性に進行する認知機能障害、片麻痺、失語
といった症状を発症する。ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency
virus: HIV)感染症が基礎疾患として知られているが、原因となる疾患は多
岐にわたる 1)。本邦での PML 発症頻度は、人口 1,000 万人に対して約 0.9 人
である 1)。一方、近年、自己免疫疾患を対象に強力な免疫抑制効果を持つ様々
な薬剤が開発され、その一部に PML を発症した報告が相次いでいる。PML は
根本的治療がなく、進行することが多いため、致死的疾患とされるが、薬剤
により引き起こされる PML の場合、早期に対応することで、病勢の進行を停
止させることが出来る場合もある。

2.進行性多巣性白質脳症を引き起こす可能性のある薬剤は?
PML 発症に関連する薬剤として、ステロイド製剤、アルキル化剤などの抗
がん剤、免疫抑制薬、生物由来製品などが知られている

2)

(表1)
。Zaheer

らは PML 発症への寄与に応じて関連薬剤を 3 つのクラスに分類しており 3)(表
2)、多発性硬化症(multiple sclerosis: MS)の治療に用いられる疾患修
飾薬(disease modifying drug: DMD)の多くがクラス 1〜3 に分類されてい
る 2)。薬剤関連 PML の基礎疾患の割合でも近年では MS の割合が一番高い 4)。

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